粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

県立熊本大学の避難所閉鎖にみる二重行政の弊害

熊本地震
怖い、まだ帰れない 県立大が避難所閉鎖

毎日新聞2016年4月18日 東京夕刊

 

熊本地震被災した住民ら約500人(18日午前現在)が避難している熊本県立大(熊本市東区、五百旗頭(いおきべ)真理事長)が18日正午に、「指定緊急避難場所」を閉鎖することが分かった。市は同大を一時的な「避難場所」としているが、長期滞在が可能な「避難所」には指定していない。大学側は「講義再開の準備のため閉鎖はやむをえない」としているが、同市を襲った震度6強の地震からわずか2日後の閉鎖に、多くの避難者が困惑している。

 災害対策基本法などによると、災害時に住民が避難する場所には、一時的な避難を想定した「避難場所」と長期滞在する「避難所」の2種類があり、一部は避難場所から避難所に移行することもできる。市は2013年、同大と指定緊急避難場所として利用する協定を結んだが、避難所に移行できる対象にはしていない。

 同大は14日深夜の地震以降、大学の体育館やロビーなどを避難場所として提供し、19日まで休講を決めた。当初は学生や周辺住民ら約300人が避難し、16日未明の強い揺れを受け、一時500人以上が滞在した。

 

 

 

政令市熊本市東区にある「県立」熊本大学の避難所が二日で閉鎖。


 これ、まさに二重行政の弊害やな。政令市である熊本市熊本県の意思疎通ができていない。毎日の夕刊読んで知ったんだけど、あほかと。

 

毎日夕刊(大阪版)から:

同市危機管理防災総室は「避難場所の閉鎖は聞いていない。長く運営してもらいたいが、市の判断だけで運営できる市立小中学校などと違い、県立大学なので継続か閉鎖かなどの判断は任せざるえを得ない。」

 

もうあほというかなんというか。なんで、二日で閉鎖やねん。ただでさえ、疲労困憊の被災者に無理を強いてどうすんねん。しかも、これで熊本大学の近くの避難所の密度をさらにあげるだけやん。せめて一カ月ぐらい解放しろよ。閉鎖するにしても予告期間を持てよ。大学が何と言おうが熊本市長が県知事に土下座してでも延長させろよ。

これが本当の二重行政なんだよ。政令市なんか廃止してしまえ!

 

これ、よその話だけではなく、大阪でも同じ話です。
堺市にある大阪府立大学は同じく避難場所であっても避難所ではありません。

府立大のある堺市中区の避難所リストです。

 

指定避難所(中区) 堺市 (長期滞在可能)

広域避難地 堺市 (一時的な避難のみ)

 

 広域の避難地としては府大は入っています。しかし避難所ではありません。熊本と全く同じです。堺市地震の際に一時的に府大に逃げ込んでも、長期的な避難所暮らしが想定される場合は、堺市中区の人はサッサと近所の小学校などに移動した方がいいです。まあ松井知事ならなんとかしてくれそうではありますが。タヌキがなぁ。

 

 因みに大阪市にある大阪市立大学の方はというとこうなっています。

 

大阪市 住吉区 大阪市立大学を災害時避難所として指定しました

住吉区役所は災害発生時における宿泊・給食等の生活機能を提供できる施設として、公立大学法人大阪市立大学の承認を得て、大阪市立大学を災害時避難所として指定しました。
 すでに、広域避難所(同時多発火災が発生し、人命に著しい被害を及ぼすと予測される場合の避難に適する大きな公園など)として、大阪市立大学を指定していますが、災害につよいまちづくりをより一層推進するため、あらたに第2体育館を災害時避難所として指定しました。

《指定承諾日》 平成24年3月15日(木曜日)

 

 さすが橋下さん。広域避難場所から長期滞在可能な避難所にきっちり指定しています。しかも就任から半年経っていません。おそらく知事時代に問題として捉えていたんでしょう。これが市長の仕事です。どこぞの狸には逆立ちしてもできません。維新が防災に弱いとかなんか言ってたアンチ出て来いw

 

 それにしても、もうやめようよ、こういうの。とっとと都構想しよう。こんなのが避難所だけではなくゴロゴロあるんだよ。きっと今も熊本で物資の集積所が県と熊本市の双方に有って、情報が錯綜したり二重に配送したりとかあるんだろう。そういうのが無くても熊本市には毛布は余ってて県にはないとか、そういうことが普通に想像できるよ。勿論、双方の職員さんは必死に頑張っておられるでしょう。でも制度の問題なんだよ。制度さえ変えれば問題ないんだ。変えよう。変えないと明日は我が身だよ。

 

 今回は大阪市堺市に絞って話を書いたし、時間的に調べる時間がないので詰めれてません。ひょっとしたら府立大学は協定が既に結ばれているかもしれません。でも他の府下の中核市も似たような問題はある。自分の町にある大学が避難所になってるか?また自分の住んでる場所の最寄りの避難所を調べておいてください。

「(自分の住む町) 避難所」

で、ググればすぐ出てきます。災害はすぐ傍にあるもの。

意識して生活をしましょう。

 

維新の議員さんで読んで頂いた方がいたら:

 熊本市と県の広域災害に対する対処についての研究をお願いします。熊本市熊本県の関係は地政学的にも大阪と良く似ています。熊本市が県の中央にあってその周辺に他の市が広がっていますから。熊本県、市の今回の行政の災害に対する初動やその後の対策は絶対、大阪における今後の対策に活かせると思います。是非お願いします。