粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

TPP審議拒否をする民進党 玉木議員の詭弁

www.sankei.com

 

 今回は維新を離れて、現在の衆院環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)特別委員会(以下委員会)における民進党の審議拒否について書いてみたいと思います。経緯としては、民進党は政府に対してTPPの交渉経緯を提出しろと言ってます。返ってきたのは全てが黒塗りの資料でした。その一連の流れの中で、TPP委員会の委員長(以下委員長)が、秘密保持であるTPPの交渉経緯を知っていなければ書けない本を出版しようとしているという話が出ます。民進党はその本のゲラを手に入れ、これは政府が委員長にTTPの交渉経緯を漏えいしているのではないか?としています。委員会の中で委員長に情報漏えいの有無を問い質したりとか(当然無視ですけど)訳わからんことを民進党はしています。そして審議拒否の現状です。そんな中、民進党の玉木衆議院議員Twitterで以下の発言をしています。

 

 

 これなんですが、私には単なる詭弁にしか聞こえません。

 仮に委員長に対して政府(ないしどこかのルート)でTPP交渉経緯の漏えいがあったとしましょう。でもそれと民進党に対してTPP交渉経緯の開示をすることは、別問題です。委員長に対する情報漏えいは委員長個人・政府の問題です。仮に漏えいがあったとしても、民進党にさらにTPP交渉経緯の「再漏えい」をする法的根拠も理由もありません。このツイートは問題の本質をずらしています。民進党がこういう考え方をする理由は、TPP交渉経緯を政府から引き出すのが、TPP審議をする上で必要な手段ではなく、目的だからです。正確に言うと交渉経緯を出せと言い続けることが目的です。

 

 例えをしましょう。

 

 自民党をA君、委員長をB君、民進党をC君とします。そしてTPP交渉経緯を「お菓子」とします。Aはお菓子を一杯持っています。そしてそれを誰にもあげない(秘密保持)と言っています。しかしCは、AがBにお菓子をあげたのではないか?という疑惑を持ちます。(情報漏えい)そこでCはAに対して、「Bにお菓子をあげたのなら、俺にもお菓子を寄越せ」と駄々(審議拒否)をこねました。

 

 これが国会の現状です。ここでCが「お菓子を俺にも寄越せ」とAに言うのはおかしいんです。この場合、Cが出来るのはAがお菓子を誰にもあげないと言ってたのに、Bにお菓子をあげたことを非難することだけです。そしてその非難の根拠とするために、BにAからお菓子を貰ったことを確認することです。現実で言えば、民進党は委員長がどこからTPP交渉経緯を得たのかを査問することです。TPP委員会以外の査問委員会でも立ち上げるべきなんです。その査問委員会にTPP委員長を召喚して、漏えい過程について問い質すべきなんです。そこから政府から漏えいしたという証言を得たのなら、その上で政府を非難するんです。何で委員長にTPP交渉経緯を漏えいしたのなら、民進党にも漏えいしろ!になるんですか?例えで言えば、CはAの発言はどうでもよくて、ただ単にお菓子が欲しいだけの子供なんです。だからお菓子クレお菓子クレと駄々をこねるんです。民進党は子供ですか?民進党が査問委員会の立ち上げを要求して、自民党がそれを拒否した上での審議拒否ならまだ理解はできます。しかし民進党にも情報開示しろは通じないでしょう?

 

 だから玉木議員が言う「しかし西川委員長が出版しようとしている本の内容レベルの開示はできるのではないかと提案しているわけです。」これ自体がおかしいんです。Aは誰にもお菓子はあげないと言っているんですから。仮に誰かにお菓子をあげたのなら、あげた行為がおかしいという非難しかCにできることはないんです。くれと言ってもAはCにも誰にもお菓子はやらないと宣言をしているんです。

 

「もしできないのなら西川委員長が守秘義務違反となります。政府にはただ隠すのではなくその矛盾を整理していただきたいのです。」

 

 だから民進党にTPP交渉経緯の情報開示はできません。Aはお菓子を誰にもあげないと言ってるんですから、それが前提なんです。そこに矛盾はないんですよ。仮に委員長に対する漏えいがあったら、その漏えいが問題なだけです。このゲラ問題はどこまでいっても委員長個人、ないし政府の守秘義務違反が問題なだけです。

 

 以上が私が、玉木議員の発言を詭弁とする理由です。玉木議員のツイートは論理構成として錯覚を用いた詭弁です。玉木議員の主張は以下のような構成になっています。

 

1.委員長に漏えいしてもいいレベルの情報漏えいをした

       ↓

2.だから民進党にも同程度の情報漏えいができるだろう

       ↓

3.それが出来ないのなら矛盾している

 

 論理として成り立っていません。1が2に至る論拠が全くないんですから。「外務省にもいたので外交に秘密がある事はよく分かっています。」と玉木議員は前提で言ってるのも、この錯覚を助長するためのトリックです。この文が無くても、このツイートの趣旨は成り立ちます。これは自分の主張に対する信頼度を上げるための「フリ」です。

 この「外務省にいた」という発言も不思議なんですよね。仮に玉木議員の主張通り、政府がTPP交渉経緯を委員長に漏えいした程度に民進党に情報開示をしたとします。その場合の政府対応は民進党の少数に情報開示をすることになるでしょう。例えば民進党の五人の議員に情報開示をしたとします。政府はその民進党議員五人に対して秘密保持契約を結ぶでしょう。いついかなるときでも知り得た情報を漏らしてはいけないという形で。当たり前で、このTPP交渉経緯は100%、情報開示をできない性質のものです。だからこそ民進党はこの委員長の本のゲラに拘っているわけですから。だから民進党の五人が密室でTPP交渉経緯の情報を得ても、その密室から外に出た瞬間からその情報は誰にも話せません。その五人の中で話すこともできません。だから民進党役員会では勿論、TPP委員会でもおくびにも出せません。質問の中に交渉経緯を匂わすこと、交渉経緯を前提にした質問もできません。もし仮にそれをしたら民進党は解党した上で、全所属議員が辞職しても足りない大失態になります。だから予断を与えない状況にするために、そのTPP交渉経緯の情報を知った議員は、TPP委員会から外さなくてはいけません。もちろん、TPP委員会の民進党を含む委員全てに接触することも禁止です。だって、政府に「その質問はTPP交渉経緯を前提としている」と指摘されたら民進党は終わりですよ?民進党自体が大問題としていることを自らすることになるんですからね。逆に聞きたいんだけど、民進党って本当にTPP交渉経緯が知りたいの? 仮にTPP交渉経緯を民進党が知ったとしても、結果として知る前と同じ状況にしかならないのに。質問の幅を狭めるだけで無用の長物でしょう、経緯を知ることは。だから外務省にいたという玉木議員の発言が不思議でなりません。知ったらどうなるかぐらいわかるでしょうに。実際、民進党にとって一番の打撃は自民党がTPPの交渉経緯を民進党に開示することです。それをされたら民進党は窮地に立ちます。TPPの審議から党全体で外れるようなことにもなりかねませんから。出来ないからやってるだけなんですよ、民進党は。

 結局、民進党がしたいことは審議拒否で委員会を空転させ、審議時間を潰すことなんです。仮に委員長に対して漏えい事実があったとしても自民党は、民進党に同じTPP交渉経緯の情報開示はできませんし、しません。だから民進党はずっと自民は説明できない・矛盾していると言い続け、審議拒否を続けたいんでしょう。その上で、審議不足を理由にTPP関連の法案などの拒否。嫌がらせ以上の何物でもないんですよ。こういう野党には、本当に消えて欲しい。きっちり審議をして、政府の説明の矛盾点・不備を突いていくことこそが野党の仕事でしょうに。

 本当に民進党大阪府大阪市特別区設置協議会で入り口論に終始した大阪自民そっくりやな。というか大阪自民が民進党にそっくりなのかなw

 

以上で本稿を終わります。