粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

栗原貴子氏 政策発表会見についてアレコレ

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 10月28日に行われた栗原さんの政策発表会について書いてみたいと思います。

 正直、感想としては何の意味もない政策発表でした。まず政策についてですが、具体的な数値目標や制度にかかる財源が何も考えられていないこと。また政権与党自民党に所属することによる「国との太いパイプ」を強調されていましたが、それを使って具体的にどうするか?というのが抽象的なこと。そして記者との質疑応答ですが、内容については後で触れていきますけども、応え方に政治家としての資質が感じられません。政治家として失格な受け応えが目立ちました。

 構成としては、

 1.政策で気になった部分 2、記者との質疑応答

 という形で進めたいと思います。

  

 冒頭に栗原さんが「言いたいことを忘れるのでメモを見ながらやらせてもらいます。」と発言をします。

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 松井知事と栗原候補予定者との間で討論会があったのですが、このとき栗原さんは何も資料を持ってきてなかったんですよね。松井知事が資料を用意してきたことと好対照でした。まあ資料もなしで討論会に挑むというのはある意味、有能と言えるのかもしれませんけども? 今回は用意してきていたので、なんか言われたのかな。

 

 政策発表ですが、栗原さんはずらずらお題目を並べてるだけですね。この辺はマニフェストを文書でHPにアップされたらやりたいと思います。基本的に国土強靭化系の自民グループがやっているインフラ政策と府議連の政策のちゃんぽんってとこです。

 広域交通インフラを戦略的に整備していくっていってるんですが、まあいつものリニア同時開業が出てきます。また北陸新幹線の大阪接続と四国への接続とか、ああ強靭化強靭化って感じですね。大阪都市環状道路のミッシングリングの解消ってそれは共産党が賛成せんやろうに。府政についてで公募区長の廃止と言ってますが、府政に関係ないやろうに。維新みたいに府と大阪市で共同マニフェストって言ってるのならまあ有りだけど。

 メガリュージョン、大大阪って言ってるけど、本質的に財政出動をかける以上の意味はないんですよね。それって維新以前の政治なんですよ。府債をジャンジャカ刷ってばらまきますよってだけです。もしくは減債基金を取り崩してばらまくかですね。維新支持者に受け入れられる政治ではありません。そして、栗原さんがやりたいっていう政策が見えないんですよね。これだけがこの政策発表会では一貫していました。柳本さんもそうなんだけど、これがやりたいっていう一丁目一番地の政策は何なんだろう?

 

 記者の質疑応答に移ります。

 

 記者:「これだけは訴えたいという政策は何か?」

 栗原:強い大阪経済を実現する、強い広域インフラを構成する。国とのパイプを生かして実現していく。

 

 いや具体的に・・・。

 

 記者:「国とのパイプを訴えていきたい?」

 栗原:政権与党の一員ですから、それを活かして大阪の施策を進めていきたい。

 

 だから具体・・・。

 

 記者:「大阪会議での議題が5つあるが優先順位があるのか?」

 栗原:優先順位?まあ並列で考えて頂いていいんじゃないかと思います。

 

 考えて頂いていいってどういうこと?あなたのマニフェストだろうがw

 

 記者:「IRについては?」

 栗原:IRに関しては国の法整備ができていない。IRについては大阪にとって起爆剤になるのならやるべきかもしれないが、デメリットもある。メリット・デメリットを考えて進めていくべきだと考える。

 

 いや、知事になるんだから、やるやらないぐらいはもう決めとけよ。

 

 記者:「松井知事が菅官房長官に会っているが?」

 栗原:大阪府の理事者からは定例の会見であると聞いているが、私たちが安倍総理から推薦状を頂いたので、会いに行ったんじゃないかと個人的に思います。

 記者:「安倍さんとの関係が強調される場面があったのでそれへの対抗としての動き?」

 栗原:そんな気がしますね。

 

 動画の28:13の質問なんですが、これは政治家の発言としてダメでしょう。

【大阪ダブル選】菅官房長官は「反党行為」 松井氏との面会、自民大阪市議団幹事長が批判 - 産経WEST

 大阪市議団の幹事長が同じようなことを言ってましたが、同じく政治家失格です。

 何がダメかと言って、自民党支持者にどう観られるかという点が全く欠如していることが一つ。そして、国との強いパイプを強調しているのに、相手候補も国との強いパイプがあることを認めている点が二つ目。この記者の発言を認めたからと言って、政治的に何かメリットがあるのかと言えば何もないんです。只のリップサービスですよ、これ。そして最後に官房長官にケンカを売っている点。官房長官にケンカを売るということは、安倍総理にケンカを売るのと同義です。国との強いパイプという怪しげな証文を自分で引き裂いてるんです。訳が分かりません。同じ質問を柳本さんが応えています。

 

柳本:おそらくマスコミの方々は私たちが不快感を感じられているというコメントが欲しいのでしょうがありません。安倍総理からは推薦をいただいて激励された。私たちは他者を見るのではなく前進していくのみだ。

  

 此れが政治をする人間としては当然の答えです。柳本さんを政治家として私は評価していませんが、政治という技術に関してはある程度のものは持っておられます。これが満点とはとても言えませんが、まあ合格点です。無用な言質を取られていないからです。翻って、栗原さんの発言は維新からも自民党内部からも責められる言質の塊です。政治を志向する人間としての発言ではありません。柳本さんが言ってるように「不快感を感じられているというコメント」をそのまま投げ与えているんですから。

 

 記者:「柳本氏の同席はなぜ?」

 柳本:私が先に公認指定を頂いたので先に政策発表をさせて頂いた。一緒に政策発表をする機会がなかったので、 共々に取り組んでいるというPRをしたいという思いがあった。前回からマニフェストに若干変更があったので 提示させて頂いている。

 

 相変らず、ふにゃらとしたお答えなんですが、マニフェストに変更があったと言われてもどこに変更があったのかを確認することもできないんですよね、有権者は。まあそういった「言質」を取られないようにマニフェストを公開してないんでしょうけども。公示まではしませんってとこなんでしょうか。マニフェスト自体の修正は別にいいんですけど(本来、無いようにしてもらいたいとこですが)修正点がはっきりしないことの方が問題なんですよね。政策が変わったというのは政治家としての立ち位置が変わったということです。それがどう変わったかということがわからないことが非常に深刻な問題と私は捉えています。

 

 記者:「大阪会議のテーマとして上げている案件は大阪会議で積極的に賛成していくのか?」

 栗原:例えば府立と市立の統合についてはデメリットメリットがある。松井知事は共同設置というデメリットメリットを検討せずに出してきた。統合する必要があるとしてもどういう設置形態が相応しいのかを検討していきたい。テーマとして挙げたのは、まず大阪会議で検討していきたいということ。

 

 いや栗原さん、政策発表会というのは知事としての識見を示す場でしょう?この後の質問で栗原さんはトップは政治の方向性を示すのが仕事だとどこかの橋下さんみたいなことを言ってるんですが、だったら方向性を示してくださいよってとこですね。

  

 記者:「具体的な府市統合案件は?」

 栗原:柳本先生が挙げているのありですが、私とは白紙の状態から検討していきたい。いくつかのパターンを想定して、しっかり検討していきたい。

 記者:「柳本さんが書かれているのを一案として考えているのか?それともベターな案と思っているのか?」

 栗原:府議会議員と市議会議員として話し合ってきた中でベターだとは思っている。ただ白紙の状態で考えていきたいと思っている。

 記者:「維新からは不一致点と捉えられるのでは?」

 栗原:大阪府全体の立場から府民にとってのベストを考える立場。柳本さんは大阪市の立場からベストを考える立場。全体として一番が何かを話し合うのが大阪会議。

 柳本:根本的に自民党の中で立場が違う中で政策が一致しているのがおかしい。維新はA、自民はBという考え方の構図にはならない。自民の中でも市議会はA、府議会はBになっても有り得ておかしくない。大きな広域としての公約を掲げているのが栗原さん。私は大阪市基礎自治体の立場として公約を書かせていただいた。

 

 動画は42:00からです。

 いやこれな。これが二重行政なんだよ。自己紹介してどうすんねん。

 栗原さんにしても統合案件を白紙から考えるのなら、考えて決めてから候補になってくれよ。テスト会場でこれから勉強しますって言ってるのと一緒です。大阪会議で考えるのなら考えるでいいけど自分の意見・結論がないのに会議に参加してどうすんの?人の話を聞くのは会議と言わんよ。無駄会議っていうのよ、そういうのは。

 柳本さんも都合よく、大阪市を基礎行政に限定するな。大阪市が基礎行政というのなら政令市を返上して中核市にするのを公約にしなよ。本当にうんざりする。

  

 記者:「改革の財源は?」

 栗原:維新の府政には民間の視点が抜けている。コストカットをすればそれでいいというのは間違い。コストカットだけでは大阪府政は成り立たない。徹底的に中小企業を支援して税収アップを目指す。あと国からのパイプを活かして財源を下ろしてくる。

 記者:「具体的な数字が知りたい。耐震化措置などの費用額は?」

 栗原:リーダーの役割、トップの役割は大きな方向性を示して、予算がいくらになるかということは 優秀な職員が取りまとめる。だから今は提示をできない。大きな方向性を示したうえで、歳出カットをするものはした上で行っていきたい。

 

 確かにね、詳細な額というのは難しいんですよ。府庁の職員が取りまとめる。それは確かにそう。でもね、大まかな額の試算はできるんですよ。知事は個別案件を取り扱うのではなく、全体としてのグロスを提示するのが仕事なんだから。例えば耐震化に100億円が総額として必要になるとして、それだけを一気に単年で行うことは不可能でしょう。数年単位の事業になることが予想されるのであれば、年間これぐらいを使って毎年五校の耐震化を行う。これぐらいのことは言えるし、言わないとだめですよ。

 あと維新のコストカットは非難しておいて、自分は歳出カットをして行っていきたいって矛盾しまくりですよ。コストカットと歳出カットは栗原さんにとって違うんですかね?何も考えてないからこういう発言になるんです。(動画は46:40からです。)

 

 記者:「無所属で立候補する際には自民党としての立場はどうなるのか?」

 栗原:(柳本に)どうなるんですか?

 柳本:詳細は詰めていないが、離党するなどの手続きをするつもりはありません。

 

 無所属で立候補して党籍はそのままなんですね。というか栗原さん、知らんのかいw 人の言いなりで、出馬するからそういうことになるんだよ。

 
 記者:「お二方を応援する組織と政策について協議することはあるのか?」

 柳本:他会派の方と政策調整をしていることはない。

 記者:「民主の府連さんが応援を要請されたので支援することにしたと言っているが?」

 柳本:ご支援をしていただくことはありがたい。

 

 ふーん。それしかないわ。

 

 会見の最後に柳本さんがマニフェストの変更点について「ふにゃ」てるんですが、「敢えて数字は割愛させていただきました」って言ってるんです。数字を出さないというのは、目標がないということです。例えばマニフェストに書いてあることを0.1でも実行したら達成したことになりますから。だから数字を出したうえでマニフェストは説明をしないとなんの意味もありません。概算値でいいんですよ、そういう断りを入れればいいんだから。例えばあるマニフェストの項目で100億円かかると試算したのならそれを書かないと意味がありません。その数字が政策をどれだけ考えたのかの指標にもなるんです。数字をひねり出すことこそが政策の検討なんです。見積もりで要目だけずらっと並んで金額が空欄の見積もりなんて意味がないのと一緒です。お題目を考えるのなら誰だってできるんですから。「大阪市民医療費無料」とかね。言うだけなら言えるんですよ。それにどれだけ費用がかかるかと財源の提示がないのは、維新以降の政治ではありえないんです。その辺をもっと自覚してしっかりとマニフェスト作り込んで欲しいですね。作り込む時間よりマニフェストにどの政策を載せるか、表現をどうするかの自民党内、各組織との調整で時間を取られて数字までは手が回らないんでしょうけども。

 

  で、このマニフェストの変更点で一つ、私が気になるのが次の点です。柳本さんの言葉をそのまま載せます。(動画59:30~)

 

 柳本:道徳教育の充実、副教材の総点検、これは栗原さんの公約と照らし合わせながらここはやっぱり大阪市としては盛り込んでおきたいなと思い、入れさして貰いました。

 

  これあれでしょう。

www.sankei.com

 朝日新聞慰安婦報道の一部記事を取り消した問題を受け、大阪府教委が作成していた高校日本史の補助教材の全容が27日、明らかになった。慰安婦の強制連行をめぐる誤報を認めた朝日新聞の説明や政府見解など、教科書に記載されていない慰安婦問題の経緯が分かる内容。28日に開かれる教育委員会議で報告し、近く全府立学校に配布する。

 

 いやあ、これです。まさにこれ。これですよ。ひつこいなw

 大阪府の高校で副教材として、朝日の従軍慰安婦の誤報記事を副教材として使うという記事です。基本的にこれを狙い撃ちにした公約でしょう。そして、これを狙い撃ちにする考えを持った政党というのは私は一つしか思いつきません。

 共産党です。

 ここ以外ないでしょう? 

日本共産党の政策: 日本軍「従軍慰安婦」問題アーカイブ

 民主の社会党系はいいそうだけどさ、党としての意見では言わないでしょう。自民、維新、公明も言いません。共産党だけです。

 で、こういった事を盛り込むというのはもろに「組織と政策の話し合い」をしたからですよ。要するに首根っこを抑えられているということです。これは教育関連のマニフェストの一端から見えてきた一つの事例ですが、これが政策の全てで大なり小なり行われていることが容易に推測できます。

 

www.fumin-chikara.jp

 都構想の時に猛威を振るった府民のちからですが、柳本、栗原両候補予定者は個々から推薦を貰っています。

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都構想反対派の団体を知ろう <都構想争点検証4> - 粉屋の大阪to考想

 この団体は、都構想反対の組織達のロビイスト団体です。そして共産党が後ろについています。

 

オール大阪で市廃止ノーを/よくする会 山下書記局長らが訴え

日本共産党山下芳生書記局長と、働く女性の地位向上に取り組む日本BPW連合会大阪クラブ会長の河田英子さん、維新の対抗勢力結集を目指す「府民のちから2015」幹事長の岩本洋子さん(弁護士)、落語家の笑福亭竹林さんが訴えました。 

 

 結局、彼ら自民党が「共産党」と政策に関して話し合うことがないとしても、「共産党」が後ろにいる組織とは政策協定をするんです。迂回献金というのがありますが、迂回「政策協定」です。表向きは共産党の自主応援と言い、共産党とは政策協定はせずにあちらは無私で応援してくれているんです、と言っても裏はこうです。応援費用の取り立てが共産党という政党からではなく、府民のちからという政治団体経由になってるだけですよ。世の中、タダの物はないんです。

 

 ・・・栗原さんを知れば知るほど、知事候補にするために自民党が拾ってきたスケープゴートなんじゃないかという思いを強くしています。元々、栗原さんは豊中市議時代は無所属で、府議になる際に自民公認を貰った人だしね。生え抜きじゃないんだよ。それがこれだけ短期間に「出世」するのはちょっと考えられない。特に自民みたいな老舗はね。落選後にポイ捨てされなければいいけど。

 しかし、栗原さんはやっぱり政治家としては評価できない。下の討論に出た栗原さんを見ているとやはりそれは正しいと考えます。政治家としての腹黒さも怖さもないもの。これは一般人なら美点になるけど、政治家としてはやはり失格だよ。 

www.youtube.com