粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

おおさか維新の会編 参議院選マニフェストを読む その1

 今回は2016年、夏の参議院選の各党のHPの評価とマニフェストの感想を書いてみたいと思います。

 

① おおさか維新の会

 

おおさか維新の会は改選2議席、選挙区10人、比例で18人が出馬しています。以下、おおさか維新の会の参議院選の特設サイトとマニフェストになります。

 

o-ishin.jp


おおさか維新の会 2016参院選マニフェスト

 おおさか維新の会のHPは、政策をシンプルに提示して見やすいと思います。個人的には全政党の中で二番目の出来だと思います。・・・一番目は自民ですけどね。でも中味は負けてないと思っています。マニフェストの中で私が気になった点を列記していきます。

 

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 1.憲法改正を一番目に持ってきている

  マニフェストの「維新が変える改革メニュー13」の一番目に憲法改正を持ってきています。あくまで制度の改革が維新の本旨でもありますから、これはいいですね。憲法改正から逃げない姿勢を評価します。

 

 2.身を切る改革、政治家改革

 維新の基本改革である身を切る改革ですね。この中で面白いのが舛添さんで話題になった政治資金の改革です。

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 企業団体組合の献金禁止。これが本旨かな。二番目にある「政党支部による当該選挙区内にある者に対する寄付を禁止」。政治家の寄付は駄目だけど、政治団体の寄付はいい寄付だという自称民進党総意という山尾理論は駄目よってとこですね。文書通信交通滞在費に関しては、私は政党交付金に編入できないかなぁとかは思ったりします。余計にざるだろ、って言われそうだけどw でもまだその方が使途については公開されるんですよね。議員個人に100万やるより有益だと思うし。まあ政党によってはツイッターの宣伝に使いますけど。政治団体の世襲禁止って面白いですね。迂回できそうではありますが。案外重要なのが5番目ですね。政治団体の承継に対しての相続税。これは難しいけど、ルール化できれば面白いと思います。あと政治団体の数も制限してほしいなぁ。複数あると政治資金収支報告書を整理するのがめんどい、もとい透明化の為にも議員の政治団体は「議員団体」として別枠にして欲しいなぁ。議員活動の出費はコレ、政治団体の出費はコレってな感じで。正直、資金管理団体ってどうなん?とかは思います。

 (3)の選挙制度改革にある「選挙活動を原則自由化。名前連呼の選挙から、ネット・戸別訪問・討論会で政策を語る選挙へ」というのは大賛成です。私は、選挙カーってどれほど意味があるのかというところで疑問を持っています。まあ意味はなくはないんでしょうけど。例えば、「討論会が今日どこそこであります」とかならまあわからんでもないんです。でも名前だけの連呼って意味ないでしょうに。討論会でも小中学校の体育館等の公共施設を選挙期間中は貸し出すとかそういうのも欲しいですね。ルール作りが難しいけど。

 

 3.国会改革

 

 国会運営のところもいろいろ興味深いです。自由討論の活発化や全開一致の議院運営ルールの廃止とかいいですね。あと地味に国会での業務全般のペーパーレス化とか。私が一番いいと思う点は「委員会での法案審査は、質疑だけでなく、委員会の下に設置される小委員会で条文ごとの審査(逐条審査)を行い、修正案を作成する機会を制度化する」これですね。逐条審査というのは法律の各条項を一つづつ審議するという事です。今は法律をグロスでいいか悪いかですから、法律全体はいいとしても気に入らない条項があれば反対になるので、その辺を協議して修正するならより良い法律を作ることが可能だと思います。与党と野党の協議も活発化するとも思います。

 

 4「小さな行政機構」の実現

 

 基本的に大阪で行われている行政改革の国政版って感じですね。(1)で公務員の人件費カット。(2)内閣主導体制の確立と霞が関改革では、内閣に予算の企画立案機能と人事院などを統合してこれも内閣に移管。大阪でいえば副首都推進本部ですね。予算編成権(金)と人事権を内閣で明確に握って政治家主導による政治を行うという事です。こう書くと民主党を思い出しますが、あれは政治家のみでやろうとしたから失敗したし、なぜ失敗したのかを今も理解してないでしょう、民進党さんは。官僚の事務処理能力がなければ政治、行政は機能しえません。そういう機能を内閣に持たし、官僚統制の機能を強化するのが目的だと思います。

 

 5東京一極集中の打破、「道州制」の実現

 

 副首都構想、都構想、道州制。維新の代名詞ですね。  

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 国の出先機関を廃止し、これを道州制に取り込む。消費税などを地方に移管。地方共有税を財政調整制度として導入。この辺はまあ道州制では基本的な考え方ですね。もう一つ二つ踏み込んで欲しいんだけど、現状は難しいのかなぁ。

 

6 経済政策

 

 消費税の10%は凍結。これを明確に謳うのはいいですね。

 国・地方の財政制度に発生主義と複式簿記を導入。どんぶり勘定を止めようというとこですね。

 官民における対面、書面交付原則の見直し、ネットを対面に変わるプロトコルとして認める。これいいですね。さっさとやってほしい。

 案外、農業が面白いなぁ。農協の株式会社化とか、金融部門の分離、独禁法の適用除外を廃止して、農協に競争をさせるとか。株式会社の農地保有を全面的に認める。私はこれらはいいと思います。

 

 7 機会平等社会を実現し、多様な人材を育てる教育改革

 

 おおさかの大きな柱の教育ですね。

 教育の無償化はは憲法改正を行い、恒久的な予算措置を義務付ける。これが大きな点ですね。あとは、「小中学校での必修科目に「ディベート」を設ける」これはいいと思います。海外だと普通に必修ですしね。というかむしろ受けたいw ただ先生どうするんだろ。「飛び級」を可能にするのもいいですね。

 

8 待機児童問題の抜本解決、子育て政策

 

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 社会福祉法人の「一法人一会計化」制度導入。これいいですね。複数法人の会計で、闇鍋にされるのは回避した方がいいです。

 

9 10 11 女性、医療・年金、エネルギー。この辺は大体、各党の共通項目かな。年金で結構に踏み込んでる印象は受けます。年金の同一世代での受益と負担のバランスをとって適正化を図るのはいいと思います。

 

12 震災復興は地元目線で。大規模災害対応で新たな原則を確立。

 

 ここは目新しい項目が並んでますね。

 福島原発の処理は東電ではなく、国が実施する。私はこれしかないと思います。 

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 ここに並んでる諸策は全て必要だと思います。復興財源のところは、多少首をかしげますが。民間負担も有るべきだとは思います。関西圏におおさか消防庁の設置は必要です。これは一日も早く実現してもらいたいですね。災害ゴミの問題もそうですし。最後の大災害対応時には知事をトップとするのはいいと思います。結局、国と地方の協議で法律、政省令が壁になり、延々、小田原評定をするより、時限的に権限を集中する方がいいと思います。ボンクラの知事をトップに据えたらどうなるかもよくわかることになるでしょうし。

 

13 現実的な外交・安全保障政策

 

 「現実的な」としているのが、おおさからしいですね。

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  安全保障でも、おおさからしく、制度改革的要素が多いですね。偶発的衝突を避けるための日中間の「海上連絡メカニズム」などの措置を取るとか、国境整備法を制定し、海上保安庁自衛隊などの体制を構築する。こういったことは本当に必要だと思います。

 

・まとめ

 おおさか維新の会のマニフェストの特徴として、大阪での府市の改革の成果を基にそれを国政に適用した形で書いているのが多いですね。そしてそれは正しい。実際に、おおさかの行政運営の手法で出た成果を元にしているわけですから、それを国に拡大適用して同様の成果を得ることは可能です。勿論、国は巨大組織ですから一朝一夕にできる事ではありません。しかし大阪に住む人間の一人としてそれは十分実現可能な政策であると認識をしています。実際にそれが達成された成果を見てますから。

 「選挙に行っても無駄」というのはよく聞きますが、おおさか維新の会は、その「無駄」になる原因を解消してきた政党です。なぜ無駄になるかというと既得権益層や団体が抵抗をし改革を阻害するからです。だから票を入れても無駄となる訳ですが、維新はそれらの抵抗を潰し、改革をしてきました。だからその一票が無駄になることは無いので、是非、おおさか維新の会に一票を入れて頂けたらと思います。

 

 以上でこの稿を終わります。