粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

第三回大阪会議の代表者会議の概要

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2015年9月24日に第三回大阪会議の代表者会議(代表者会議の規約は定まってないの本来であれば準備会合が正しいのかもしれませんがここでは代表者会議で統一します)が開かれました。

大阪府/大阪戦略調整会議準備会議について

上のリンクはその代表者会議の大阪府の資料になります。

 

今回はこれの内容について書きます。

 

まず、論点ですが橋下市長が提出した三つのペーパーを中心に話が進みました。あと花谷自民府議もペーパーを提出していますが此れは最後に触れます。内容がないので。

 

1.大阪会議会長の一票の権利

 

今回の代表者会議では、この代表者会議の在り方を中心に議論がなされました。まず、第一点目として、会長の一票の権利について書きます。

(追加) 橋下委員提出資料 大阪会議会長の一票の権利について

 橋下市長がここで問題にしているのは大阪会議の会長が採決に際し、一票の権利がないということです。大阪会議の条例には会長の投票券については何も述べられていません。第一回で上げられた本会議の規約案7条4項には以下の記述があります。

 

大阪戦略調整会議規約(案)

(会議の招集等)第7条

4 会議の議事は、出席委員のうち大阪府に属する委員、大阪市に属する委員及び堺市に属する委員のそれぞれ過半数で決することを基本とする。ただし、過半数で決する場合、会長が属する団体以外の団体が可決し、かつ、会長が属する団体の議決が可否同数のときは、当該団体に係る議決は会長の決するところによる。

 

最終的にはこれを採用することで合意がとられ、採決の際、上の条件で会長に一票の権利があることは確認されました。では、その過程をお話しします。

 

通常の地方議会では、可否同数の場合のみ一票を会長に与えられています。これは地方自治法116条2項で認められています。

 

第百十六条  この法律に特別の定がある場合を除く外、普通地方公共団体の議会の議事は、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
○2  前項の場合においては、議長は、議員として議決に加わる権利を有しない。

 

可否同数に採決が成ったときに、会長には一票を与える。但し通常の採決では与えない。なぜかというと会長には議事整理権があるのでそれとの平衡を取るため。

 

 基本的にはこう考えられています。大阪会議では、会長の議事整理権が問題になっています。ここで議事整理権がないのに投票権もないのはおかしいというのが橋下市長の主張になります。

  竹山堺市長がここで地方自治法104条を出し、会長(議長)には議事整理権があるので問題ないのではないか?などの発言をします。しかしこれは役所から回ってきたペーパーを棒読みしてるだけですね。これに関して会長である今井会長(維新)も会長に議事整理権がある根拠として104条を上げているのでまあそういうことなんでしょう。

 

第百四条  普通地方公共団体の議会の議長は、議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会の事務を統理し、議会を代表する。

 

 しかし、実際、規約などで会長には一票がないわけです。そこで橋下市長は、大阪会議の本会議で会長の一票の権限について議決しようという提案をして一定、賛意を得ます。しかしその後、この問題について竹山堺市長は蒸し返します。先に挙げた大阪会議の規約案の7条4項にあるような規定で会長に一票があるという規定でいいのではないか?という提案をします。そしてこれは意義もなく、全員一致を見ました。維新の側から見ると「ああ、いいですね」となるんですがこれ、反維新の立場から見ると「え?」ってなると思うんですけどね。党利党略を離れて前に進めるという意味では、この竹山堺市長の提案は評価できますが、今までの経緯を見てると首をかしげる提案でもありました。この代表者会議で唯一、竹山市長が仕事をした場面でしたね。

 

2.会長の議事整理権について

 

(追加) 橋下委員提出資料 会長の議事整理権について

 

 大阪会議では、議長である会長の権限についてずっと紛糾してきました。そのために、大阪自民党府議会で大阪会議の条例の改正案を提出しました。しかしこれは松井知事の再議権行使により否決されます。そして現在(9/27)堺市議会において改正案の修正案を提出して審議入りしています。大阪市議会で9/25に提出されています(この条例案にはおかしな点があるのですがそれは次回に回します)これらの改正案は会長の権限を規定するために行われたものです。

府議会での 大阪会議条例 改正の内容を考察してみる - 粉屋の大阪to考想

自民の原田議員と維新の横山議員の意見の食い違いを纏めてみた - 粉屋の大阪to考想

詳しい内容は府議会が上、堺市議会が下になります。

 

 問題点としては会長の議事整理権が大阪会議の条例でどこまでの範囲なのか?ということになります。

 

大阪会議条例7条

3会長は、大阪会議の会議(以下「会議」という。)の議長となり、議事を整理
する。

 

ここの会長が議事を整理するのがどこまでか?ということですね。


国会法55条の2第1項

第五十五条の二  議長は、議事の順序その他必要と認める事項につき、議院運営委員長及び議院運営委員会が選任する議事協議員と協議することができる。この場合において、その意見が一致しないときは、議長は、これを裁定することができる。

 

 橋下市長の意見としては「国会の議院運営委員会では、議案提案の協議がまとまらない場合は会長がこれを裁定することができると定められている。会長が最終的な決定権を有するのに今回の大阪会議に反映されていないのはなぜか?」といったところになります。

 しかし代表者会議は花谷府議の混ぜっ返しで紛糾し、一歩も前に進みません。ここまでの状況としては下のようになります。

維新:代表者会議でまとまらない場合は、会長が決める
花谷:代表者会議でも纏まらない場合は、本会議で決する

 

 それぞれの立場としては維新は、纏まらない場合は会長が決める。花谷議員は代表者会議で決まらない場合は、本会議に送りそこで採決を取り決めるという立場です。しかしこれはまとまらず、橋下市長の提案でそれぞれの主張を引っ込め、以下のように纏まりました。

 

資料1-2   代表者会議設置規程(案)

(議事の決定)
第6条 会議の議事は、構成員の意見を聴いて、会長が取りまとめる。ただし、議事がまとまらないときは、条例第8条第4項に基づき大阪会議で決する。

 

 ここの第6条の規定でもめましたので、これを削除。「ただし、議事がまとまらないときは、原則として代表者会議の全会一致とする。」というようになりました。

 正直、これがいいとは思えません。しかしこれ以外に選択がないのも事実です。結局、全会一致というのは聞こえはいいですが纏まりません。これで大阪会議の議案を採用しようとしても誰か一人反対すれば採用されないわけで永遠の平行線になるでしょう。ただし、前にも書きましたが代表者会議で首長の議案を採決により否決した場合、首長の議案提出権侵害で大阪会議の違法性が濃厚になります。(その場合、大阪会議は首長から違法再議を掛けられ、雲散霧消します)よって、協議をするしかないわけですが、こういった形ではどうしょうもありません。基本的に大阪会議が調整会議を標榜するのなら、首長の議案提出権は条例により守られてないとおかしいんですよね。

 

3.(追加) 橋下委員提出資料 第一回「大阪戦略調整会議」での発言趣旨について

 

 ここで橋下市長が言っているのは、「大阪会議が都構想の対案であるのなら、規約にその旨を書け」と第一回の大阪会議で発言したことに対する説明になります。無い湯としては大阪会議は二重行政の解消を必ずテーマとすることを位置付けることを要望しています。至極当たり前の内容ですのでご一読いただきたいと思います。

 

4.(追加) 花谷委員提出資料 「大阪府議会 平成27年8月臨時会 議事概要(9月2日)抜粋 ※事務局作成」

 

 花谷議員が作ってきたレジメなんですが、これ中身がないです。再議権を行使されたときに花谷議員と松井知事が再議内容について討論をしているのですが、それを抜粋したものになっています。

 ただこれ前後すっ飛ばしてるのもあるんですけど、それ以前に目的がわからない。代表者会議も聞いたけど結局、花谷議員が言いたい趣旨を私は理解ができませんでした。花谷議員はこれで何を言いたかったんだろう?

 松井知事が「大阪会議の条例が現行(ルール)のままでいい」と言っていたと指摘したいんでしょうか?でも実際今回の代表者会議では現行の条例のまま一応の機能を果たそうと動き出し始めました(実際動くかはまだ分かりませんが)何を問題としたかったのか・・・。また花谷議員は次のような発言もありました。これに類することはよく言っておられますので一度触れます。

 

花谷議員:大阪会議に違法な点があるのであれば違法再議をなぜかけないのか?議員から質問がなかったのはなぜか?

 

 現行の大阪会議の違法性はグレーです。黒になる可能性が高い事案が多いというのが実際です。例えば車でも違法速度を出せますが、出していなければ違法ではありません。その辺の違法性は下に纏めています。

 

粉屋流 大阪会議改正案を考えてみる<大阪会議> - 粉屋の大阪to考想

 

 議員から質問がなかったのはなぜか?とありますが、この辺の違法性の疑義については再三、ありました。それに対しては自民党でカバーしているというのが柳本議員の見解です。また維新も再三、リーガルチェックに関しては自民党に対して一回目の大阪意義条例提出の時からして気をしています。その際、大阪市の総務局に対してもリーガルチェックの依頼などは自民党からはありませんでした。よって法的な問題については自民党が担保していると考えて差し支えありません。

 大阪会議に問題があるのであれば、賛成した維新の議員にも責任があるという論がありますが、それはナンセンスです。維新は、住民投票否決によりプランAが否決されたから、都構想の対案である大阪会議、プランBに賛成をしたんです。大阪会議の中身については提案者である大阪自民党が担保するのが当然です。結局、大阪自民の態度は責任から逃げているだけです。

 最後に一つ、この代表者会議でのハイライト

 

 

動画のラストになるんですが、橋下市長が自民党に欠席しないようにくぎを刺していたんですがそれに対して竹山堺市長の発言に対してのやり取りです。

 まあ、ええけどさw 

 記者会見ではなく大阪会議に出席して、欠席理由を述べたうえで退席、流会にすべきだったんですよ、自民党と竹山堺市長は。それならまだ正当性はあったんですけどね。