粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

舛添さんちの車事情 その3

 舛添さんの6月6日(月) の舛添要一 東京都知事 記者会見がありました。今回はこれの車関係を追ってみたいと思います。

 

otokitashun.com

  おときた都議が舛添さんの政治資金疑惑の調査報告書をアップしてくれています。今回はこれを元に政治団体が所有しているとされる二台の車部分について書いてみます。

 

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舛添さんちの車事情 - 粉屋の大阪to考想

舛添さんちの車事情 その2 - 粉屋の大阪to考想

 

  今回の調査報告書では政治団体の車に関して触れているところが、3カ所あります。

 

① 政治団体が使用している駐車場数

② 車のタイヤ購入

③ 政治団体が購入したとされる二台の車についての説明

 

 以上の3つになります。ではまず①から追っていきます。

 

①  政治団体が使用している駐車場数

 

 イ 各政治団体の賃料支払状況(P.7)

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 舛添さんの平成24年から平成26年までの二つの政治団体(新党改革比例区第四支部とグローバルネットワーク研究会)が按分して家賃を支払っていました。この家賃の中に駐車場代が含まれそれぞれ一台分、計二台の駐車場を家賃として政治団体から支出していたと調査報告書にはあります。このことから舛添さんのもつ政治団体での車の所有は平成24年から平成26年の間は二台であると考えられます。平成23年度以前には上記の二つの政治団体に加え、舛添要一後援会􀀀があり、3団体あった時期があります。しかしこの舛添要一後援会􀀀では家賃の出資はあるものの、車関係の支出はありません。また上記二つの政治団体(新党改革比例区第四支部に関しては前身の自由民主党東京都参議院比例区第二十八支部も含む)の平成21年度からの車関係の支出を見ると、毎年、それぞれの政治団体が一台分の車関係の経費(自動車税や保険料、車検など)が支出されており、このことからも舛添さんは計二台の車を政治団体が所有していたと断定が出来ます。

 

② 車のタイヤ購入

 (※6/8追加:この②に関しては過去のアーカイブからの政治資金収支報告書を用いてるので、その後に訂正があった場合、違う内容になっている可能性が有ります。

国立国会図書館が保存した2015年11月2日時点の情報をもとに構成しています

 

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 (調査報告書 P.49~)

これらのうち,番号14の自動車タイヤは, トヨタエスティマの交換用タイヤである。

 

 調査報告内にある「a 政治活動に供されたと認められる物品等」のリストの14番目が上のものです。これはおかしな話で、平成23年5月にはまだ舛添さんの政治団体はエスティマは買っていません。調査報告書の中で「エスティマ」が政治団体が関係するのは、平成24年4月以降の中古車購入からです。平成23年度以前に、エスティマの所有が調査報告書の中に確認できるのは以下の部分のみです。

 

ちなみに,(株)舛添政治経済研究所は,平成18年11月16日に,乗車定員8人の中古のステーションワゴンを購入して同会社名義で登録しており,(略)それもトヨタエスティマである。そのトヨタエスティマは,神奈川県湯河原町を使用の本拠としている。

 

  調査報告書のみを判断材料とするのなら、これはおかしな話なんですよね。だってエスティマを政治団体は持っていないのに、どこの所有しているエスティマ用のタイヤを買ったんですか?という話になります。この舛添政治経済研究所は企業であり、政治団体ではありませんから、これ用に買ったのだとしたらこれは完全にアウトです。まさか1年後にエスティマを買う予定だったから、タイヤを予め買ったのだというわけではないでしょうし。またタイヤ専門店で予備として買ったのならまだ判らないでもないです。しかしこのタイヤはガソリンスタンドで買っているわけです。普通に考えるとパンクでもして交換で買ったんじゃないの?と私は思います。

 まあ平成24年購入以前に政治団体が持っていたと思われる2台の車の一台がエスティマだったというのならわからないでもないです。それなら調査報告書に齟齬はありません。この場合はおそらくグローバルネットワーク研究会が資産として計上していた「宣伝用自動車」(金額2,118,939円。平成14年4月17日に政治資金収支報告書記載)のものにはなると思うんです(それぞれの政治団体が支払っている車の任意保険代から判断)ただそれならそれで平成23年度以前の車についても書いておくべきではないかと思うんですけどね。

 

 しかしもう一つ疑問があってこの「14番」の支出なんですが、2つの政治団体の政治資金収支報告書平成23年度に該当があるのは次の1件です。平成23年に解散した舛添要一後援会にもありません。

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 (平成23年 新党改革比例区第四支部の政治資金収支報告書から)

 

 新党改革比例区第四支部が支出をしています。しかし項目がガソリンスタンドではなく、小田急バスに支出になっているんですが。  

小田急バス

 あの小田急ですね。住所もあってます。私は最初、これを見た時に今回の検討からは除外してたんですよね、これ。「タイヤ」なので車関係ではあるものの小田急だしなぁってところで。小田急バスがタイヤ販売してるとも思えなかったですし。何でこれが「ガソリンスタンド」になっているんだろう?またこれだと私が推測している平成23年度以前にグローバルネットワーク研究会が資産として計上していた「宣伝用自動車」に対する支出ではないことになるんですよね。だってそれならグローバルネットワーク研究会で支出していないとおかしな話ですから。正直、これの支出については判断が付きません。

 

③ 政治団体が購入したとされる二台の車についての説明

 

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 上記は平成24年に2つの政治団体が車を購入した際の経費の一覧です。これを見ると平成24年4,5月に車を2台購入しています。調査報告書ではこれらの政治団体に関係する車について以下に説明をしています。
 

 調査した結果,同自動車は乗車定員7人のステーシヨンフゴン(トヨタエステイマ)であり,平成24年4月23日に登録されており(初度登録は平成17年10月であることから,中古車として購入したものと推定される。),

なお,政治団体名義での登録ができないため,所有者は舛添要一氏となつている。

(調査報告書 P.10~)

 

 新党改革比例区第四支部の購入した車はトヨタエスティマということですね。新党改革支部が舛添政治経済研究所に対して駐車場料金を負担していた事実があるとのことなので、2台のうちの一つですね。もう一台は、グローバルネットワーク研究会が,平成24年5月15日に購入、同車は日産の箱形乗用車(日産ティアナ)とのことです。

 

 ところが産経から次の報道がありました。 

www.sankei.com

 これは6月6日(月) の舛添要一 東京都知事 記者会見の翌日の産経の報道です。件の中古車会社では日産のティアナは売ってないそうです。

www.sankeibiz.jp

  これは5月20日の産経の報道で、同型のエスティマを二台買っていたという証言を件の中古車会社はしていました。さて、これらの産経の報道が誤報なのか正しいのかどちらなんでしょう?最新の記事の中古車会社の証言は以下です。

 

 しかし、同社関係者は取材に対し、「ティアナはうちでは売っていない。整備だけだ」と説明。社の記録を確認した上で、連続してエスティマ2台を販売したと証言していた。

 

 この証言をそのまま受け取って以下、ちょっと仮定をしてみましょう。

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 新党改革比例区第4支部がエスティマを買ったものと仮定します。とすると、グローバルネットワーク研究会が買ったとされる車は何なのか?証言通りなら、グローバルネットワーク研究会の5月21日の「修理整備費」119,220円がティアナの整備費になるのかな?そうなると2台目は整備もせずに買ったという変な話になるんですが。それとも新党改革比例区第四支部の5月7日の407,390円に含めているのか。二台を買ったというのならこちらの方がありそうではあります。

 この平成24年4,5月以降で中古車会社に二つの政治団体から支出しているのは一件あります。

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  (平成25年 新党改革比例区第四支部の政治資金収支報告書から)

 これは新党改革が買ったとされるエスティマの整備代になるかな。まさか湯河原で使っていたという舛添政治経済研究所の湘南ナンバーのエスティマではないでしょうし。ないですよね?東京にあるエスティマをわざわざ神奈川まで運んで整備をする。どうなんでしょう?車検や定期点検は近所のトヨタのディーラーに出しているのに?

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pankoya/20160520/20160520094416.png

 

 グローバルネットワーク研究会に属する日産のティアナ関連ではっきりした支出は、平成25年5月24日の東京日産自動車販売に対して支出している「車輌法定12カ月点検代」がそれになります。日産ディーラにこの後、車検依頼していることから、当初報道にあったようにトヨタエスティマを2台買ったというのはどうもおかしいと思っています。平成23年度以前はトヨタ系列のディーラーに2台とも出しており、平成24年度以降の2台の車を購入後は、日産とトヨタのディーラーにそれぞれ一台づつの計2台を車検に出しています。これらのことを加味して今の私の舛添さん関連の車に対する疑問を整理します。

 

A.平成24年に買ったとされる中古車は何の車を何台買ったのか?報道にあるようにエスティマを2台買ったのか?

B.日産車は報道にある通りとするのなら、どこの所有で誰が買ったのか?

C.  平成23年度以前に所有していた車の車種は何なのか?また平成24年購入後はそれらの車はどう処理されたのか?

D, 湘南ナンバーのエスティマの調査報告書と産経報道の齟齬

 

以上の4つです。

 

Aについては平成23年度のうち、うち一台をエスティマとすると仮定した場合、その時点で舛添さん関連でエスティマは4台、ないし3台(その場合、タイヤの支出がおかしな話になります)があることになります。

 

平成23年度以前のグローバルネットワーク研究会が資産として計上していた「宣伝用自動車」がエスティマと思われる。これは仮定。

・「(株)舛添政治経済研究所は,平成18年11月16日に,乗車定員8人の中古のステーションワゴンを購入して同会社名義で登録」したエスティマを所有と調査報告書にあるのでこれは確定。

・産経報道では平成24年度に政治団体が購入したのは同型エスティマが2台。

 

 以上で平成24年前後では、エスティマが4台、ないし3台あったことになります。エスティマ好きだな、舛添さん。トヨタは舛添さんに宣伝効果としてエスティマを贈るべき。まあ冗談ですが、これらの車がどう処理され(廃車など)、現在どうあるのか?これは登記簿を調べれば一発なのでマスコミの続報を待ちたいと思います。

 

B.日産車は報道にある通りとするのなら、どこの所有なのか?

 

 産経の報道通り、日産のティアラが中古自動車会社から購入したものでないならどこの誰が購入したのか?また2つの政治団体が支払っている平成24年度の自動車税は「45,000円」「43,400円」でオカシイ。まあ購入した二台の自動車税は車両登録諸経費に含まれていた可能性はあるし、おそらくそうでしょう。平成25年以降は「45,000円」に統一されるのでおそらくエスティマとティアラの車両税と思っています。だからこの場合でいえばグローバルネットワーク研究会がティアラを購入したはずなので、この報道との齟齬をどう説明するのかは注視したいと思います。

 

C.  平成23年度以前に所有していた車の車種は何なのか?また平成24年購入後はそれらの車はどう処理されたのか?

 

 舛添さんの車関係をはっきりするうえで、平成24年の購入以前の車の履歴ははっきりしておくべきだと思います。2台の車は政治資金収支報告書上に存在しているのでこれらの車がどういう経緯を辿ったのかは重要です。

 

D, 湘南ナンバーのエスティマに対する調査報告書と産経報道の齟齬

 

 産経の5月20日の報道では以下のものがありました。

 

 舛添氏側は、1台目を湘南ナンバー、2台目を自宅兼事務所のある東京の品川ナンバーで登録するよう依頼したといい、関係者の男性は産経新聞の取材に対し、「湘南ナンバーで登録した車は別荘のある湯河原で使うつもりで買ったのだと思った」と証言。別荘近くの複数の住人が、舛添氏と家族がエスティマに乗っている姿を目撃、「前はご家族とエスティマで来ていた」などと語った。

 

 中古車会社で買った二台のエスティマについて、関係者の男性がナンバーを湘南と品川にしてくれと依頼されたというわけですね。調査報告ではこれに対して次の説明があります。

 

ちなみに,(株)舛添政治経済研究所は,平成18年11月16日に,乗車定員8人の中古のステーションワゴンを購入して同会社名義で登録しており,(略),それもトヨタエスティマである。そのトヨタエスティマは,神奈川県湯河原町を使用の本拠としている。
このように,舛添氏がトヨタエスティマ2台を使用していることから,新党改革支部が購入したトヨタエステイマが湘南ナンバーで登録されて湯河原の別荘で使用されていると誤解されたものと思われる。
以上述べたとおりであり,新党改革支部が購入したトヨタエスティマが,湘南ナンバーで登録されていた事実はなく,それがもつぱら湯河原町の別荘で使用されていたという事実もない。

 

 全否定ですね、調査報告書は。しかし帳簿で確認したのに誤解なんてありえるのかな?この辺は産経さんの報道待ちですね。

 

最後に舛添さんの車関係を整理したものを貼っておきたいと思います。

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  各車を色分けしています。 上のように舛添さん関係では5台の車があったと思います。もしかしたら4台かもしれんけど。え?まあそれは・・・ねw

  

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 報道とグーグルマップ先生から最近の物(2015年)。

 上段がトヨタエスティマ。下段が日産のティアラですね。上段のエスティマですが、2世代目のエスティマになると思います。これの年式と型式が知りたいとこですね。エスティマの2世代目は販売店別にエスティマTとエスティマLがありました。現行のモデルは3世代目でT・Lがなくなり、統一されています。2世代目は2000年1月(平成12年1月)~2006年1月(平成18年1月)までのモデルになります。平成24年に購入したエスティマの初度登録が平成17年4月登録だから、2世代目の最後かその一つ前ぐらいの型式になると思います。私はTだと思ってるんですが、年式までわかりません。でもこんな顔のエスティマって見たことないんだけどなぁ。純正パーツじゃないのかな。まあ年式がわかる方がおられたらツイッターまでお願いします。これが違ってもっと昔の型式だとかだったらえらいことですけど。まあマスコミも登記あげるだろうから、そのうちはっきりするでしょう。

 グーグルマップにはタイムマシン機能があるなと思いだしたのでちょっと見てみました。2009年9の同じ地点のものです。

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 このクリーム色のエスティマがグローバル研究会の「街宣用自動車」かな?拡声器も何もないんだけど?平成21年のこの時点で購入から七年経ってる計算になるから拡声器は外したってことなのかもしれません。このエスティマもTなのかな。下段はトヨタのマークⅡ?ちょっとわからない。これが政治団体の所有のものなら割と疑問は消化できるんだけど。タイヤもこれに使ったことになるし。まあ全然無関係な車の可能性もあるので(ほぼないでしょうけど)これは保留。

 しかしエスティマの七年落ちだから100万円でもおかしくないって調査報告書にあるけど、7年落ちの下取り価格でも100万より下って、なかなかないのがエスティマなんだけどなぁ。まあなんでもピンキリだけどさ。事故車とかならそら安いだろうし。それだけ金をケチって、100万の車に修理代40万を掛けて使う舛添さんは素敵だと思います。これが本当なら有り得んでしょ。中古車買って、登録経費や修理費で売値の20%位高くついたとかはよく聞く話だけど、60%以上はないでしょうに。もしそんなことになったら舛添さんが承知せんでしょ?w しかしなぁ。普通にエスティマを買った、二つの政治団体で使うから按分してそれぞれ50%で100万づつ支出したとかの方がスマートだったと思うなぁ、私は。これなら別に違法でもないだろうし。

 最後に。調査報告書では、グローバルネットワーク研究会の日産ティアラについては説明が不足してますね。新党改革第四支部の方のエスティマについては、初度登録の年月日まで記載してるのに。同じ中古車会社でほぼ同時期に買ったんだから、同様にティアナに関しては初度登録の記載もないというのはどういう事なんだろう?エスティマについては車検証を見てるってことだと思うんだけどね。ティアナは見てないってことなのか何なのか。エスティマに関しては定員数まで触れているのに。(まあ舛添政治経済研究所とは別物だよって言いたいのもあるんだろうけど)ティアナに関してはさらっと書いてあるだけなんですよね。会見でも弁護士さんはエスティマには触れても、日産ティアナについては一切触れてなかったし。どうも引っ掛かります。

  

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合計 100冊 を購入したが,実際には,約 30冊 を贈呈したにとどま り,残 りの約 70冊は現在も泰山会の事務所に保管されている。

 

舛添さん、自著の本を政治資金で買い取ったものの、献本する人がいなかったんですね。しかし、自分が読んだ本の履歴を公開されるのってちょっと恥ずかしいですよね。私ならヤダw しかしあの購入した本の一覧を見てると後期になるとほとんど美術関連のものになっていくんだけど。なんだかなぁ。

 

以上でこの稿を終わります。

 

<参考資料>

舛添知事調査報告書 

(東京都議会議員(北区選出)『おときた駿』 「都政をアップデートする。」から。

 

なお、舛添さん関連の政治資金収支報告書に関連するリンクは

舛添さんちの車事情 - 粉屋の大阪to考想

を参照のこと