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粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

日本維新の会:目指せ法案100本提出 その20 UR完全民営化推進法案(独立行政法人都市再生機構の完全民営化の推進に関する法律案)

維新100本法案

o-ishin.jp

 日本維新の会が秋の臨時国会で100本の法案を提出します。これらの疑問に思った事やこれはいい、と思う点を書いていきます。基本的に維新の資料を見ただけで書くので、勘違いもあろうかと思います。その点、ご指摘頂ければ幸いです。

 

第20回目はUR完全民営化推進法案(独立行政法人都市再生機構の完全民営化の推進に関する法律案)です。

 

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 民営化の法案ですね。法案の目的としては以下。

 

現行の独立行政法人都市再生機構(UR)については、中堅勤労者向けの住宅供給、大都市への人口流入による需要圧力の緩和策としての住宅供給等という当初の政策目的が終了しており、民間と同様の家賃水準で経営していることが民業圧迫の批判を招いている。一方で、引き続き都市開発事業の中核を担うことが期待されている。
→ 健全な経営が可能となる形でURを完全民営化する必要がある。

 

 国の方で、住宅不足解消の為に住宅供給を行う公団(現独法)だった。しかし現在の経済状況ではその目的も終わり、民間の賃貸業者を圧迫しているようになっている。だから民営化、ということですね。いいと思います。民で出来ることは民に。これは維新の理念ですしね。

 

独立行政法人都市再生機構(としさいせいきこう、英語: Urban Renaissance Agency、略:UR)は、大都市や地方中心都市における市街地の整備改善や賃貸住宅の供給支援、UR賃貸住宅(旧公団住宅)の管理を主な目的とした、国土交通省所管の中期目標管理法人である独立行政法人である。前身は日本住宅公団。愛称は略称を冠した「UR都市機構」(ユーアールとしきこう)。
2004年7月1日、都市基盤整備公団(通称:都市公団)と地域振興整備公団の地方都市開発整備部門が統合され、設立された。運営形態、業務範囲などは独立行政法人都市再生機構法によって定められている。主な収益はUR賃貸住宅の家賃収入や市街地整備による土地の売却益である。本社は神奈川県横浜市にある。

都市再生機構 - Wikipedia

 

 色々、随意契約やなんやかんや言われてたトコですね。こういう組織って際限なく、下部の組織を増やしていって肥大化するんです。URの関連会社が平成十六年で三十六社。不透明な随意契約や社員の豪華な宿舎やらで放漫な経営をして、機構全体で14兆円の負債及び3500億円の繰越欠損金を抱えるような事態になっていました。で、政府の方でもコリャいかんで様々な改革が行われて、関連会社も平成30年を目標に13社まで(現17社)減らす、随意契約は止めて一般入札に、などなど改革はしてるようです。

 まあでもこういう民間でできる仕事はさっさと、民間に移行したほうがいいですよ。実際、一度、民主党政権下で、URに対しては分割、さらには100%出資の特殊会社に資産譲渡して、将来は民営化という案もありましたから。維新案に近いですね。民主党政権時代の事業仕分けって奴です。まあ実際はできんかったわけですが。

 

事業仕分け第2弾(平成 22 年 4 月)
「高齢者・低所得者向け住宅の供給は自治体または国に移行、市場家賃部分は民間に移行する方向で整理」との評価結果を受け、URは、高額賃貸物件の譲渡を公募したが不落となり、また、地方公共団体への意向確認も買取を希望する団体はなかった。

独立行政法人都市再生機構の改革について

 

 整理をしようとしたができなかったんですね。仕事のできなさには定評がある民主党。さすがです。平成25年の独立行政法人都市再生機構の改革についてから「2.議論の背景」を見てみたいと思います。

 

2.議論の背景
このように長きにわたり議論が繰り返されてきた背景には、URの改革の目的を巡る2つの考え方がある。そのひとつは、賃貸住宅事業が中堅勤労者向けの住宅供給という初期の政策目的を終え、さらに、近傍同種の家賃を基準とする「市場家賃」に移行し、民間と同様の家賃水準で経営していることから、民業補完に徹するならば、当該事業を民営化すべきとの考え方である。

 

 この考え方を私は支持します。


しかし、これまでURは、広大な敷地に余裕を持って住棟を配置する「団地型」といわれる独自の賃貸住宅を提供してきており、「市場家賃」であってもビジネスモデルは民間と異なる。すなわち、URは自ら敷地・建物とも取得し、収益性の限定される団地経営を続けてきたが、これが可能であったのは、その事業資金を財政投融資からの長期・低利の借入金等で賄い、70 年という長期の耐用年数(減価償却期間)を通じた家賃収入と土地譲渡収入によって償還するという仕組みを採ってきたからに他ならない。

このように、URの団地型の賃貸住宅経営は長期・低利の財政投融資の活用が前提で成り立っている。このため、民営化しようとすれば、財政投融資が活用できなくなり、市場から資金を調達する前提では背負いきれない負債を生じ、結果として、多大な国民負担を伴うおそれがある。

 

 財政投融資の低い低金利で民間と同じ仕事をしているという時点でおかしいと思うんですよね。元々、団地など「中堅勤労者向けの住宅供給という初期の政策目的」が終わった時点で解体する、縮小すべきだったんですよね。それを存続させたがためにこういう始末になってるんです。軟着陸させるために低利の金をURに貸すという事は、その差分は税金を投入しているのと同義ですからねぇ。政治が政治としての立ち位置を失うと、こう言う無駄が出来るんです。

 

また、事業を民間へ譲渡する場合も、民間は事業に必要な資金を市場から調達する必要があり、事業で回収すべき利回りが高くなる。このため、現行の家賃水準等を前提とする場合、適切な事業者を得られないか、民間の高い利回りに見合うよう大幅に割り引かれた譲渡価格しか得られず、上記の民営化と同様、結果として、多大な国民負担を伴うおそれがある。

 

 民間はその高い利回りで同じ仕事をしていて、都市再生機構にできないという時点でおかしい話なんですよ。しかも民間の金利で計算をすると、大幅に譲渡価格を割り引かないといけない時点で、元本割れしてるって事じゃ・・・。


よって、国民負担を伴うことなく民営化・民間譲渡しようとすれば、対象としうる事業(資産)は限定されてくることとなる。もう一方の考え方は、URは、事業資金のほとんど(約 13 兆円)を有利子負債に依存し、金利の上昇による利払い費の増大、人口減少による家賃下落など深刻なリスクを内包しており、これらのリスクを乗り越えるためには、財政投融資の活用や非課税措置など独立行政法人であることによるメリットを維持しながら、収益を最大化し、もって、多額の負債をできるだけ早期に圧縮することを優先すべきとの考え方である。

 

 もっともらしいことを書いてますけど、財政投融資の安い利率で経営を継続して、民間金融機関との利率差で債権を回収していきましょう位の意味しかないでしょ、これ。民間の利率で民間と同じ仕事ができない時点で、経営としては詰んでるんです。これからは人口減少社会に突入しているんだから、こういう賃貸業は事業として縮小こそすれ、上向きになることはない。早目に手仕舞いしてしまうのが一番だと思うんですけどね。

 

URは、毎年度、黒字を確保し着実に繰越欠損金の解消等を進めてきているが、官業的意識から収益性を高める意識が乏しく、収入の拡大やコストの最小化が重視されないなど、業務運営に非効率な点も多々あり、収益の改善余地は大きい。

 

だったら民営化すべきです。収益の改善余地は大きい、って問題になった当初ならともかく、URがこの平成25年時点で何年経ってると・・・。

 

しかし、仮に「団地型」を一切止め高額賃貸住宅等の収益性の高い事業に資源を集中させるなど、URが本来担うべき役割を超えて利益最大化を追い求めれば、セーフティネットなど「公」の機関としての期待に応えられなくなるほか、民業圧迫との批判を増大させ、財政投融資を活用することの妥当性が失われるおそれがある。

 

  だったらセーフティネットのみに絞って、事業を継続すればいいだけです。その為の財政投融資でしょうに。セーフティネットの団地型以外の仕事はすべて民営化をすればいい。公の仕事としては、そこだけなんですから。本来は民間がやるべき高額賃貸住宅を低利の財政投融資を使って、ガンガンやっていったはいいが、放漫経営で傾きましたってだけの話でしょうに。団地以外の方向性に走ったのがそもそもの間違いなんですよ。まあ財政投融資の使い道が無くて、ジャブジャブ突っ込まれてヒャッハーしてたんでしょうけど。

 日本は、こういう無駄なハードに金を使うのではなくて、医療や介護などのソフトに金を使っていれば、割と景気よく金を回せてたんじゃないのかなぁと思っています。ソフトも維持費は掛かりますけど、供給過多なら縮小は容易です。ハードは作ると金を生まなくても維持費はかかりますからね。供給過多になったマンションを潰して終わりって訳にはいかんし。まあ介護保険もブッチャケ、公的な金の使い道をソフト路線に切り替えるためっていうのもあったのかな。バブル以降の日本でハードにぶち込んでも仕方ないんでよね。そういった意味で現状の地方創生ってどうなのよ、とは思っています。現時点での決算みたいなものが無いかなぁ。豊洲市場をガス工場跡地に建てたのも予算を増やすためだったりはしないんだろうか。ハードの投資先は絞られるから一件の額を増やすために・・・。まあ空き地が無いってことですけどね。うーむ。

 

  纏めると、この手の独立行政法人で事業目的、社会的な意義を失って久しい公的な事業は、サッサと清算をして欲しいですね。必要ないんですよ、本当に。民業を圧迫するだけです。なので維新の改正案に私は賛成をします。

 

 <参考資料>

総務省|独立行政法人・特殊法人|独立行政法人改革等に関する閣議決定の措置状況

独立行政法人改革等に関する閣議決定の措置状況(P.230~) 

  「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」PDF(平成25年12月24日閣議決定

独立行政法人都市再生機構の改革について
行政改革推進会議独立行政法人改革等に関する分科会
第4ワーキンググループ報告書 平成 25 年 12 月 18 日