粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

自民の原田議員と維新の横山議員の意見の食い違いを纏めてみた

はい。今回も大阪会議です。

 

 自民の原田議員と維新の横山議員が食い違った意見をネットに上げており、どちらが正しいのかわからないので、疑問点を纏めてみました。

 

 9月2日に大阪会議条例改正案は、臨時会の本会議で可決の後、松井知事の再議権を行使。再議に付された議案の可決には出席議員の3分の2以上の賛成が必要ですが、これを満たさないために否決されました。再議理由は以下のものになります。

 

 平成27年8月臨時会議員提出第1号議案 大阪戦略調整会議の設置に関する条例一部改正の件 再議書

大阪戦略調整会議の設置に関する条例の一部を改正する条例第8条第5項においては、議題の選定や協議順位などの会議の運営に関する事項が、出席委員全体の過半数で決することとされている。 
 今回の改正により、これらの事項が出席委員全体の過半数で決することとされた場合、この会議を通じて、広域自治体の長として取り組むべき行政課題が、他の団体の意向により、適時適切に取り扱われない恐れがあり、そうなれば、首長の立場において、行政課題の解決に向けた事務執行を進める上で、支障が生じることが考えられる。

 

これに類したことは粉屋流 大阪会議改正案を考えてみる<大阪会議> - 粉屋の大阪to考想で書いていますので、なぜこれが再議理由になるかはこちらを見てください。改正案には首長の議案提出権の侵害の恐れがあるというのが私の考えです。

 

 今回はこの否決の後、大阪維新の会大阪府議会議員の横山議員のブログで次の指摘がありました。

ameblo.jp

大阪府議会と同時刻に開催されている「堺市議会」においても上記同様の修正案が提案されています。

ところが、堺市議会においては、なんと「2.議題の選定、順序について」は上程される議案から削除されているのです。

 

  この指摘の何が問題かというと、大阪会議においては大阪府大阪市堺市で同内容の条文の条例でないと開催が出来ません。なのに大阪府議会と堺市議会に提出された大阪会議条例改正案の条文の内容が違うので、どうなってるんだ自民党、というわけです。これだと仮に府議会・堺市議会でそのまま可決されると、大阪会議が開催できなくなってしまうんですね。

 これに対して、自民党大阪府議団の原田議員はTwitterで以下の反論をしています。

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 要約すると、原田議員は「再議書が出た後、自民内で調整し堺市議会の議案から該当箇所を削除したのが事実。堺市議会の議運で自民市議が修正理由を発言しておりすぐに判明する事。」ってとこですね。再議が出た後に、議運(議会運営委員会)で改正案の修正案を提出したと言っています。

 という訳でどちらが正しいのか事実確認をしていきたいと思います。議会運営員会で、現時点(9/4)では議事録・中継の過去動画(動画は元々ないですが)もないのでわかりません。それ以外の部分で確認をしていきます。まず、9月2日の大阪会議が否決までの時系列を整理します。


9月2日
大阪府議会臨時会本会議

午後一時 臨時会開催
     大阪会議条例改正案可決

午後六時 松井知事 再議権行使。
     大阪会議条例改正案否決

 

 大阪会議条例改正案が否決されたのが、13:30前後だと思います。原田議員が言う通りであれば、これ以降に堺市議会の方で改正案の修正案が出されたことになります。では堺市議会の9月2日はどうだったかというと

 

堺市議会

午前10時 本会議【大綱質疑(2)】
上記終了後 議会運営委員会

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会議日程 堺市議会

 

 堺市議会では午前10時から本会議があって、本会議終了後、議会運営委員会が開かれています。原田議員の説明だとこの議会運営員会の中で、改正案の修正案が提出されたことになるかと思われます。

 この時点で一点、疑問があるのが何故そんなに慌てて修正案を出す必要があるのか?という点です。第3回定例会は決算期なので日程的に厳しい面もあるのはあるんですが。翌日、9月3日の堺市議会の日程は以下。

 

平成27年9月3日(木曜)
本会議【大綱質疑(3)】午前10時 議場
上記終了後 決算審査特別委員会、各常任委員会

 

 これを見ると、9月3日の本会議で改正案修正の趣旨説明をして、常任委員会(総務財政委員会になるかと思いますが)そこで審議された?される?ことになるかと思うんですが。でもこんな昨日の今日で審議もないでしょうし。大阪府議団の方から堺市議団の方に電話一本入れて「条例修正ね」「あいよ」で、修正案って出すもんなんですかね?否決を受けて、3市議団が集まって今後の対応について協議をするのが普通だと思うんですけど。その上で修正案を出すのならわかるんですが。しかも堺市議団は本会議中ですし。堺自民市議団の中だけでも修正案の審議ができないと思うんですけど。修正案を出さず、修正前の改正案で審議に入ると、委員会省略で本会議で即日否決を避けるためなのでしょうかね?大阪広域戦略協議会条例の時の大阪市議会でそうだったし。再議を想定して、その為に予め修正案を用意してたのかな、自民は?プランBって感じ?

大阪市議会で否決された過程はこちら↓ 中段位)

大阪会議が都構想の対案でなかった時代と対案になった理由 3/4<その10 大阪会議> - 粉屋の大阪to考想

 

 

 ここで、府議会と堺市議会に出された大阪会議条例案を見てみたいと思います。

 

議員提出第1号議案 大阪戦略調整会議の設置に関する条例一部改正の件(府議会)

議員提出第26号 大阪戦略調整会議の設置に関する条例の一部を改正する条例(堺市議会)

 

 確かに堺市議会に提出された条文の第8条5項のうち府議会の方の4号、5号は削除され、号数は6個から4個に減ってますね。で、この二つの条例の提出日ですが「8月26日」なんです。原田議員がいうように9月3日に修正案を出したのなら提出日は「9月3日」ではないとおかしいと思うんですけど。審議前だから、修正・差し替えは別に自由なんですかね?堺市議会ではこういう慣習なんでしょうか?それとも日付は修正ミス?なんともわからないのですが、この条例二つを見ているだけだと維新の横山議員のブログ通りなんですよ。普通、修正案を出した時は下のようになると思います。

 現行の大阪会議の条例は原案を提出し、その修正案を後日に出されて可決をされています。原田議員の言うような形ですね。

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大阪府議会/5月定例会提出議案・審議結果一覧

上のが原案、下が修正案ですね。よって今回堺市議会において修正案を出したのなら、こういう形に府議会と全く同じ条文の改正案とその修正案で、2つに分けた形で提案されていると思うんです。でないと審議一分前に全く違う内容の条例案を出すこともできますしね。んー、わからない。でも横山議員の言う通りなら、府議会の審議中に話が出そうにも思うんですよね。

 

 以上に上げたことから現状で粉屋は、自民の原田議員と維新の横山議員のどちらが正しいことを言ってるのか判断が付きません。疑問点を整理します。

 

 堺市議会に現在、提案されている大阪会条例の改正案はいつ出されたものなのか?

 

整理するとこの一点だけになります。どちらなのか注視したいと思います。

 

 最後に堺市議会の方に現在、提案されている改正案の修正を考えてみます。大阪府議会の方での改正案についての私の考えはこちらをご覧ください。

府議会での 大阪会議条例 改正の内容を考察してみる - 粉屋の大阪to考想

 

修正点としては第8条5項になります。これの号数が6個から4個になっていますが削られた箇所は次の二つ。

 

三 議題の提案方法
四 議題の選定及び協議順位

 

 この二つですね。しかしこの部分って今回の改正案の肝になるんじゃないですかね?今回の改正案の骨子は、この部分を代表者会議や議長に当たる会長の権限としないためのものだと私は捉えていたのですが。これだと仮に改正案で通っても、現行の大阪会議とほぼなにも変わらないことになると思うんですけども。残る第8条は、会議の会期、公開の取り扱い、協議方法になるわけですけど、こういうのって採決によらない方法、「ご異議ありませんか?」「異議ナーシ」方式で対応できると思うんですけど。ある意味、自ら「骨抜き」にしてるだけです。で、その骨抜きになったものを税金を使って審議することに何の意味が? 残ったものは会長の解任などの条件だけ。3,4号を削るということは、この3,4号は会長の専管事項ということになり、それを自民側は避けたかったんでしょうに。本当にこの改正の意味が分かりません。大阪会議開催を遅延する意味以上のものがあるんでしょうか。この修正案を前回の大阪会議の審議のように自民は態度留保で審議を伸ばすのなら、そういう意味だけのものになるんでしょうね。