粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

特別区設置協議会の12回分のまとめと特別区設置住民投票への展望

この稿を都構想ウォーク主催者であるokidoki.kimi様と御子息様に捧げます。

 


今回は特別区設置協議会の12回分のまとめと今後の住民投票の展望について書いてみたいと思います。13~15回はまだ読んでない(18/9/30時点)のでその辺はどうかなぁとかは思いますが。

 
第1回:

大都市制度(特別区設置)協議会 第1回概要 ~協議会規約~ - 粉屋の大阪to考想
第1回は顔合わせ的な感じですね。協議会をどう運営するのかとか規約をどうするのかとかの事務側からの説明が続きました。その中で、自民側は前回住民投票の総括からするべきでは?と持ち掛けますが、吉村・松井両氏に一蹴されて終わりでした。

第2回:

大都市制度(特別区設置)協議会 第2回概要 ~総合区の報告~ - 粉屋の大阪to考想
現状の大阪市における総合区8区の素案の事務局側から協議会委員への説明。

第3回:

大都市制度(特別区設置)協議会 第3回概要 ~特別区(素案)~ - 粉屋の大阪to考想
大阪市における特別区素案の素案の事務局側から協議会委員への説明。
区割りは6区案、4区案をそれぞれ二つ作って計四案という形でした。その他は、事務分担、職員数、財産・債務の承継、財政調整などの説明がありました。

第4回:

大都市制度(特別区設置)協議会 第4回概要 ~特別区設置のコストと財政シミュレーション~ - 粉屋の大阪to考想

特別区におけるイニシャル・ランニングコストの事務局から協議会委員への説明。

第5回:

大都市制度(特別区設置)協議会 第5回概要 ~ 事務局・委員間質疑 ~ - 粉屋の大阪to考想
特別区素案に対する協議会委員から事務局への質疑応答。この会での維新の質問と事務局側とのやり取りは、都構想反対派への反論のテンプレートとして非常に優秀です。

第6回:

大都市制度(特別区設置)協議会 第6回・第7回概要 ~ 委員間質疑 ~ - 粉屋の大阪to考想

総合区素案に対する協議会委員から事務局への質疑応答。

第7回:

大都市制度(特別区設置)協議会 第6回・第7回概要 ~ 委員間質疑 ~ - 粉屋の大阪to考想

特別区素案に対するそれぞれの党の意見表明と委員間質疑。

第8回:

大都市制度(特別区設置)協議会 第8回概要 ~ 区割り決定 4区B案~ - 粉屋の大阪to考想

特別区の区割りが4区B案に決定。

第9回:

大都市制度(特別区設置)協議会 第9回概要 ~事務局からの特別区素案修正の説明~ - 粉屋の大阪to考想

特別区素案の修正案の説明。
事務局からの区名案及び町名案、4つの特別区本庁舎・議員定数について協議会委員への説明。

第10回:

大都市制度(特別区設置)協議会 第10回概要 ~特別区修正案に対する委員質疑~ - 粉屋の大阪to考想

第9回の事務局の特別区案についての委員側から事務局への質疑応答。

第11回

大都市制度(特別区設置)協議会 第11回概要 ~ 協議会廃止の動議を出したよ、やっちゃったね花谷ちゃん回 ~ - 粉屋の大阪to考想

続いて事務局の特別区案についての委員側から事務局への質疑応答。
自民花谷委員から協議会廃止の申し入れの動議が出て、採決するかしないかで意見が分かれ散会。

第12回

大都市制度(特別区設置)協議会 第12回概要 ~ 大阪自民動議2連発否決回 ~ - 粉屋の大阪to考想

11回での大阪自民の協議会廃止の動議についての採決。動議は否決されました。

以上が簡単な12回までの協議会の流れになります。詳しくはリンクからどうぞ。

 

では粉屋なりの各党の態度について以下、纏めていきたいと思います。

 

維新:
維新は当然、都構想に賛成であり、総合区についても賛成という立場です。協議会での維新の意見を出す方向性としては、特別区設置協定書の基本事項及び前回と今回を比較しての相違点の確認。そして前回住民投票に時に流されたデマを協議会事務局(以下事務局)に確認をするというのが維新の姿勢になっています。

自民:
自民党の都構想には反対。総合区に関しては保留、でいいのかな。まあそういう立ち位置です。質問に関しては都構想における効果額を出せという所や前回の主張を混ぜたものですが、時間は使い切らずに質疑を終えてる感じですね。まあやる気がない、というか議論を進める気はないというとこです。あと、「協議会で議論しても仕方がないから廃止の採決を取ろう」とかは言ってました。それで11回目に廃止の動議を出して、12回であっさり否決されたわけですけども。

公明:
公明の立ち位置は複雑です。というか複雑にして協議会における立場を強くしているわけですが。まあその辺はいつもの公明という感じですね。公明党は都構想には反対のような感じ。まあ反対という立ち位置かなぁ、って感じですね。総合区に関しては賛成という立場です。質問の方向性としては、都構想における特別区設置にかかるイニシャル・ランニングコストをメインに、住民サービスにかかる費用の保持を主眼にしています。

共産:
共産は都構想に反対です。質問は前回住民投票の焼き直し、というかそのままな感じのものが多いですね。本当に何がしたいのやら。

 

 各党の態度はこんな感じです。個人的にましな質問をするのは維新以外では公明だけですね。自民の質問は基本的に入り口論で終始していて、制度の質問自体はほぼないですし。共産はまあ共産ですし。維新は質問自体はいいのですが、そこをどう使うかという視点に欠けてるように思います。広報の方でいくつか使われているようですが、冊子的なもの、纏めが欲しいですね。

 そして今後の展望ですが、住民投票の日程は統一地方選挙と同日は報道にあるように難しいと思います。それは結局、公明の態度次第、という所なんですよね。維新と公明の双方が賛成して初めて協議会の過半数になるので。自民が賛成することはないわけですし。そういったところで焦点になるのは何かというと国政での維新の支持率。続いて関西、大阪での支持率になるんですよね。公明は大阪における維新の支持率により、大阪市議会及び府議会の議会構成がどうなるかを注視しています。そして国政における関西での維新の影響力を。そこら辺で維新と組んで公明が得をするのなら、彼らは手を伸ばしてくるでしょう。ほらほら掴んでご覧的な感じで接近をしてくる感じかな。公明としては総合区で十分な政治的利益は出るんです。だから都構想に積極的に賛意を示す必要は現状ではない。その辺は過去に書いた以下の記事から引用します。ちょっと長いですけど。

pankoya.hatenablog.com

「 公明党は最近、方針を転換し、大阪における大阪維新の政策に協力的です。公明党が賛成に転換したので、副首都推進本部の推進局も設置が決まりました。他、統合案件などでも賛成に転じています。付け加えるのなら特別区設置協定書住民投票の時も公明党は表立っては中立で、自主投票に任せました。なぜでしょうか?理由は簡単で、松井知事・吉村大阪市長W選挙に維新が勝ったからです。今回のW選挙で維新は勝ちましたが、政治状況としては変化はありません。橋下さんから吉村さんに大阪市長が変わっただけですから。しかし、公明は態度を変えた。これは何を指すのかというと、先の住民投票での否決は、大阪自民・共産をはじめとした反対勢力の集票能力に負けたわけではなかったということです。W選挙の結果を合わせて検討すると、その反対勢力の集票能力に疑問符が付いたということです。特別区住民投票の結果は僅差でした。この結果は、現在の大阪市民が正しく特別区設置協定書を判断した結果の否決であったということです。より具体にいうとW選挙の結果から反対勢力の集票能力があくまで限定的なものでしかなかったと、少なくとも公明党はそう判断したということです。つまり公明党は次の統一地方選挙において、大阪府議・大阪市議の選挙において維新が議会の過半数を単独で取る、ないし維新・公明で過半数以上を維持すると判断したと考えています。公明党というのは票読み、集票能力は非常に高い。しかしその票が限られる政党です。よって公明党が単独で議会を制することはありません。永遠の二番手以下が公明党です。彼らが議会に政治的な影響力を持つには、その集票能力により、その時の第一党に票で恩を売り、その見返りを求める事だけです。現在の国政の状況がまさにそれですね。よって、現在の大阪の公明党は完全に大阪自民を見限り、維新側についたというのが私の判断です。表立った発言・行動はしないでしょうけど。ただ次の統一地方選挙において維新が市議会・府議会で単独過半をとれば、公明は何の影響力を持てません。であるのならば、その前に恩を売っておくのが最上の戦略です。現在の公明党の維新の政策に対する賛意はこの行動原理を元に考えればよく見えてきます。ただ私は公明党は信用していません。実際、公明党も維新の政策に賛成しても注文は付けています。しかし公明党が維新に対して政治的影響力を保持しつつ、維新が過半をとれる勢いを維持し続けられれば、公明は賛成側に居続けるでしょう。」

そう、公明党は協議会においても態度は曖昧だったでしょうが、都構想についてもう少し賛意を示した態度を持って、この協議会に参加をしていたはずでした。しかし現状はそうではなく、反対の態度を示しています。明確ではない、ギリギリの線を保ちながら。なぜそうなかったかというと、堺市長選、前回の衆議院選挙を維新が落としたからです。この二つさえ、取っていれば維新の今の協議会ので苦境はなかったでしょうし、統一地方選挙での同日選挙もありえたでしょう。私は再三書いておりますが、この二つの選挙は勝ててた選挙だと思っております。まあ終わったことを言っても仕方ないのでここでやめますが。
 では公明の協力を取り付ける=維新の支持を高めるためにはどうすべきですが、IR・万博で大阪が勝つのが必須条件です。もうこれは絶対の条件です。その上でさらに同じ成果が一つ、ないし二つ以上が必要になります。かなりのムリゲーですがそこをクリアーしない限り、住民投票は見えてきません。統一地方選挙において仮に維新が過半数を取れれば問題はないですが、おそらくそれはない。それはIR・万博をとっても同じです。というか私はその二つを取って、現状議席維持のラインと思ってます。協議会は今の委員が一度、統一地方選挙でリセットされるので、おそらく閉じられるような形になるでしょう。そして統一地方選挙後の議会構成で協議会が再開されても、委員の入れ替えによる協議の白紙化を自民・共産、そして公明は求めてくるものと思われます。それをどこまでの巻き戻しで終わらせるか、その辺も今後の維新の協議会での方針にかかってくると思っています。何とかねじ伏せて、前回の続きからにして欲しいものですが。それは住民投票の時期にもかかわってきますからね。実際の住民投票の時期ですが、その辺をクリアして何とか住民投票に持ち込んだとします。その時の日程は2019年11月の大阪市長選挙及び大阪府知事選挙での同日が最短になるのではないかと思っています。夏の参議院選挙は無理のように思います。それ以外の別日もおそらく無理でしょう。選挙期間が長いですからね、住民投票は。そしてそれまでに大阪に国家プロジェクトに匹敵するものを1個か2個、持ってくる。自分で書いてて「無茶苦茶やな」とは思いますが、ここまでやれたとして、ようやくスタートライン、住民投票が行えるというだけです。そこから住民投票を勝ちにいくものが必要になります。
 勝ちにいくもの。それが必要なわけですが、それについて私には案はありません。それは維新が政治的な、それも特大のビックリ箱を用意しない限り、住民投票では勝てません。次回の住民投票は普通にやれば投票率も下がりますし、一度目の住民投票で前回投票した有権者の賛否の態度は決まっています。そこに維新の支持率が下がっている状態で賛成票の割合の上昇は見込めません。そういった状況をひっくり返すものが必要です。まあ例えば、前々回に私が奪取論で書いた維新の与党入りですね。

pankoya.hatenablog.com

自民と維新・公明で連立を組む。その上で、あの稿では地方は別にして国政のみの連立としましたが、地方も併せての連立にする。魂売ります的な感じですが仕方ない。そして安倍さんに大阪に来てもらって「都構想いいよね」と言って貰う。都移行後に関しては自民党がバックアップするので問題ありません的な感じですね。そうすれば前回住民投票において消極的反対票を投じた層は賛成票に転じます。まずまず勝てるでしょう。自分で書いててげんなりはしますが。維新は自立、自助の党であり、私もその支持者ですから。でも勝つならこれぐらいのものは必要なんです。それをどう工面つけるか。本当になんでこんなスペシャルベリーハードな制度設計にしたのか。大都市法めーって感じですが、無ければ都構想もないわけで。橋下さん、よく50%近くまでもっていけたよなーって感じですよ、本当。
 維新に期待するのは住民投票を行った上で、勝つ戦略を明確に描いて欲しいんですね。我々、というか私も支持者の端くれとして、やれる範囲で精一杯、やっていく考えです。が、本当に厳しい。しかし厳しいと言って止まっていても仕方ない。

  

  なので、前に進むしかない。
 
 「動け動け動け!動けー!!!」(by蝶々さん)
 
 という気構えが維新の支持者、それぞれに必要です。私としてはこういったブログを続けること。議員さんの市政報告会などを聞きに行くこと。他には都構想ラジオ(課題)をしてみたいんですよね。まあ都構想関連の事などを中心にした3~5分ぐらいの音声のみの番組的なことをしてみたい。それをネットに挙げて、みたいな感じです。ただ自分一人でくっちゃべってみたんだけど、これがまたおもろないw 都構想ウォークのメンバーで手伝っていいよっていう奇特な人が居られたらご連絡ください。
 連絡先:konaya.tokousou@gmail.com
 
 以上で今回の稿を終わります。 
 
 
 2018年9月23日に都構想ウォーク主催者であるokidoki.kimi様の御子息様がご逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からのご冥福をお祈りいたします。
 
 私がkimiさんと初めてお会いしたのは、都構想ウォークの再スタート一回目の4月8日でした。当時、知り合いなど誰一人おらず、飛び入りで参加した私を暖かく迎えて頂いたことは大変、嬉しかったです。あの日は自己紹介があり、私の自己紹介の後のkimiさんのリアクションや、「ウォークの模様をブログに書いていいか?」という私の不躾な願いに快諾して頂いた事は、記憶にはっきり残っています。私がウォークに参加できたのは土日の回だけでしたが、回を重ね、準備の為の作業を想うに「大変なことをされてるな」と尊敬の念は深まるばかりでした。ウォーク後の喫茶店でみんなでお茶をしてる中、私の益体の無い提案を真面目に聞いていただき、また取り上げて頂いた事は今もって、私の喜びです。

 

 kimiさん。

 今はゆっくりお休みください。

 そしていつかまた共に歩きましょう。

 

  2018年9月30日 

   粉屋