粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

特別区名について その2 ~吉村さんへのアンサー~ 

 

 3月29日の吉村大阪市長の定例記者会見での特別区の区名に関して、私の考えを書いてみたいと思います

  

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 上のはニコニコの該当リンクになります。

 

 吉村さんは正しい。正しいんだけど間違ってるんよ。


 何が間違っているかというと、財政調整やその他の役所内の制度については特別区設置住民投票で判断するんです。役所内のことだから。でもね、地域名称というのは住民のものなんだよ。政治家の、役所のものではないんです。ここの感覚の差なんです。理性的な判断でこの問題を捉えたらダメなんだよ、本当に。
 理性的に考えたら役所のことも地域名称も住民のものなんだけど、そこはちょっと違うんです。地域名称というのは役所の制度に全く関係がない。ここなんです。理性的に考えれば名称はただの記号に過ぎない。でも制度に全く関係のない部分だからこそ、その決定を住民に任せないといけないんです。誰にでも判断できることだから。矛盾してるような矛盾してないようなふわっとした話ではあるんですが。役所内の制度については専門的知識もいるし、そのために代表者である市長、議員を市民は選挙で選ぶわけです。で、都構想を公約にしている維新を首長に、議会の多数派に選んでいるのも都構想を進めてね、という市民の意思表示なわけです。役所の制度設計については政治家にお任せします。でも我々で決めるところも下さいね、って所もあるんです。本当に微妙なところではあるんだけど、でもそこを汲むことが大切なんです。国際政治学者の三浦さんが言ってた「ポピュリズムはむしろ足りなかった」っていうところなんです。趣旨はちょっと違うかもしれないけどね。
 卑俗なことを書くけども、区名を住民投票なりで住民に決定を「して貰う」ことは維新にとってメリットしかないんです。まず区名批判から維新は逃げれる。前向きに。そして区名の住民投票を通して、大阪市民に特別区について考える契機を作れる。この投票に参加した人はほぼ確実に特別区設置の住民投票にも行きます。そして都構想も純粋無比に制度の内容のみに絞って判断してもらえる。区名という不純物、それも特大の阻害要因になるようなものは予め、除いておくべきなんです、特別区設置住民投票から。
 区名を民主的に正しく決めるのは難しいという吉村さんの説明も正しい。でもその正しさはいらないんです。民主的に正しくなくていいんです。こういう感情的な問題で過半数を得れる解答はそもそもで無く、民主的解決方法自体も、そもそもで無いんです。でもだからこそ、そこの解決方法をそれがどんなものであれ、一定のルールを提示して、住民に投げかけることが大事なんですよ。それは吉村さんの政治手腕を見せることにもなる。そしてなにより、政治的に全く意味のない区名の決定まで政治家が責任を持つ必要はないし、持つべきではないんです。政治的に何の利益もないんだから。
 いいものが正しく判断されるのなら、大阪府下の全首長、全議員は維新で占めれてます。先の住民投票も賛成で可決されてますよ。橋下さんは今頃、初代大阪都都知事です。でも現実はそうではない。なぜそうなのかをもう少し考えて欲しい、維新、そして吉村さんには。
 蛇足で書くと、私は事実と数字でしか物事は考えません。格好良く書くと。でもね、この区名の問題に関してははっきり吉村さんが間違えていると言い切ります。理屈もへったくれもないんです、この問題は。だからこそ、特別区設置住民投票からはこの区名問題を切り離せ、というのが私の考えです。正しく特別区設置住民投票の日を迎えるために。都構想を理性的に正しく判断して貰うために。区名は大阪市民に決定させるべきで、それが必要だというのが私の考えです。そうではない、というのであれば区名に関して大阪市民全員が納得する理由を用意するべきです。そこでの説明で議会や法定協で正しく決定した、民主的に正しいといっても誰も納得はしません。これはそういう問題で、それが全てなんです。

 

以上です。