粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

日本維新の会:目指せ法案100本提出 その24 「身を切る改革」による 復興財源捻出法案 (大規模災害からの復興に関する法律の 一部を改正する法律案)

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 日本維新の会が秋の臨時国会で100本の法案を提出します。これらの疑問に思った事やこれはいい、と思う点を書いていきます。基本的に維新の資料を見ただけで書くので、勘違いもあろうかと思います。その点、ご指摘頂ければ幸いです。 

 

第24回目は「身を切る改革」による復興財源捻出法案(大規模災害からの復興に関する法律の 一部を改正する法律案)です。

  最初に書きますが、私はこの改正案には反対です。

日本維新の会:目指せ法案100本提出 その10 国家公務員総人件費 2割削減法案 (国家公務員の人件費の総額の削減の推進に関する法律案(新規立法)) - 粉屋の大阪to考想

公務員の人件費削減には賛成をします。ただこの改正案の趣旨には反対です。

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<立法の背景・趣旨>
東日本大震災の復興の財源の捻出については、いわゆる「身を切る改革」が十分に行われないままに、復興増税が行われている。
→ 大規模災害からの復興の財源の捻出については、まず可能な限り「身を切る改革」によるものとし、安易に復興増税を行わないものとする必要がある。

 

 大震災などの大規模災害時において、復興財源を捻出をする際に国の資産、剰余金及び積立金を最大限活用して、それでも足りなければ、国会議員の歳費、国家公務員の人件費の削減を行うという法案改正になります。維新の説明では「大規模災害からの復興のための国の財源については、当該不足する財源の確保は、まず可能な限り国会議員の歳費等の削減、国家公務員の人件費の削減等によるものとし、安易に復興増税によらないものとする旨を法律に明記する。」とあります。

 

 私がこれの何に反対かというと、国家公務員の人件費の削減が入っている点です。国家公務員は国民です。そして、大規模災害の復興財源は国民すべて等しく負担をするべきです。であるのにこの法案では国家公務員であるというだけで、一般国民より大きく負担をかけています。人件費の削減に加え、復興増税も加わりますからね。これは維新の理念である「受益と負担の公平」に反すると私は考えます。その点だけで私はこの法案に反対です。

 私が公務員の人件費の削減に賛成なのは、公務員の人件費の算定基準が民間と等価になっている点です。公務員の給与は民間の基準より低くあるべきです。なぜそう考えるかというと公務員は終身雇用であり、その雇用における解雇ルールは民間より厳しいものになっています。例えば自治体の首長がある公務員を解雇させようと思っても、何重にその身分は守られており、分限免職等により解雇するのは至難です。そういった一般の労働者より守られた地位なのですから、その報酬は一般労働者より低い水準であるべきです。公務員が人気なのはその身分の安定さもありますから。だから公務員が民間と同じレベルでの報酬を求めるのなら、この公務員の身分保証は廃止し、民間の解雇ルールを公務員は受け入れるべきです。例えば公務員のリストラがニュースになる状況なら構いせん。それなら私も公務員が民間と同水準の報酬を支払うことに異議を唱える気はありません。でも現状そうでないのですから、報酬は民間より低くあるべきというのが私の考えです。公務員の身分保障は政治的な意味合いもあります。公務員自身が望んで解雇ルールが厳しいわけではないという考え方もあるかもしれませんが、それを差し引いても私はこの考えです。

 私はこの法案の趣旨自体には反対ではありません。しかし、この改正案で疑問なのは国家公務員の人件費の削減以外にもあって、「国の資産、剰余金及び積立金を最大限活用しても、なお不足」も疑問です。勿論、大規模災害があった場合、こういったものを使うのは当然です。ただ「最大限」というのが疑問です。これの範囲がわからないんですよね。本気で最大限に使うと政府の機能が止まりますし。その辺の活用はうまくやってくれで、法案に書く必要性は感じません。

 私は今までの維新の考え方からしても、この改正案は「国会議員の歳費などの削減」だけでいいと思うんですよね。復興増税が継続する間、削減は継続する、ぐらいでいいと思います。前にお前が書いた「受益と負担の公平」に反するやんけ、と言われそうですけど、政治家、議員は別です。議員は「受益と負担の公平の原則」から外れる存在です。指導者ですからね。だから無条件で尊敬と敬意を受ける存在でもあるんです、政治家は。 

 

<参考>

大規模災害からの復興に関する法律

(目的)
第一条  この法律は、大規模な災害を受けた地域の円滑かつ迅速な復興を図るため、その基本理念、政府による復興対策本部の設置及び復興基本方針の策定並びに復興のための特別の措置について定めることにより、大規模な災害からの復興に向けた取組の推進を図り、もって住民が安心して豊かな生活を営むことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

大規模災害からの復興に関する法律案内閣府

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分限処分 - Wikipedia