粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

日本維新の会:目指せ法案100本提出 その17 保育所設置基準の分権化と保育士資格の多様化を図る法案 【地域の事情に応じた保育サービスの提供体制の整備に関する法律案 〔新規立法〕】

o-ishin.jp

 日本維新の会が秋の臨時国会で100本の法案を提出します。これらの疑問に思った事やこれはいい、と思う点を書いていきます。基本的に維新の資料を見ただけで書くので、勘違いもあろうかと思います。その点、ご指摘頂ければ幸いです。 

 

第17回目は日本維新の会:目指せ法案100本提出 保育所設置基準の分権化と保育士資格の多様化を図る法案【地域の事情に応じた保育サービスの提供体制の整備に関する法律案〔新規立法〕】です。長いなw

 この法案は維新の新規立法です。その内容は法案名通り、保育所の設置基準の分権化を図り、保育士資格の多様化を目指すものです。

 

<立法の背景・趣旨>
① 保育サービスに係る施設及び事業をめぐる地域の事情は、それぞれ異なるにもかかわらず、現行の制度では、多くの施設及び事業で、その職員配置等に関する基準は、全国一律とされている。
保育所に係る深刻な保育士の不足が、待機児童問題の大きな原因となっている。
→ 条例で、保育士不足に対応しつつ保育の体制の整備を図りながら、地域の事情に応じた基準を定めることができるようにする必要がある

 

 維新案では、保育行政は個々の地域の事情により、異なるのでそれぞれの自治体で条例を定めるべきということですね。現在の待機児童の問題も主に都市部での問題であり、都市部外では大きな問題にはなっていません。むしろ、枠に余裕が有ったりもします。なぜこういう事になっているかと地域間の違いを斟酌せずに、全国一律の制度の保育行政を国が強要をしているためというのが、維新の立場になるかと思います。 

 

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 この方の目指す点としては、現行法では国の基準に従って条例を定めないと池何戦。これについては、区の基準を参酌して、条例で定める。要するに国が制度設計にその責を負うのではなく、自治体各個で条例を定め、その責を負うようにするっていう事ですね。下の保育サポーター制度については次の回になります。

 

 維新がこの法案で、政府に求める措置は以下の三点になります。

 

(法制上の措置)

一 保育所及び幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する事項
二 児童福祉法第二十四条第二項に規定する家庭的保育事業等の設備及び運営に関する事項
三 前二号の施設及び事業のうちその保育サービスの費用について子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五)による給付の対象とされるものについての運営に関する事項 

 

 国が定めることとされる保育所の設備及び運営に関する基準には、主任としての保育士及び保育の単位ごとに置かれる担任としての保育士に関する事項を含むものとする。

 

これらの3項の前に上の項目があります。ここが大事な点ですね。現行上の保育園等の主任保育士・教室主担任は子ども数により定められています。ここを緩くしたいという事ですね。ここの子供数が増えれば、それだけでも待機児童の改善は望めます。

 

 この法案の二項の部分ですが、児童福祉法第24条二項の規定ですが以下の物になります。

第二十四条

 ○2  市町村は、前項に規定する児童に対し、認定こども園法第二条第六項 に規定する認定こども園(子ども・子育て支援法第二十七条第一項 の確認を受けたものに限る。)又は家庭的保育事業等(家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業又は事業所内保育事業をいう。以下同じ。)により必要な保育を確保するための措置を講じなければならない

 

 ここで「市町村が講じなければならない」としているのを「参酌しなければならない」としたいっていう事だと思います。これにより市町村に裁量権を認めるという事ですね。

 

子ども・子育て支援法(平成二十四年八月二十二日法律第六十五号) 「第二十七条第一項」

(施設型給付費の支給)
第二十七条  市町村は、支給認定子どもが、支給認定の有効期間内において、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が施設型給付費の支給に係る施設として確認する教育・保育施設(以下「特定教育・保育施設」という。)から当該確認に係る教育・保育(地域型保育を除き、第十九条第一項第一号に掲げる小学校就学前子どもに該当する支給認定子どもにあっては認定こども園において受ける教育・保育(保育にあっては、同号に掲げる小学校就学前子どもに該当する支給認定子どもに対して提供される教育に係る標準的な一日当たりの時間及び期間を勘案して内閣府令で定める一日当たりの時間及び期間の範囲内において行われるものに限る。)又は幼稚園において受ける教育に限り、同項第二号に掲げる小学校就学前子どもに該当する支給認定子どもにあっては認定こども園において受ける教育・保育又は保育所において受ける保育に限り、同項第三号に掲げる小学校就学前子どもに該当する支給認定子どもにあっては認定こども園又は保育所において受ける保育に限る。以下「特定教育・保育」という。)を受けたときは、内閣府令で定めるところにより、当該支給認定子どもに係る支給認定保護者に対し、当該特定教育・保育(保育にあっては、保育必要量の範囲内のものに限る。以下「支給認定教育・保育」という。)に要した費用について、施設型給付費を支給する。

 

 3項に関しては内閣府令で定められている金額を保護者に対して市町村が給付するというのを見直せってことですかね。

 

 とにかく、市町村に対しての国からの命令ではなく、市町村が国の基準を参考にしながら独自に決めるようにしましょうという事だと思います。私はこの改正案は良いと思います。単純に待機児童がなぜ起きるのかというと、国の決めた基準を日本全国で行うと、都会は土地代も高いですし、人件費も高い。なのに地方と同じ基準でそれに対する額を定めてしまうと、どうしたって都会において子供数に対する保育所の数は少なくなってしまいます。丸っきり同じ条件での算出という訳ではないでしょうが、地方と都会で保育所を建てる建設費だけで考えても、倍とまではいかなくてもそれなりに価格差は出ますからね。そういった所で、全国一律という考え自体がおかしいという維新の考えを私は支持します。

 

 

<参考>

児童福祉法

子ども・子育て支援法

●地域の事情に応じた保育サービスの提供体制の整備に関する法律案