粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

豊洲盛土問題における東京都の技術会議第9回資料捏造と豊洲市場集中審議 経済・港湾委員会の質疑について

mainichi.jp

 東京都の豊洲市場江東区)の主要建物下に盛り土がされなかった問題で、岸本良一・中央卸売市場長は7日、盛り土の工法を検討した外部有識者の「技術会議」の会議録資料を都側が捏造(ねつぞう)したことを都議会経済・港湾委員会の集中審議で認めた。建物下に空間を作ることを都が提案したにもかかわらず、技術会議から提言を受けたとする虚偽の内容。都は資料作成に関わった人物の特定を進める。

 捏造は第9回技術会議(08年12月25日)の会議録に添えられた資料「技術会議が独自に提案した事項」。実際は都側が建物下の空洞を提案したが、この資料には、技術会議が「地下水から基準値を超える汚染物質が検出された場合、浄化できるように建物下に作業空間を確保する必要がある」と提言したと明記されている。

 この資料は盛り土問題発覚後の9月16日に都のホームページ(HP)に掲載され、同30日に公表された都の自己検証報告書は盛り土案変更の決定につながったと指摘した。

  技術会議の第9回の資料で捏造があったと。正確にいうと、9月16日に技術会議第9回資料に「技術会議報告書の構成(別添資料抜粋) (713.3KB)」を付け加えて、それを東京都が今回の盛土問題での自己検証報告書「豊洲市場の地下空間設置と盛土がなされなかったことに関する自己検証報告書(平成28年9月30日)」内で、盛土案変更の決定に繋がった論拠として使ったという事ですね。マッチポンプって奴ですな。

 で、この資料ですが、完全な捏造という訳ではなくて、存在はしていました。

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(技術会議第10回資料:2 技術会議報告書(案) (11.6KB)

 こういうのは10回以降の技術会議の資料に入ってるんです。第9回に資料として入れた捏造とされる資料はが第10回以降は、別に添付してたよってことです。だから技術会議の最終報告書の叩き台として、第9回に術会議の各委員に配った資料であり、その中から東京都が作った資料の一部抜粋したものを9月16日にアップしたというのが本来の話です。

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第9回に9月16日に上げられた資料の目次。

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技術会議報告書(全文) (118.9KB)からの目次)

 正規の技術会議の報告書の目次と9月16日に東京都が上げた捏造資料の目次を比較すると酷似しています。だからたたき台として作った資料が第9回の技術会議に存在はしていた、委員には提出されていたということです。

 で、これをHPに当時、アップしてなかったのは、まあなんでだろ?って話ではあります。ただ思うに、正規の技術会議の報告書は後日に作られましたから、類似の資料を上げなかったという事なのかなぁ、と善意の側に立っては解釈してみます。もしくは、この資料は委員にだけ配られて、こんな感じで東京都としては纏めていきたいんだけど、っていう形で会議では使わなかった「内輪」の資料だから、HPにアップしなかったのかもしれません。参考資料というぐらいの位置づけという事ですかね。

 実際のこの捏造部分の資料なんですが、リンクを開くとこんな感じです。

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左上を拡大したのが下。

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これってアップロードした日付なんじゃないのかなぁ。

 2016/09/16/12:07.32 

 2016年9月16日12時7分32秒

 ってことなのかな?前のKMと数字は職員さんのIDだろうか。まあ東京都の人間じゃないんでこれは憶測ですけど。これがアップロードの日付・時刻なら、お昼休みまで働いて、東京都の職員さんは仕事熱心ですね、と思います^^

 

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 自己検証報告書がこの方式なら2016年9gつ30日13時7分27秒にアップされたってことになるのかな。同じIDってことですかね。

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 実際の捏造とされる問題部分ですが、これの「汚染物質の除去・地下水浄化の確認」のところの最後。「汚染地下水の浄化ができるよう建物下に作業空間を確保する必要がある」って所ですね。これが東京都の検証報告書でどう使われてたのかは以下になります。

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豊洲市場地下空間に関する調査特別チーム|東京都中央卸売市場

 こんな感じで10月7日時点で修正がされています。

 さすが東京都、仕事が早い!

 まあ軽く嫌味こいてあれですが、実際、私もこの検証報告書については前回の記事で書いています。そこを抜粋します。

 こんな感じです。これらの5段階を逐次、細かく指摘していくことはしません。意味がありませんから。なぜ意味がないかというと、色々書いてますが、これらのことは嘘ではないでしょう。資料を提示して、説明していますから。でも本当のことではありません。本当ではないというのは何かと言うと、この検証報告書は専門家会議、技術会議の提言を受けてこうした、というスタンスで書かれているからです。そんなことがある訳はないんです。(その辺については以前に書いた技術会議、専門家会議の記事をお読みください。)元々、地下空間は仕様・設計として存在しており、専門家会議・技術会議の提言を受けて、地下空間の使用目的に汚染対策などを加えたという視点が抜けている。さらに突っ込んで言えば、わざと抜かしてるんです。この前提は私の推測ですが、外れていないと思っています。まあこの検証以前の東京都の資料は無いらしいので、なかなか証明はできにくいと思いますけども。ぶっちゃけ、平成13年12月の豊洲移転正式決定以前の移転候補地選定時点から、地下空間は存在していたと思っています。その時はサイズや構造は、もちろん決まってないですが、ポンチ絵程度の構想はあったでしょう。

小池都知事の豊洲移転延期決断における行政手続きの不備と東京都の盛土に関する自己検証報告書の問題点 - 粉屋の大阪to考想

 よし。俺はちゃんと資料を読めてるw と、自画自賛しても仕方ないので、話を進めます。問題点としては検証報告書で東京都が「技術会議が独自に提案としてモニタリング空間が提示された」ってとこですね。これは技術会議が独自に提案したものではなく、東京都が技術会議の委員に見てもらうために、「東京都」が作った資料の提示があったというだけです。それも第9回の会議の中ではこの資料は一切説明も何もない、議論の一つもしていない「内輪」の参考資料です。東京都が作った資料を言葉で結論に誘導するのは誠実な態度ではないです。まあこれも私が再三言っている「官僚は嘘は付かないが本当のことは言わない」って奴です。

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 最初のにしても、「技術会議が独自に提案した事項」。これが嘘ではないけど、本当ではないんです。これは正しく書くのなら「豊洲新市場の汚染対策を考えている東京都の部署が”技術会議””独自に提案提出した資料”」ってだけです。嘘にならないように最後に「ただし、地下とするか否かについての言及はない」で〆ています。ミスリードしたいんだろうけどさ。今回のはちょっと下手すぎたね、東京都さんってとこだね。

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 これもそうで「土壌汚染対策に万全を期す機運がこの頃が醸成されていった」のは「東京都の内部」なんです。書いてないだけでw技術会議じゃないんですよ。

 

 この件は経済・港湾委員会(10月7日)の公明党の大松成議員が追及をしました。前日の10/6の公明議員さんの質問は正直、「何を言ってんだ?」って感じだけど、この追及はよかったです。

 

平成28年第3回定例会 録画映像 | 東京都議会

(上記リンクの「10月7日(金曜日)経済・港湾委員会」です。直リンクが出来ないので。56:45~)

以下要約。

議員「東京都がHPに9月16日に資料をアップした必要性は何か?」

東京都A「12回までは技術会は非公開だったので資料も同じく非公開だった。関係者(座長)に確認をしてアップした。」

東京都はアップするための条件を答弁するという、これもよくある手法を使います。この同じ答弁を繰り返しますが、公明党の議員さんが「その必要性は何か?必要性を聞いている」と問い詰めて、最後に、

東京都A「盛土の問題が出てきた中で、この資料は非公開であるべきではないと思い、HPに挙げた」と答弁をしました。

議員「この資料は技術会議が提言をしたんですか?」

東京都A「技術会議に東京都の事務局がこういう形ではどうでしょうか?という形で構成案を作った」

議員「この資料を技術会議の中で説明をしたか?」

東京都A「その資料についての説明はありません」

議員「なぜ説明をしなかったのか?」

東京都A「なぜ説明をしなかったのかは現在は把握をしてない。ヒアリングをして確認をする」

議員「この会議に出た人はいるのか?」

会議に出た東京都B「出たが詳細な記憶はありません」

議員「ではこの資料について技術会議の委員は何かを言っていたのかは記憶にないのか?」

東京都B「意見交換をしていたのは知っているが、はっきり覚えてない」

 

 のらくらした答弁でしたね。最後に「検証報告書の地下空間を作った結論の論拠に東京都が作ったこの資料を使って、技術会議の委員からの提言としている事はおかしい」という質問に対して、東京都A「事実としては不正確であった」で、さらに追及されて、最終的に市場長が「委員のおっしゃる通り」で、第9回の資料を使っての検証報告書の結論は間違いと東京都は認めました。

 

議員「技術会議の正式な報告書の中で地下空間は採用されていないのだから、モニタリング空間は技術会議の提言ではないですね?」

東京都A「仰る通りです。」

 

 東京都が作った資料の中での文言を使って、技術会議の委員が提言したように見せ掛けたことにして、すり替えたのは明確に東京都の作為があると私も思います。だから最初にマッチポンプと書いたのはその為です。

 この後、この議員さんは豊洲市場の設計をした会社と東京都の間のメモ(議事録かな)の提出を求めました。基本設計段階での地下空間についての設計会社とのやり取りを求めたという事です。これに意味はあると思うんだけど、あんまり意味がないと思っています。東京都と外部の会社の問題ではなく、東京都内部の問題なんです、これは。あくまで東京都内の問題。それはこの後に書くけど、本質的に必要なのは東京都の中での地下空間の取り扱いです。根本的に勘違いをしてるんだよな、東京都の都議は。元々の設計に地下空間は無かったけど、専門家会議・技術会議で地下空間を作る必要が出た。でもその地下空間を両会議(議会などにも)に諮らずにこっそり作ったと都議さんたちは思ってるようです。でも私は東京都が専門家会議以前から、地下空間を仕様・設計、そして構想の初期段階から持っていた。当初計画通りに地下空間を作ったっていうだけの話だと考えています。その仮定で、専門家会議・技術会議の資料を読めば、傍証だらけなんだけどね。私も最初は経緯もわからずに両会議の資料を読んだんだけど、その上で導いた結論です。私はこれを確信しています。

 それでこの委員会の前日の10月6日も経済・港湾委員会が開かれており、豊洲市場について集中審議が行われていました。ここでも同じく、公明党の議員さんの質問しています。その中で施設整備担当部長の答弁について触れたいと思います。この公明の議員さんは7日の議員さんよりは大分と品下がってますな。大した質問では出来てません。質問の中で「全貌がだんだんわかってきました」的な自画自賛をされてましたけど。でも質問はほとんど検証報告書の内容の確認だったし。というか東京都の言う事に対して不信を持ってるのに、なぜそれを信用するのかと。役所の作るものだから信用するのは前提だけど、その前提から疑ってかかるべきだと思うんですけどね。検証報告書自体、ミスリードの塊だったし。端的にいえば検証報告書にある第一段階(平成20年から21年)以前について確認をするべきなんです。それ以前が無いならともかく、それ以前が10年以上、計画決定からだけでも5年はあるのに。だからそこを追求するべきなんです。本来は。書かないという事は、アヤシイと思うべきです。

 話戻って、その質疑の中での施設整備担当部長の答弁の表現。これに注目して次の私が編集した二つの動画見てみたいと思います。 

youtu.be

施設整備担当部長の答弁 その1

 平成23年に行いました基本設計業務において、そのモニタリング空間の在り方を検討をし、各種ライフラインの設置管理や市場の使い勝手の観点からモニタリング空間を地下に設ける案を纏めました

 

  基本設計において、モニタリング空間の在り方を検討しているときに、各種ライフラインの設置管理や市場の使い勝手の観点からモニタリング空間を地下に設ける案を作ったと。まず、ここで考えたいのが、各種ライフラインの設置管理についてです。仮に地下空間自体がこのモニタリング空間の検討以前にはなかったとしましょう。これが現在の都議の考え方です。だったらその各種ライフラインはどこに設置し、管理を東京都はどうするつもりだったんですか?地下空間が無いという事は、上水である水道や下水のライフラインは地上に置くことになります。それが可能かどうかの話です。まだ上水は可能かもしれません。でも下水はかなり難しい工事になります。水道はポンプで何とかなっても下水は難しいですよ。あれだけの大きな建物です。下水の本管の勾配だけでも相当な高さになります。また以前記事にコメントをいただいたHN:建築屋さんのコメントを一部紹介します。

また、上階の配管は、できるだけ直ぐに下階へ下ろすのが合理的です。例えば、トイレの汚水排水管を1階の天井内に水平に這わせたとします。その排水管が詰まったり破裂でもすれば大変です。1階に汚水と臭気が溢れます。ですから極力、直ぐに垂直に人のいる空間より下、つまり地下ピットへ通すのが理想です。万一、地下ピットで破裂しても人のいる空間より、遥かに被害は少ないです。

豊洲新市場 専門家会議における提言と検証の違いと豊洲問題の纏め - 粉屋の大阪to考想 コメント参照)

 こういう視点もあります。また同じコメントで、地下空間についてコメントをされています。

そこで、豊洲新市場の下調べもクソもないメディアと無知なコメンテーターの言う「地下空洞」について、説明をさせて下さい。
まず、地下に空洞があるのは、大規模公共建築であればあって当然のようなものです。これは、地下ピット若しくは配管ピットと呼びます。

ブログ内では、杭とジョイントする役割があるとの見解ですが、地下ピットは配管のメンテナンス・改修を行うためのメンテナンス空間です。
公共建築では、不特定多数の人が年中無休、終日利用されるため、メンテナンス空間と店舗空間などは分離するのが合理的です。病院などはその代表格です。工事を行うので休院してくださいと言っても出来ません。
また、メンテナンス空間と店舗などの空間が共存していた場合には、工事の仮囲いや夜間工事などが発生するため、都度改修費用が嵩む傾向にあります。

 私はこれらの考え方に完全に同意をします。

 だから都議は「各種ライフラインの設置管理や市場の使い勝手の観点」の意味について聞けばいいんですよ。

 「その各種ライフラインの設置管理は地下空間が無いのなら、どこに設置し、どう管理するつもりだったのか?

 これを聞けば、いいだけです。東京都がどう答えるのか楽しみですよ、本当に。あれだけの巨大な配管群を地上に設置するなら相当な面積を食います。普通の設計屋ならしませんし、優秀な東京都の建築部門がそんなことは考えないでしょう。

 では二つ目の答弁です。

 

youtu.be

施設整備担当部長の答弁 その2

 過去、この設計に携わっておりました担当者に聞いたところによりますと、当時の議論といたしましては水産卸売り場棟、水産仲卸売り場棟、青果棟、主要三棟に加工パッケージ棟を加えました四棟について、1階で食品を扱う売り場等が有りますため 万が一の場合、建物直下の土壌の確認や必要に応じて掘削等の作業を行えるようにする必要があるとの議論があったとのことです。
具体的には地下ピットをモニタリング空間として位置づけ、基礎梁の下端から地下ピット底面までの高さを概ね2メートル程度確保するとともに、小型の建設重機の為の搬入口を設ける必要があるといった議論だったと聞いております。なおこの地下空間は通常は設備配管スペースとして活用しておりまして、万一の場合は必要に応じて、この配管の切り回し等も行い、作業空間を確保するという議論も為されておったと聞いております。

 

 まず、この答弁での押さえておくべきは、「建物直下の土壌の確認や必要に応じて掘削等の作業を行えるようにする必要があるとの議論」が、いつ行われたかがわかないことです。官僚答弁にありがちですが、時系列をムチャクチャにして、ぶっこむのはよくあることです。この議論が専門家会議以前から議論されていたのか、千も可会議以降に議論されたのかがわからないんですよ。答弁では。話の筋としては専門家会議以降にはなるんです。聞いてる方が空気を読めばね。でも答弁にはっきりそうは答えてない。これが官僚答弁です。

 そして、赤字にしている「地下ピットをモニタリング空間として位置づけ」

 これ、もう答えを言ってるでしょう。

 

 地下ピットを

 モニタリング空間として

 位置づけ

 

 ているんです。検討したモニタリング空間があるから、そこを地下ピットにするんじゃないんです。「各種ライフラインの設置管理や市場の使い勝手の観点」という目的がある「地下ピット」を「モニタリング空間」として位置づけて=その目的を変えている(兼ねている)んです。専門家会議以前から地下空間が無いのであれば、この説明は次になります。

モニタリング空間を地下ピットとしても位置づけ」

こうなります。モニタリングをするために地下空間を作った。そしてその地下空間に各種ライフラインの設置管理などを行うための地下ピットにも兼ねることにした。こういう説明になります。でも実際の説明は逆です。地下ピットをモニタリング空間として位置づけているんです。「位置づける」という日本語は「AをBとして位置づける」とした場合は、Aは話の前提として存在してるんです。だからこの場合、都議が質問するのなら、

「その地下ピットは、いつの段階で計画に上がったのか?」

「地下ピット自体は、汚染対策やモニタリングが無い場合はどういう形の設計になっていたのか?」

って聞けばいいんです。それだけの話なんですよ。

もっと直接的に、

「地下空間は専門家会議以前に検討された事実はないのか?建物の仕様・設計上の要求で」

 と聞けばいいんです。汚染対策の為に地下空間を作ったわけではなく、建物の仕様・設計上の要求で地下空間を作ったのであって、汚染対策やモニタリングは副次的な目的です。「この地下空間は通常は設備配管スペースとして活用」とも言ってくれてるのにね。そのまま読めば、モニタリング空間の活用方法としての一つとして、配管スペースとしての活用と言ってるんです。だけど、主客逆に言ってるでしょ、これ。何度も書いていますが、官僚がよく使う「嘘ではないが、本当ではない」ことの一つだと捉えています。

 

  モニタリング空間の為に地下空間が必要で、その為に地下空間を作った。そんなわけないんです。モニタリングをするためには井戸が必要です。建物下にも井戸が要りますから、地下空間があれば便利です。でもそれだけの為にあんな広大な地下空間は作りませんよ。それも主要3棟分以外も作るわけですから3つ以上を作ることになります。仮に地下空間が無いとします。その場合、1Fの床に穴をあけてモニタリングをする井戸を作るとして、それに一本100万かかるとしましょう。それでも100本でたったの1億円です。10倍かかったとしても10億円です。3棟分の地下空間を作るのには数百億はかかります。そんなのどう考えても作るわけないでしょ?いやいや汚染対策や配管のメンテで地下空間が必要なんだという意見もあるでしょう。だったら専門家会議や技術会議の提言に関係なく、東京都の技術部門は最初の構想段階から地下空間を考えて、設計に盛り込みますよ。プロなんだから。よくよく考えて欲しい点は、東京都が専門家会議や技術会議の提言の為に、何百億もする設計変更・予算の増加を飲んで、地下空間を作ったりしないんですよ。そんな仕様・設計変更は認めません。そして、それだけ巨額の経費を黙って使うことに、東京都という巨大な組織が組織としてのOKを出すわけないんです。責任をその問題を引き起こしたところ以外もひっかぶるんだから。組織の意見として、地下空間に金を出す合理性が最初からあった。つまり最初から、構想の段階から地下空間の必要性は組織としての合意がとられていた。少なくとも建築部門にはあった。だから地下空間も予算に最初から盛り込まれていた。だから地下空間は作れたんです。それが専門家会議・技術会議を通して、予算の増額があったとしても元となる予算は存在してたんです。しかし組織の一部がそれに反した行動をとって(情報の伝達不足などで)しまって、情報の混乱を招き、この体たらく。っていうのが私の結論です。この話はそれだけの非常にシンプルな話でしょう。専門家会議・技術会議以降に地下空間を作った、設計変更をしたというややこしい話になぜなるのか、私には理解が出来ません。

 

 最後に。

 東京都で現在、豊洲市場関連で動いてる役人さんの多くには私は同情をします。まあ昔から係ってた人はどうでもいいですけど。今動いてる役人さん達は、過去の東京都の判断を尻ぬぐいさせられてるだけですから。何ともつらい話です。先に上げた東京都の委員会の動画もご覧になられたら判りますが、答弁する官僚、特に東京都Bは動揺しまくってて、逆にかわいそうに思うぐらいです。片棒を担いでるわけで、あの人にはあんまり同情はできないですけど。

 

 <おまけ>

 おまけでは、ちょっと芋ほりをしてみたいと思います。実際に芋を掘る訳ではなく、今回捏造されたとされるHPのページの過去の更新履歴を見てみようという話です。

Internet Archive: Digital Library of Free Books, Movies, Music & Wayback Machine

 上のHPは、調べたいHPの過去のページがアーカイブされているサイトになります。ここに調べたいページのリンクを放り込んで検索を掛けると、このサイトに保存されているそのHPの過去ページが表示されます。これを利用して、技術会議の資料がいつHP上に公開されてそれの第9回がどういった状態で公開をされていたのかを確認する作業になります。特段、目新しい発見もなかったので興味がある方だけお読みください。

 

 それで、実際に今回の捏造されたHPのリンクを放り込んだ結果が以下になります。

http://web.archive.org/web/*/http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/siryou/gijutsu_siryou/#kaigi09

 

 

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2016/10/7、2016/9/12,13の3ページが保存されています。少ないですね。

2016/9/12のぺージ

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2016/9/13のページ

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2016/10/7のページ

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10/7のページには 9/13にはない「技術会議報告書の構成(別添資料抜粋) (713.3KB)」のリンクが増えてますね。という訳で9/13~10/7の間に更新して捏造資料を追加したという事は確認できました。だから9/16というのは妥当なのかな。

 しかし三つのページしか過去履歴が無いって少ないなぁ。というわけで、上層のURLを調べてみると2011/4/6が最古みたいですね。

東京都中央卸売市場 | 豊洲新市場建設について | 会議資料・各種調査 結果(2011/4/6)

 

で、URLなんですが、技術会議の最新URLがこちら

http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/siryou/gijutsu_siryou/#kaigi11

 

最古2011/4/6のURLがこちら

http://web.archive.org/web/20110504001703/http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/siryou/gijutsu_siryou.html#kaigi11

 

HPのURLが直ページじゃなくてフォルダに切り替わってますね。

 

変更前URL: /siryou/gijutsu_siryou.html#kaigi11

変更後URL: /siryou/gijutsu_siryou/#kaigi11

 

これの切り替わった履歴が、2016/3/13。

http://web.archive.org/web/20160313172838/http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/siryou/

f:id:pankoya:20161009233304p:plain

 

 フォルダ形式になった履歴が、2016/4/12

http://web.archive.org/web/20160422175153/http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/siryou/

f:id:pankoya:20161009233313p:plain

 2016/3/13~4/12の間に更新したってことですね。なんでこんなことしてるんだろう?昔のHPなのに。まあ見やすくは、なってるんですけどね。予算でもついて変更になったのか。うーん。まあ細かいことが気になる性分なので^^; あんまり意味のないことかもしれないけど、引き続き調査をします。豊洲新市場のトップページで履歴を確認をすると、

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2016/3/29 

http://web.archive.org/web/20160329090108/http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu

 

f:id:pankoya:20161009234044p:plain

2016/4/23

http://web.archive.org/web/20160423001421/http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/

 

2016/3/29~4/12?(23)の間にHPのリニューアルがあったみたいです。2011年にもHPの更新があったのかな。

東京都中央卸売市場(2010/2/6 履歴)

技術会議のページです。シンプルですね。

豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議 資料(2010/7/26 履歴)

技術会議の一番最初の頃のページの第9回近辺が以下になります。

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http://web.archive.org/web/20081225093354/http://www.shijou.metro.tokyo.jp/gijutsu/gijutukaigi.html

f:id:pankoya:20161010001232p:plain

http://web.archive.org/web/20090523145219/http://www.shijou.metro.tokyo.jp/gijutsu/gijutukaigi.html

 

2008/12/25で第8回まで。2009/5/23で第12回までありますね。資料は別ページに2009/5/23から存在しています。

この「別ページへリンク」の最古の技術会議の資料のページが2009/6/24.

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http://web.archive.org/web/20090624084845/http://www.shijou.metro.tokyo.jp/gijutsu/gijutukaigi_siryo.html

2008/12/25~2009/5/23の間に技術会議の資料を公開する決断が東京都であって、HPに公開したものと思われます。この時の資料を見ると、最初に公開した時点から今回の捏造資料は公開されていないことが確認できました。第8回以前は、概要だけでHP上では詳しい資料は出していなかった。技術会議の第9回?~第12回以降のどこかで詳しい資料も、HPで公開をしたという事ですね。

 

以上でこの稿を終わります。