粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

妊婦検診リターンズ2021年版

さて、今回は妊婦検診について書いてみたいと思います。

妊婦検診とは何かですが、以下になります。

「正確には妊婦健康診査といい、妊婦さんの健康を守るために検診を公費負担により行うことが目的とした検診です。妊娠の届出を役所に行ったら、母子健康手帳の交付とともに、妊婦健診を公費の補助で受けられる受診券がもらえます。その検査内容は国が決めており、都道府県、市町村の事業費の負担の在り方や検診の内容は紆余曲折ありましたが、現在では全14回の健康診査を市町村が実施しています。」

という感じです。

 橋下さん以前以降の時期を書いた妊婦検診の記事は以下になりますので、ご興味がある方はご参照ください。

pankoya.hatenablog.com

ここでは2021年2月時点での現在の大阪市及び堺市、類例として和歌山市をはじめとした幾つかの市町村との比較をして、同じ行政サービスでもどう違ってくるのか?その違いからの妊婦検診という自治体の事業への考え方とそこからの違いという点について書いてみたいと思います。

  では、書いていきますが、まず堺市大阪市の原稿の妊婦検診事業における一人当たりの単価についての比較をしてみたいと思います。妊婦検診は様々な検査項目があり、厚生労働省により定められた検査項目を全14回の検診にそれぞれに振り分けて妊婦さんへの検診が行われます。そして現在ではそれにプラスアルファで検査を追加をしている市町村もありますし、厚生労働省が義務としてない検査項目を除外している市町村も現在ではごく少数ですがあります。東京都24区なんかがそうですね。意外かもしれませんが、東京都って貧しいんですよ、基礎行政。追々触れますが。

 

 大阪市堺市の比較の表が以下になります。

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 基本的な厚生労働省が定めた妊婦検診の項目は大阪市堺市も全て履行しています。検査項目が堺市堺市で違うように見えるかもしれませんが、それは14回の検診での検査項目を堺市は分散し、大阪市は集約しているからです。また大阪市堺市で比較した場合、違うのはそれぞれの自治体として追加している検診項目の違いがあります。ではその違いについてみていきます。

 堺市大阪市で比較した場合、大きな違いは毎回14回の基本的な妊婦健康診査である「問診及び診察、尿検査、血圧・体重測定、保健指導」(以下基本診査)になります。ここの単価の違いですね。堺市は5050円。大阪市は3750円です。ここの差し引きが1回あたり1300円。14回で×14で18200円の違いになります。大阪市堺市を比較したときに基本診査以外の各項目に違いはありません。例えば超音波検査の単価は4780円で堺市大阪市ともに同額です。貧血、血糖、B群溶接~、クラミジアなど皆同じようです。妊婦検診は自由診療ですが、点数で決まってるようなので同じ大阪府という事でその辺は同じのようですね(この辺はよくわかりませんが)で、堺市大阪市の違いのもう一つは堺市は初診料を2500円ほど、付加しているようです。また堺市大阪市の大きな違いは超音波検査を4回分、大阪市は増やしていることですね。

 

 

 これは吉村さんが大阪市長の時に増やした分になります。この費用と基本診査費用を差し引きすると2500円になります。大阪市は初診料をとってないみたいですね。この辺も自由診療なので医師会に飲んでもらえたらOKということなのでしょう。

 で、まあ大阪市の方が四回、超音波検査の回数が多くて8回受けれます。堺市は4回です。うちの娘ちゃんが今年、大阪市から堺市に転入してから妊娠したのですが、これ、4回分、2万円損していることになるんですよね。そのまま大阪市に籍を置いて大阪市から母子手帳を貰っていれば、4回分の2万円助かってたことになります。堺市産婦人科大阪市と同回数の8回をしようと思えば4回分は実費になりますから。逆に、大阪市に籍があって堺市が実家の人が里帰りで堺市産婦人科に診療を受けた場合、8回の超音波審査を無償で受けれます。大阪市から母子手帳を貰いますからね。堺市から母子手帳を貰ううちの娘ちゃんは、同じ産婦人科でも4回分は実費になります。ついこの前まで大阪市に住んでいたのに。税金も同じだけ払ってるのにね。不条理ですがこれが現在の行政になっています。

 で、堺市大阪市と同じように4回分の超音波検査が追加できないのかと言えばできると思うんですよね。基本診査の額を大阪市と同様にすればいいわけですから。そしたらその差額分に多少プラスするか初診料をなくして貰えば、大阪市と同じ形になります。この堺市の1300円は何かというとはっきりはわかりませんが、議会での役所の答弁と他の自治体を見るに「外来栄養食事指導料」として上げたみたいです。時期は平成28年4月からになります。大阪市はこれをしてないことになりますね。これは厚生労働省の指定項目にはない項目になります。算定条件は以下。

 

保険医療機関の管理栄養士が医師の指示に基づき、患者ごとにその生活条件、し好を勘案した食事計画案等を必要に応じて交付し、初回にあっては概ね15分以上、2回目以降にあっては概ね20分以上、療養のため必要な栄養の指導を行った場合に算定する

 

こういう指導をいただけると。やってんのかな?これをするのなら+4回の超音波検査の方がいいように思いますけどね。「特定疾病療養管理料」というのは大阪市堺市で基本診査に含まれてるのですが「医師が治療に当たり、日常生活での食事や運動、睡眠または嗜好品など生活習慣に対して気をつけることを、患者さんごとに分かりやすく指導及び管理」する費用はついてるんですよね。具体的にどう変わったのか、大阪市の人とどう差異をつけてるのか知りたいとこです、堺市産婦人科は。

 で、これ大阪市がおかしいわけではなく、また堺市がおかしいわけでもありません。まあ堺市はおかしいんちゃうんかとは私は思ってますし、これを決めた時の市長が大阪府なんちゃら医師連盟から献金やらパー券やら買って貰ってたからちゃうかとかは思いませんが(思いませんよ?)、大阪府下で割と多くの市町村が「5050円」だったりします。

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前に大阪府下の妊婦検診の額を調べた時のものが上の表になります。大まかに分けて、北摂大和川以南で2種類の値段があるのがおもろいですね。この辺の値段は自由診療という事もあり、まちまちです。例えば和歌山市ですが、基本診査は3000円です。総額は116,790円で大阪とほぼ変わりませんが、違いは+2回の超音波検査(計6回)と産後に検診が一回ついてますね。産後の産婦健康診査は制度化されてるのですが、どう違うのかはわかりませんが1回ついてます。差分を引いた和歌山市総額は101,790円。大阪市が4回の超音波検査を引いた額が98,380円なのでまあ似たとこなのかなと。和歌山って数年前まで「和歌山県」が各市町村を抑えてて横並びだったんですよ。元々、都道府県の事業でしたから。昔は8万円無かったし、検査項目も貧しかった。それが変わってておもろいですね。これもある市が超音波検査を独自に追加して崩れたみたいだけど。
 で、東京ですが世田谷区と北区だけ見てみたんですが85460円ですね。超音波検査も二回やし。全然変わらない。東京都が上で額を横並びにしてるから24区は。東京都の特別区って貧しいですよ、ほんまに。予算は潤沢にあるみたいですけど。基礎行政に金を掛けなくても人は集まってくるんだから、そら基礎(住民)に予算は掛けないよね。

 この妊婦検診の「無償化」ですが、

 

大阪市は「(一部制限はあるが)全国どこでも無償」です。

堺市は「大阪府内は無償」です。

和歌山市は「妊産婦健康診査費用の一部を公費負担」です。

 

 市町村により対応はバラバラです。これらの違いは何かというと①の大阪市大阪府内、全国で大阪市の妊婦検診の券を出せばどこでも無償です。その大阪府内の医師会などと大阪市の額でできるよう大阪市が契約をします。そして、里帰り出産で大阪府外の産婦人科で受診しても大阪市がその受診する府外の産婦人科と交渉して大阪市の額でできるよう委託契約を個別に結びます。(大阪府内、神戸市を除く兵庫県内、奈良県内、滋賀県内、京都府内はほぼ全て結べてます)結べなかったところは償還払い、いわゆる出産後に後払いになります。差分が出れば有償です。②の堺市は府内は契約をするので無償です。府外は償還払いです。同じく差分が出れば有償です。③は「金券」です。例えば1万円ならその回の妊婦検査が1万円という産婦人科なら「無償」になります。これが1万1千円をとる産婦人科なら妊婦さんは券と千円を出すことになり、千円の有償になります。私が調べた範囲でこれが多いですね。大体、我がの市町村にある産婦人科と契約をしてればいいほうで、大体、一部有償が出ます。

 

 地域差が出るのが地方自治のあるべき姿なのですが、それが色んな団体の影響によりねじ曲がってるのであれば、それを是正するのが政治であり、維新の政治なのだと私は思います。ここまで書いて何がいいたいかというと4回分、超音波検査を堺市でもつけてくれんかなーとかは思うわけですよ(笑 いや、ほんまに。単純に損やからね。そしてね、ほんまに必要なのかどうかもわからない項目をつけてね、これ、2割くらい大阪市堺市を比べても個人単価違うわけで。それだけで億単位の予算の違いになりますからね。これが妊婦検診だけですんでるわけもなく。様々な公的な検査で予算がどう使われてるのか。ほんまにこの辺を調べて市町村を水平に並べて数字を出してほしいのよね、維新には。党がファクトチェックをするなら本質はそこやと思うんやけど。維新が党としてするのならね。単体で一つの市を見ても比較にならないし、反論にならないのよ。他と比べてなんぼやと思います、「党としてのファクトチェック」は。

  

<参考URL>

大阪市:妊婦健康診査 (…>健診・予防接種>お母さんの健康診査)

・大阪市:大阪市妊婦健康診査費助成金交付要綱 (…>こども青少年局>要綱)

https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/cmsfiles/contents/0000201/201846/beppyou.pdf

・妊婦健康診査・新生児聴覚検査府外個別委託契約一覧(大阪市

https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/cmsfiles/contents/0000160/160790/0104.pdf

妊婦健康診査 堺市

・紀宝町妊婦一般健康診査実施要綱

和歌山市妊婦健康診査項目及び限度額

http://www.city.wakayama.wakayama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/001/747/menu_1/gyousei/kenkou/tiikihoken/ninpukenshin_futan/download/gendogakuH2912.pdf

平成28年度診療報酬改定について 厚生労働省保険局医療課

https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/02.pdf

妊婦健康診査の公費負担の状況にかかる調査結果について |報道発表資料|厚生労働省

妊娠中・産婦の方へ(里帰り出産等の妊婦健康診査費用の助成金)|東京都北区

妊婦健康診査について | 世田谷区ホームページ