粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

大都市制度(特別区設置)協議会 第2回概要 ~総合区の報告~

都市制度(特別区設置)協議会(以下協議会)の第1回(平成29年6月27日)から最終回(は、まだですけども)までの各回の議事録及び資料を纏めていきたいと思います。

 今回は二回目(平成29年8月29日)、「総合区素案について(報告)」になります。 

  大阪府/第2回大都市制度(特別区設置)協議会

  第二回を通して、協議会の事務局からの現状までの総合区案の説明(報告)に終始しています。議員(協議会委員)側からの質問もなく、説明が終わった時点で終わりという回でした。まあそういう段取りですると代表者会議で決めてるから仕方ない。だからまああまり書くこともない^^;

 大阪市における総合区の検討状況のまとめはこちらです

 

www.city.osaka.lg.jp

  基本的にこの第2回の協議会での報告内容は、この大阪市のページの資料を基に報告しているような形です。話を少しそれますが、この大阪市の総合区関連ページで区長会議があるのですが、「平成29年3月3日 区長会議」の資料は色々面白いので、総合区に興味がある人は目を通しておいて損はありません。特に、

 

2-5 区長会議資料(参考資料4)(PDF形式, 4.43MB) 鉄道・市営施設関連の資料

 

 話し戻して、個人的に大阪市における総合区制度素案について思うことはありません。総合区という制度を目一杯使ってるなぁ、というところです。結局、総合区の問題点というのは何かというと、総合区長を公選で選べないことです。公選で選ばれていない人間に対して、市の予算権限を完全に渡すことはできません。例えば、大阪市長が副市長に市長権限を全て委譲して「任期満了までハワイで過ごすわ。じゃ!」って仕事に来ないなんてことは許されません。吉村さんはアロハ、似合いそうだけどもw まあ結局、そこの権限の委譲、予算権をどこまで認めれるのかがネックになり、総合区自体の制度はかなり中途半端なものです。ただ私はこの総合区という制度を作った国の役人や今回の総合区の素案を作った大阪市役所がぼんくらだと言ってるのではありません。この総合区制度というのは制度としての概略だけを国で決めて、後の細かい制度・運用は総合区を取り入れる政令市で勝手に決めなよ、それが地方自治というものだろう、っていう制度です。だから枠内では柔軟な運用はできるのですが、その枠を国が決めているためにかえって不自由でいびつな制度になってるんです。結局、現状の政令指定都市における行政区の問題を少し緩和しましょうという立ち位置にしか総合区はならず、都構想のような都市問題の根本的解決には至れないのです。特に大阪のような地域では。

 で、第2回での報告内容をつらっと書いておくと、まあ先に書いたように想像の範囲以上の物ではありません。それで終わっても仕方ないので、まず区割りから行きたいと思います。

 

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 区割りは8区に纏めて、各区の人口は30万台で纏めています。20年後の人口推計で、30万前後に減っても制度的に維持できるという考え方ですね。

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 総合区導入に際し、総合区長・区の政策立案能力を高める・事務数の増加のために総合区方面の人員を増員し、その分本体の市役所本体の職員数は減らす。予算は現状の行政区(大阪市)から総合区へ移される事務(仕事)が増える分、予算を増やし、総合区長の使える予算枠も増やして裁量権を持たすということになります。

 

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 総合区における住民意見を取り入れる場として総合区政会議、地域協議会を設置して市政・区政に反映すると。これらの区政会議、地域協議会の委員の要件は以下。

構成:地域団体から推薦された委員
   公募委員
   学識経験者等
○ 任期:2年
○ 人数:10人以上50人以下の範囲内
○ 報酬:報酬を支給しない

 違いとしては区政会議は住所要件はなし。地域協議会は有り。総合区制会議はその総合区全体の施策や事業について意見を述べ、地域協議会は現行政区の範囲で意見を、って感じみたいですね。今の制度でも区政会議はあるのですが、大きな違いとして「建議」ができるようになります。基本的に今の区政会議は区長側から「こんな案件があるんだけどどう思う?」という区長側からの諮問機関としての位置づけしかありません。総合区で導入されるこの二つの会議体は「建議」機能を持ち、区政会議及び地域協議会側から総合区長・大阪市長に意見を上申することができるようになります。双方向になるということですね。

 

 簡単に纏めましたがこんな感じです。総合区案として大阪市がまとめたこれらの素案の中身を私は高く評価しています。この総合区案は現行の制度内で最も充実した内容になっていますので。ただやはり総合区は特別区制度に比べると食い足りないのが本音です。結局、大阪市長の裁量で動き、それは大阪市役所の裁量で動く部分が多分にあるためです。現行の行政区よりだいぶとましではあるものの、という点がやはり解決できない。そこを何とかするにはやはり都構想しかないな、というのが私の現時点での結論です。これで終わります。

 

pankoya.hatenablog.com

 総合区関連で私は4本、記事を書いてますのでご興味がある方はどうぞ。