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粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

日本維新の会:目指せ法案100本提出 その4 公職に係る二重国籍禁止法案 (蓮舫法案)

維新100本法案

o-ishin.jp

 日本維新の会が秋の臨時国会で100本の法案を提出します。これらの疑問に思った事やこれはいい、と思う点を書いていきます。基本的に維新の資料を見ただけで書くので、勘違いもあろうかと思います。その点、ご指摘頂ければ幸いです。

  

第4回目は公職に係る二重国籍禁止法案、通称 蓮舫法案です。

  

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 蓮舫さんの二重国籍問題を受けての法改正ですね。

 

 国会議員の被選挙権で外国籍を有する者は被選挙を有しない。選挙の時に選挙公報外国籍得喪の履歴を書かなければいけないようにする、ということですね。では条文を見てみたいと思います。

 

 第十一条の二に次の一項を加える。
2 外国の国籍を有する日本国民(国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第十四条第一項の規定により国籍の選択をしなければならない期間内にある者及び同条第二項に規定する選択の宣言をした者を除く。)は、衆議院議員及び参議院議員の被選挙権を有しない。

 

 基本的に改正ポイントとしては簡単ですね。外国籍を有する日本国民は被選挙を有しないという事です。選挙公報への記載など、特に問題は感じません。ただ個人的に気になるのは、期間ですね。期間というのは、国籍を有してから被選挙権を得るまでの猶予期間です。例えば、アメリカの連邦議会は上院議員の被選挙権年齢は 30 歳以上、9 年以上合衆国市民で、選挙される時に選出される州の住民でなければなりません。下院議員の被選挙権年齢は 25 歳以上、7 年以上合衆国市民で、選挙される時に選出される州の住民でなければならないとされています。

アメリカ連邦議会議員選挙制度 ―中間選挙をめぐる課題―

 別にアメリカに倣えという気はないんですが、例えば国籍取得→立候補というのは何か違う気がするんですよね。帰化するのはなかなか厳しいらしいですが、日本人と結婚→国籍取得→即立候補。これが可能なわけです。この維新の改正案でも。それって二重国籍状態と何が違うのか?という点で個人的に消化できない点です。血統主義って言われそうだけど。

 戦前の旧国籍法においては、帰化した者に対して国務大臣その他国家の重要な官職につく資格を制限していました。これは現行憲法の精神に反しますし、個人的にも反対です。ただやはりある程度の猶予期間は必要なのではないかと思うんですよね。無茶苦茶な仮定ですが、例えば日本国籍取得の翌日に、即立候補、当選からの首相で、日本人になって1カ月掛からずでの首相も可能なわけです。可能性だけの話ですけどね。

 この二重国籍のことについて、参議院会議録情報 第101回国会 法務委員会 第10号(昭59.8.2) で、質問があったのでそれの気になった部分を紹介します。

 

○飯田忠雄君 理論的にそういうことがあり得るというお話でございましたが、それではそれでいいんですが、旧国籍法、明治三十二年法律第六十六号というのがございますが、その旧国籍法の第十六条は帰化人、その子、日本人の養子、入夫、こういう者が国務大臣とか大審院長、会計検査院長帝国議会の議員となることを制限しておるわけです。こういう規定を旧国籍法が定めた理由はどういう理由であるとお考えになっておるでしょうか、お尋ねします。これは法務省自治省どっちでもいいです。
○政府委員(枇杷田泰助君) 旧国籍法の十六条にただいま御指摘のような条文があるわけでございますが、これは国の重要な意思決定あるいは国権の重要な作用を担当する者につきましては、かつて外国人であったという方については適当でないということを考えてこういう規定を設けただろうと思います。そのようなかつて外国人であった者については適当でないという考え方は、まだ十分に日本人になり切っていないのではないかという危惧がある、そういう者が国の意思を決める重要な地位に立つというふうなことは若干危険ではないかというような発想からこのような規定が設けられたというふうに古い書物などには書いておるところでございます。私どももそういうことで置かれた規定であろうというふうに想像いたしております。

 

 まあ永久になれないというのも違うだろうというとこですね。

 

○飯田忠雄君 それでは、現在の我が国の国情から言いまして二重国籍者、これは前は外国人、まあ前は外国人じゃないとしても現在同時に外国人である、そういう人ですね。日本人であると同時に外国人であるという場合に、旧国籍法で心配されたようなことがないと言い得るかどうか、大変疑問が存在すると思いますが、この点についてはいかがお考えですか。これは法務省にお尋ねします。
○政府委員(枇杷田泰助君) 旧国籍法にはただいま御指摘のような規定がございましたけれども、現在の国籍法にはそのような規定は設けられておりません。さらに二重国籍がふえることになるであろうというふうな予想をしておりますこのたびの改正法におきましても、このような規定を設けることをしておらないわけでございます。それは旧国籍法のようなそういう危惧の念というものをこれは持つ必要はないだろう、殊に非常に民主主義というものが強く打ち出されました新憲法下におきましては、そのようなもし他国籍もあわせ持つ者とか、あるいはかつて外国人であった方であっても、これは要するに国民の意思、そういうようなものによって重要な国権の作用を果たす者が選ばれていくということでありますから、そういうところで実質的にチェックできるであろうというふうなことも考慮されているところだと思いますが、現在ではそういうような危惧を法律上とる必要はないという立場にあるものと考えております。

 

 選挙でチェックできるだろう、というのが法律上の立場なのかな。橋下さんの考えに近い答弁ですね。

 

飯田忠雄君 二重国籍ということは、御承知のように現在日本人であると同時に外国人だと、こういうことですね。日本人と外国人とが同居しているわけなんですが、人間の心というものはなかなか外からわからないんです。日本人と外国人が同居している場合に、その人の心は日本人なのか外国の方を向いているのかはっきりしないでしょう。そういうはっきりしない人が我が国の総理大臣になる、国会議員になるということでいいのかどうか、日本の政治を左右することになることが、それで日本の国家主権は守られるかという問題に関連するんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(枇杷田泰助君) 確かに国の重要な地位に立つということは、国の将来をも決めるようなそういう意思決定をする立場にあるわけでございますので、したがいまして、日本の国というものを考え、そして日本の国民全体が連帯意識を持つ、そういうような考え方の強い方が望ましいことは当然だろうと思います。それを二重国籍者であるからといって、当然にそういう考え方がないだろうというふうに一つのパターンを決めて法律上制限をするということまでは必要ないだろう、それは日本国籍を持っておられる方であっても、場合によっては今申し上げましたような点においては十分でないという方もおられるかもしれません。ですから、それは個々の方の問題であって、法律的に一つのパターンを決めて、そしてある資格を奪うというふうなことはいかがなものであろうかというのが現行法の考え方でございます。

 

 うーん。まあこういう考え方なのか。妥当かな。

 

○飯田忠雄君 二重国籍者は日本の国籍の選択宣言をすることになりますね。そういう選択宣言をしないで二重国籍のままでおるという場合、外国の国籍を離脱する手続をとらないような人、こういう人について今度の国籍法はどうなっておりますか。
○政府委員(枇杷田泰助君) 御承知のとおり、今度の改正法におきましては選択の宣言をした人は外国の方の国籍の離脱に努めなければならないと規定いたしておりますが、しかし外国の国籍の方を離脱できるかどうかはこれは当該外国の国籍法の規定によって左右されるわけでございます。そういうことでございますので、離脱しなければそれによって直ちに日本の国籍の方を喪失させるとかというような効力を認めるということは適当ではございません。したがいまして、御本人の努力と、それから各国の法制とによってなるべく外国の国籍を早期に離脱するようにということを期待するということにとどめております。それ以上のことは酷なことにもなりますので、改正法におきましても要求はしておらないところでございます。

 

 選択宣言については答えてないですね。離脱手続きについては答えてるけど。

 

 そこで、二重国籍者に被選挙権を無制限で認めるということは政治上障害が起こらないと合理的に判断させる根拠がありますか、お尋ねします。これは今法務省ばかりお尋ねしましたので、自治省のお方と内閣法制局のお方に御答弁を願います。
○説明員(浅野大三郎君) 被選挙権につきましては公職選挙法第十条で規定しているわけでございまして、一定年齢以上の日本国民は衆議院議員または参議院議員の被選挙権を有するということを定めております。一方で二重国籍の者を排除するという規定もございませんから、日本国籍のほか他の国の国籍を有する二重国籍者が国会議員となるということも現行法上可能ということになっております。
 お尋ねは、一体それで政治上障害が起こらないという合理的理由があるかどうかということでございますが、大変難しい問題でございます。ただ、私どもといたしましては、これまでのところそういう二重国籍者が選挙権を行使する、あるいは選挙によって選ばれる、公職についたことにょりまして何らかの障害が生じたという事例は承知しておらないところでございます。

 

 何だこの答弁w 事例がないからわからんってのもなぁ。まあ昔の答弁ですけど、現行法は可能なわけか。

 

○飯田忠雄君 
 ここでちょっと断っておかなければいけませんが、私がこの問題を論議するのは、現実に現在参議院議員であったり衆議院議員であったり、あるいは県会議員であったり市会議員である人のことは言うておるのではありませんよ。現在議員になっておられる方は有効に立候補届けをして、それを国の機関が有効な届けとして受け付け、合憲的な選挙を行った上当選してこられた方です。そういう方はそれだけでもう資格があるのであって、たとえ公職選挙法の解釈が私の解釈のように、もう有罪判決があれば資格がないという解釈が成り立ったとしても現在の人には適用にならない。それはそういう法律の解釈よりも国民の意思によって合憲的に行われた選挙の方が強いからです。だから、そういう人について私は今資格がないと言うておるんじゃありませんよ。これまず断っておきませんと皆さん答弁が非常に慎重になってしまうからね。私は断っておきますが、――ああ、これはいかぬ。時間が来ちゃった。もうこの次にやります。時間が参りましたので、きょうはこれで終わります。

 

これも一つの考え方なんだよなぁ。有権者の判断が現行法より上位に来る。

 

 蓮舫さんの件は、私は国籍法の国籍離脱の過程を遵守したのか?というだけの話だと思っています。それにより国籍を離脱できたかはどうかは別にして。その辺をきっちり、示してくれればいいだけの話なんですけど、どうもやらない感じですね。なんともです。

 

<参考文献>

重国籍と国籍唯一の原則 ~欧州の対応と我が国の状況~

参議院会議録情報 第101回国会 法務委員会 第10号

 

<おまけ>

蓮舫さんは、参議院議員です。立候補する際に必要な書類についてちょっと調べてみました。

 

参議院議員の立候補届様式(青森県

http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/senkan/files/23sangi-todoke_honnin.pdf

候補届出の際に必ず必要なもの(ない場合は立候補届出が受け付けられないもの)はまず以下の四つが必須で、法令で義務付けられています。

1.候補者届出書
2.供託証明書
3.宣誓書
4.戸籍謄(抄)本又は全部(一部)事項証明書

 

1.の「候補者届出書」は立候補届出の基本的なもので当然に必要です。

2.~4.の書類は立候補届出の添付書類として法令で定められたもので、「供託証明書」は供託所である法務局に法定の金額を供託したことの証明書です。「宣誓書」は、候補者となることができない者ではないことを宣誓する文書です。「戸籍謄(抄)本」については、本人のものがあれば構わないので抄本でOKみたいです。(選挙、選管によっては住民票も必要のようです。これは義務ではないけど、要求してる選管はありました。)最近は戸籍が電算化され、戸籍謄本は「全部事項証明書」、戸籍抄本は「一部事項証明書」に代えて発行する市町村が多いようです。
これらの文書は、立候補届出において提出が義務付けされていますので、どれか一つでも揃っていないようだと、届出に不備があるということで立候補を受付けられなくなります。

 

1、2はまあいいんですけど、まず3の誓約書ですね。この誓約書は、立候補者自身が選挙で候補者になれることを誓約するものです。公職選挙法に触れるような過去はないことを誓うというものですね。この誓約書は公職選挙法第86条の8第1項、第87条第1項、第87条の2、第251条の2又は第251条の3の規定により、必要になっています。

 

(被選挙権のない者等の立候補の禁止)
第八十六条の八  第十一条第一項、第十一条の二若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法第二十八条 の規定により被選挙権を有しない者は、公職の候補者となり、又は公職の候補者であることができない

(重複立候補等の禁止)
第八十七条 

(総括主宰者、出納責任者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止)

第二百五十一条の二

(組織的選挙運動管理者等の選挙犯罪による公職の候補者等であつた者の当選無効及び立候補の禁止)
第二百五十一条の三

 

(選挙権及び被選挙権を有しない者)
第十一条

(被選挙権を有しない者)
第十一条の二 

(選挙犯罪による処刑者に対する選挙権及び被選挙権の停止)

第二百五十二条

(推薦団体の選挙運動の規制違反)
第二百五十二条の二

(政党その他の政治活動を行う団体の政治活動の規制違反)
第二百五十二条の三

 

これらが誓約書の規定になるんですが、この辺は全部、過去に選挙違反、政治資金規正法違反などで被選挙権を停止された、犯罪を起こしたなどで被選挙権が停止をしていないかを確認するためのものです。だから蓮舫さん自身が、立候補したことで問えるのは二重国籍かどうか?という個人的な問題だけで、公職としての罪は問えないのかな?少なくとも立候補は不問になるのかなぁ。第十条(被選挙権)のところが引っ掛かるとは思うんですけど。日本は二重国籍は認めてませんからね。

 

(被選挙権)
第十条  日本国民は、左の各号の区分に従い、それぞれ当該議員又は長の被選挙権を有する。

 

 第十一条の二に次の一項を加える。
2 外国の国籍を有する日本国民(国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第十四条第一項の規定により国籍の選択をしなければならない期間内にある者及び同条第二項に規定する選択の宣言をした者を除く。)は、衆議院議員及び参議院議員の被選挙権を有しない。

 

国籍法

(国籍の選択)
第十四条  外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
2  日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法 の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。

 

だからこそ、上の維新の改正案ではっきりと被選挙権を有しないことを明記したわけですね。これの一項が入ることで、二重国籍者が出す立候補時の誓約書が虚偽記載になるわけです。仮に選管の事前検査をすり抜けて(ないでしょうけど)二重国籍者が当選しても当選無効になるわけですね。

 

 戸籍謄(抄)本又は全部(一部)事項証明書を立候補するときに蓮舫さんは出しているわけだけど。本当に公開をすればいいのになぁ。というかこれって事前審査をするわけだけど、東京都の選管は蓮舫さんの戸籍を見てるんだよね。

agora-web.jp

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 「国籍選択の宣言日」。これの記載があったのかどうか。ふーむ。ていうか、東京都の選管には蓮舫さんの戸籍があるはずですよね。立候補届一式。これの開示請求って掛けれるのかな。

 

衆議院議員比例代表選出議員選挙東海選挙区における特定政党の衆議院名簿届出書類一式の一部開示決定に関する件(平成17年諮問第382号)

 (2)文書⑧のうち,氏名及び本籍の都道府県名の部分以外の記載事項
文書⑧には,衆議院名簿登載者である本人又は本人と世帯員の本籍,氏名,出生年月日,父母続柄,配偶者区分,出生等が記載されており,全体として衆議院名簿登載者等の個人に関する情報であり,法5条1号の特定の個人を識別することができるものに該当すると認められる。このうち,不開示とされている,衆議院名簿登載者本人の氏名,本籍の都道府県名の部分及び生年月日を除く記載事項について,法5条1号ただし書イ該当性を検討すると,当該記載事項については,これを公にし,又は公にすることが予定されている情報とすべき法令の規定も慣行も存しないものと認められ,同号ただし書イに該当しない。また,同号ただし書ロ及びハに該当する事情も存しない。
ただし,当該記載事項中,本人の名を記載した部分については,既に本人の氏名が開示されているので,法5条1号ただし書イに該当する。以上のことから,文書⑧のうち,諮問庁が,なお不開示とすべきとしている部分(衆議院名簿登載者本人の氏名,本籍のうち都道府県名の部分及び生年月日以外の記載事項)については,戸籍謄本又は抄本上の本人の名は,法5条1号の不開示情報に該当せず,開示すべきであるが,その他は,同条1号の不開示情報に該当し,不開示とすることが妥当である。 

 

 立候補届一式の開示を求める情報公開・個人情報保護審査会の 答申が上のものです。この件の経緯はわからないのですが、文書⑧=提出した戸籍 に関しては、仮に開示を掛けたとしても黒塗りになってそうですね。

 

<追加:公開直後>

www.sankei.com

 

民進党蓮舫代表は15日、日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」問題について、都内の区役所に提出した台湾籍の離脱証明書が受理されなかったことを明らかにし、戸籍法に基づき「(日本国籍の)選択宣言をした」と述べた。都内で記者団の取材に答えた。

 蓮舫氏は記者団に「不受理なのでどうすればいいかと相談したら、強く(日本国籍の)選択の宣言をするよう行政指導されたので選択宣言をした」と述べた。

 

 あらら。国籍法でいかれそうですねぇ。議員辞職は・・・。公職選挙法の方の適用だろうなぁ。さてどうなるやら。