粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

豊洲新市場 専門家会議における提言と検証の違いと豊洲問題の纏め

 今回は豊洲新市場における「豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議」(以下専門家会議)の役割を書きます。豊洲関係では三回目ですね。また専門家会議において、今、話題になっている建物の地下にある謎の空間(以下地下構造物)が専門家会議でどう扱われていたかについて書きます。 

 他にはおまけの方で、都議が水を取ってはしゃいでることへの批判なども併せて書きます。

 

1.建物の地下にある地下構造物が専門家会議でどう扱われていたか?

 

 まず、こちらから書きたいと思います。その前に地下構造物について、自分の解釈を書いておきます。素人が何言ってんねんって話ですが、まあ聞いてください。あの地下構造物は基礎みたいなもんです。基礎みたいなものっていうのは中途半端な表現ですが、杭と建物を連結するパーツ(ジョイント)、建物を支持する構造体みたいな感じで捉えたらいいと思います。基本的に豊洲新市場の各建物(棟)は、岩盤まで杭を打ち込んで、その杭の上に建物が載っています。でも建物を直接、杭の上に載せることはできませんからね。例えると机の脚を杭としたら、四本の机の脚だけでその上に物を載せると不安定です。四本の足に天板を付けて机の形にすれば、その上に載るものは安定します。そういった意味で、杭と建物の間があの地下構造物は机の天板みたいなものです。だからあれは設計上、必要なんです。で、副次的な目的として、汚染・液状化対策にも使っているというのが前回の記事になります。 

 

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 簡単な構造が上になります。下手くそな絵ですいません。岩盤に杭を立てて、地下構造物に杭がつながり、その上に建物があるということです。これで、建物が地盤沈下しないように、そして地震への対策になってるわけです。

 地下構造物は盛土された部分、4.5mの部分を使ってます。それで「建物下には盛土のはずだ。どういう事だ!」とかでマスコミを賑やかしてるわけです。でもね、よくよく考えてください。地下構造物が無かったら、杭と建物を直接つなげることになるんですよ?この絵は杭を二本しか書いてませんが、凄まじく太い、数十本以上の杭の群れが支えてます。そんなもの、建物がもつわけないじゃないですか。あの巨大な建物を建物自体の強度で支えるのは大変ですよ。建物の自重で撓みますからね。だから地下構造物(机)で支えて、強度を得るわけです。仮にやるとしたら地下構造物の強度を建物でカバーするしかありません。天板並みの強度を載せるもの(建物)にもたせるわけです。まあ、できないこともないかもしれません。日本の技術だしね。とても考えにくいですけども。単純に強度を考えても建物部分の柱や梁を全て倍の太さにしないといけないとかになりそうだし。(昭和の頃のマンションみたいな感じですな)配管などは地下を通す場面もありますし、そういったものも地上で全て収容するわけですから、単純にそれだけフロアー面積を取っちゃいます。地下があれば、建物の強度は地下に任せることができるし、配管などもすべて地下に収容すればいい。だから地下構造物、ピットがある方がいいんですよ。設計自体も一体型よりは楽になるでしょうしね。楽になる=安くなるってことですし。でもまあ、盛土の問題もあるしで、もし仮に一体型をやったとしましょうで以下の図です。

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  杭が直接、棟についてる形です。でも専門家会議の原則通り、建物下に盛土100%をしないといけない。そしたら4.5mの赤い部分の杭。これも地下構造物と同じ扱いになるんですよ。という事はこの赤い部分の杭も除去しないといけない。そしたら何で建物を支えるんですか?

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 こんな感じに杭を切ったら、建物はすぐに地盤沈下をして早晩、杭のある4.5m下まで沈下します。二階が地面と同じ高さになって、一階になってしまいますね。じゃあ1Fだった部分を地下という事にしよう。だったら今の設計と同じなんですよ。4.5mの部分に建物があることになるだけですから。だから建物下に盛土を100%しないといけないっていう話は、そもそもナンセンスなんです。だから記者とかも専門家会議に聞いたらいいんですよ。「杭は地下構造物に入りますか?」「杭もダメなんですか?」「バナナはおやつに入りますか?」って。本当に馬鹿げた話なんです。盛土100%をやるのなら豊洲の空にでも、新市場を浮かすぐらいしかありません。

「天空の市場トヨス!」

バルス!」

 これがぐらいに馬鹿げた話なんですよ、盛土100%の話はね。地面にベタ置きなんてプレハブぐらいです。最近のプレハブも基礎は置きますけど。だからこれ以降は、地下構造物は計画当初から存在していたという立場で私は書きます。

 なんでこんなバカな話になってるかというと、東京都が前の記事に書いたようにチョンボをしたからです。単純に専門家会議で次の諮問をしてればよかったんです。

「建物以外は盛土、建物下は地下構造物がある形で対策を提言してください」

これで済んでた話なんです。

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上の図は専門会議の提言で使われた図です。建物下は盛土と説明してた為にこの騒ぎです。この諮問をしてたら次のようになっていたでしょう。

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 (上の図は私が改変したものです。)

 単純にこうなってただけです。地下構造物が地下に4.5mありますよっていうだけの話で済んでいたはずです。盛土はどうなるんだ?という話ですが、盛土自体の意味は地下水に含まれたベンジンなどが気化して、地上に上がってくる間に盛土で吸収するためのものです。においを吸収する消臭剤みたいなのがありますけど、あれの役割です。そして地下構造物があるのならそれを避けて、地下構造物の周りの盛土を通って、気化したものが上がっていくだけです。豊洲の土壌は徹底的に汚染対策を施して、完全に綺麗になっています。少なくとも環境基準を超えるものは現在も検出されていません。だから地下水から気化したものにも基準以上の有毒物質は含まれているわけではないですが、可能性としては0ではありません。人間のやることですし、自然が相手です。また検査漏れの可能性はありますからね。ただその可能性もほぼないんですよ。後述しますが、凄まじい対策を東京都はしてますから。ただ汚染対策したとはいえ、残っている可能性は0ではない。だからそれに備えた措置なんです。でも汚染されたものが地上に出て、市場に流れ込むのは最悪の事態です。だからそれに対する最終的な備えです。そして仮に地上近くまで気化したものが上がってきたとしても、分厚いアスファルトやコンクリート床で最終的に蓋をして塞ぐという形になっています。そしてそれを乗り越えて上がってきても無害レベルになるまで、汚染対策工事をしてるんです。だからどう転んでも有害なレベルのものが地上に出てくることはありません。この図で言えばA.P+2.0mのところが地下水のあるラインになります。このラインより上に50cmの砕石層を設けて、毛細管現象により地下水が上がってくるのを封じる。そしてその上に盛土をA.P+6.5mまで、4.5m分の盛土を積み上げ、気化したものを塞ぐという事になっています。だからもしこの諮問さえしていれば、地下構造物は完全密封、防水にしておくこと。ぐらいで話は済んでいたでしょう。それで気化したものは地下空間に入らないわけです。なんなら地下構造物内に、もし汚染された何かが入ったときの為にセンサー設置や、気化したものが入ったときの為に常時換気をするとか、対処法は色々あったと思います。それこそ専門家に聞く内容です。なぜこれを東京都はしなかったか?実のところ、東京都というか専門家会議を担当した役人が豊洲新市場の地下について、ほぼ考慮してなかったというそれだけの話なんです。

 

 毎度、前置きが長いですが本題の話になります。専門家会議における地下の取り扱い方についてです。これね、第1回で話し合われて、東京都が「地下はない」って言っちゃってるんです。その部分が長いですが以下。

(平成19年5月19日 第1回専門家会議議事録 P.23~)

○平田座長 内山先生に医学的なところから

○内山委員 2メートルまで除去して 2.5メートルの盛土をしますので、4メートル50は入れかえの土地になるのですが、豊島団地で一番苦慮しているのがライフライン30年後、50年後に取りかえなければいけなくなったときに、また掘り返さなければいけないということがありますよね。ですから、今回の場合は、4メートルより深くはならないとは思うのですが、できるものは地上施設にしておいた方が、また掘り返して、そこの土壌がどうだというようなことよりは、地上施設で配管できるものは逆にそういう設計を最初からしてしまった方が、こういう土地の場合には後の管理が楽なのかなという気はしています。私はそういう方面には素人ですので、そういうことが最初から可能なのかどうかですね。ライフラインを交換するときの、あるいはもし水漏れなりガ
ス漏れが起こったときの対策がとりやすいような、そういうことも考えていただいた方がいいのかなという気がします。
○平田座長 内山先生は、非常に厳しいことをおっしゃっているのですが、基本設計の変更は可能かというご意見だと思うのです。
○後藤新市場建設調整担当部長 市場という施設そのものが割と高層化になじまない、また地下というものになじまない施設でございますので、当初から割と平屋、あるいは2階ぐらいの建物しか考えておりません。また、特に水産関係は水等を使いますので、地下の利用はほとんど考えてございませんので、先生からご心配いただいている部分につきましては、例えば下水とか、そういった部分で地下に入る部分だと考えられます。したがいまして、そういったものにつきましても、現在A.P.2メートルまでは処理するという考えでございますので、それより深くには埋設しないことを基本に考えていきたいと思っております。
また、一部どうしても場内の搬送車の置き場として地下を考えてございます。例えば雨水等を一時ためなくてはいけないということ、雨水利用も考えてございますので、そういった意味で、一部地下のピット等が出てくるということは想定してございます。ただ、この一部につきましては、もちろん A.P.2メートル以下に掘削する必要が生ずれば、そこについては A.P.2メートル以下にも新たな処理をするという考えでございますので、できるだけ先生のご趣旨に沿った形での設計でやりたいとは思っておりますけれども、一部こういう部分は出てきてしまうということだけつけ加えさせていただきます。

 

 ここで内山委員が聞いてるのは、「配管とかは地下に埋設するより地上に置けばどうです?」ってとこですね。地下利用云々の事を聞いていて、今回のような基礎のような巨大なものを聞いてるわけではない、というのがポイントです。それに対する東京都の返答は、あくまで地下利用があってもちょっと使う。しかしあくまで特殊事例のように説明してるんですよね。東京都の担当の人間もこの時点では、盛土の上(A.P+6.5m。地上部分)に建物が素置きされていると考えてるんです。なんでこんな齟齬があったのかと思うんですけども。先程の後に委員が次のように発言をしています。 

 

(第1回P24)

○内山委員 この建物が地下を持っていないということで、少しはいいかと思うのです(略)

 

 専門家会議の委員も前提条件として建物の下には何もないという前提で話をしています。おそらく委員に対する事前レクチャー、資料などでそういう話をしてるんでしょう、都の職員が。都の職員自体が建物の地下に構造物は無いという認識ですからね。なんでなんでしょう?考えられるのは次のようになると思います。

 

 1.専門家会議担当の都職員が全く地下の構造物について知らされてなかった。

 2.専門家会議での東京都からの諮問内容について、部署間で情報共有がされていなかった。

 3.この時点での豊洲市場の設計には地下構造物がなかった。

 

まあ1.2の混合だと思います。でも3は考えられないんですよ。まずない。無い理由は先ほど説明したように、基礎的なものと建物を一緒に合わせて、地上部だけで持たせる構造なんてものは、普通考えません。ただこれが起きてた可能性もあるんです。地下構造がなかったわけではなくて、単純に設計の進捗の問題で図面に地下構造が無かった可能性が。

 

 3.5 この時点での設計は汚染問題などでストップしており、東京都で共有していた図面には地下の書き込みがなかった。(途中までしか設計ができてなかった。もしくは部署が持つ図面がそれぞれ違いがあった。)その為に部署間、そして部署内でも地下に対する理解度がちぐはぐになっていた。

 

 私はこの3.5だと思うんです。その傍証としては「新市場建設協議会」(以下協議会)での資料を見ていて思ったんです。この協議会は築地の方と東京都が豊洲新市場のについて協議をし、合意を確認するためのものです。この豊洲関係では最高レベルの協議機関になっています。この協議会で築地の人が東京都の計画を認証して全てが動くという事です。この協議会で築地の人から認証を取って、地元と合意をしながら、地元を無視せずに進めていく為ですね。だから延期になった平成28年11月の移転の日取りの合意も、この協議会で承認をされて正式に決まっています。この協議会で建物の図面が出てきた最初のものが以下です。(他の会議でも豊洲の図面が資料にあるってほぼなかったと思います。唯一かな。)

(平成18年10月13日 第12回新市場建設協議会資料

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それぞれ、資料の5,6,7街区の断面図です。これを見ると専門家会議担当職員が言う「当初から割と平屋、あるいは2階ぐらいの建物しか考えておりません。」なんですよね。だから都の職員も断面図だけ見て勘違いしてたんじゃないかと。上の資料のリンクを開くと平面図もあります。平面図は4階建て+屋上まで全体の絵はありますからね。だから都の職員が言っている「市場という施設そのものが割と高層化になじまない、また地下というものになじまない施設」っていうのも変な話なんです。この時の平面図でも4階建ての建物もあります。最終的には五階建てだし。どう見たって高層です。そしてこの断面図には地下はありません。無くて当たり前です。この当時は図面からしてもまだポンチ絵段階です。まだまだ設計の初期段階だったという事で、設計がまだそこまでいってないから書けてない、書いてないだけです。平面図は割と今と比べても似たような感じですけど、4階と5階だからこれも全然違いますからね。この断面図に想像線でいいから地下構造物の線を入れてれば、案外、今回の盛土・地下問題ってなかったかもしれないと想像してしまいます。今の5街区青果棟の断面図が以下。

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5街区の断面図ですけど、全然違うでしょ? これが最終のものです。これには地下構造も書き込まれてます。要するに設計の初期段階の図面だけを見て誤解をした、もしくはこの専門家会議が始まるのが平成19年5月19日。平成18年10月13日の図面から考えて専門家会議は半年後ぐらいですから、そんな詰めた図面は専門家会議開催時点でなかったという事です。

 

 その設計スケジュールは協議会で何度か報告されてますが、どんどん延びてますからね。最初のスケジュールが以下。

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(平成15年5月15日 第6回 協議会資料から)

 

ふむふむ。基本設計がH16~H17。おそらくこの基本設計段階で地下施設は設計に含まれてるはずです。当初から杭打ち工法で建物を作るのは方針でしたし。(というかその時点で地下施設はあるはずです)主要な計画の纏めの日時が以下です。

平成15年5月 「豊洲新市場基本構想」策定

       ・新市場のコンセプトや新市場づくりの基本方向を取りまとめ

平成16年7月 「豊洲新市場基本計画」策定

       ・基本構想を踏まえ、新市場の果たすべき機能や施設計画など、新市場建設に向けた基本的な枠組みについて取り纏め

平成17年9月 「豊洲新市場実施計画のまとめ」作成

       ・基本計画を踏まえ、基本設計の与条件として、施設配置、物流計画などについて取り纏め

平成18年10月 「豊洲市場基本設計相当」取りまとめ

 

 先ほどの断面図が資料になっている協議会も、平成18年10月の豊洲市場基本設計相当」取りまとめについて説明をするためのものでした。だからこの基本設計相当内に地下構造についても触れてる部分があると思います。これがないので確認はできてないのがなんともですが。

        

で、協議会の中間ら辺のスケジュールがこんな感じです。

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(平成16年7月21日 協議会第10回資料から)

1年後のスケジュールで基本設計が一年遅れてますね。設計開始がH17の途中からになってます。

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 (平成18年10月13日 協議会第12回資料から)

さらに二年後のスケジュールで、市場施設の実施設計がH19年後半。最初のスケジュールから言うと二年遅れてます。H18年10月の12回協議会でこれです。で、実際に建物の建設が始まったのがH26年2月。H18年のスケジュールで5年遅れ。当初計画からだと7年遅れたという事です。設計に一年チョイはかかりますから実際の建物の詳細設計(ここだと実施設計)が始まったのがH24年の後半ぐらいかな。基本設計がその1年前の平成23年3月ですから、平成19年5月19日 第1回専門家会議の時点では、当然、詳細な各街区の建物の図面はないでしょう。専門家会議の最終第9回が平成20年7月26日。この時点で豊洲全体の基本設計が終わってません。正式に始まってもいませんから。おそらく設計自体はずっとストップをかけていたと思います。これだけの設計は一人でするわけではなく、数十人、最終的には数百規模でやるでしょうし。そんな人数をずっと待機させられませんからね。会社がつぶれます。そして専門家会議が終了しないと基本設計を進めても仕方ありません。だって提言内容で基本的な設計の仕様が変わる可能性もあるんです。だから、そんな状態で設計はできません。単純にいえば盛土が4.5mではなく10m必要だ!とか言われたら設計全部が変わっちゃいますからね。だから東京都の専門家会議での主眼は盛土4.5mの死守だったんです。ここが変わったら、豊洲の各施設の設計だけではなく、豊洲に繋がる道路も含めて全ての設計が変わりますからね。道路の高さも盛土に合わせて上下することになります。そうなると当然、豊洲以外の予算も変わってきます。そんなのは道路を担当する他部署が許すわけありませんから。

 

なんでこんなふうに考えるかというと前の記事でも紹介した以下の記事。 

www.tokyo-np.co.jp

土壌汚染対策を検討する専門家会議は〇七年五月、豊洲市場予定地の地下利用について「有害物質が建物内に入る恐れがあるため、地下施設は造らない方がいい」と指摘。〇八年五月十九日、土を入れ替えて盛り土にする方針を決定した。しかし、石原氏は同月三十日の会見で盛り土案に疑問を呈し、地下にコンクリートの箱を埋める工法があると説明。こうした経緯について、本紙は十五日朝刊で報じた。

 

  専門家会議の最終第9回が平成20年7月26日に終わって、その直後、平成20年8月30日に石原都知事が地下にコンクリートを埋めると記者会見をしました(後に撤回)。前の記事にも書いた内容と一部被りますが、専門家会議が終わってから、実際の汚染対策の工法を考える技術会議が平成20年8月15日に第1回が始まっています。この技術会議の汚染対策の方針として、6回目(平成20年11月5日)の技術会議で以降地下利用の方針を東京都が言い出しています。そして上の記事。また建物下に地下駐車場とかの話もありました。そういうのを考えると専門家会議が終わって、東京都と設計を担当している建設会社が、打ち合わせをしたでしょう。前に進めるようになりましたからね。もしくは今後の方針の会議を東京都都庁内で持ったことでしょう。専門家会議の提言を東京都が受け取り、方針が定まったわけですから。その時に地下構造物がある、どういうことだーって都庁(の一部)で大騒ぎになったんじゃないかと思うんですよね。地下構造物は設計会社としては当時の都の担当者との議事録も持ってるだろうし、文句を言われる筋合いは無いでしょう。結局、計画が延期しまくって当初の計画を知ってる役人も少なかったんでしょうね。上役は異動も多いだろうし。報連相、引き継ぎが機能しなかったんだと思います。ずーっと、計画が動いてたのならともかく中途半端なとこで、汚染騒動で止まってたでしょうし。

 その後、技術会議では地下利用案は否定されています。それで都庁の一部の人間で黙っちゃった、握り潰したんじゃないかなと思います、盛土の問題を。なかなかあることじゃないですけど、これだけ資料が出てこないってのは本当に不思議なんですよね。だから時系列的にはこれが合ってるんじゃないかと思います。この時点でも地下構造物について何も東京都(の担当者)が知らないのなら、地下駐車場とかの話がそもそも出るわけないんですよ。建物下が盛土で下に駐車場を作るのなら、相当に工費は上がるし、設計変更もかなり厳しいラインで要求することになります。杭自体の強度も根本的に変わるし。これだけ計画が遅れてるのにそれは無いでしょう。元々、地下構造物がある設計だから出る発想です。

 

www.excite.co.jp

 東京都の豊洲市場江東区)の主要建物下に盛り土がされなかった問題で、2011年6月の時点で都幹部らは「盛り土をした上に高床式の建物を建てる」との認識を持っていたことが分かった。09年7月〜11年7月に担当部局の中央卸売市場トップの市場長を務めた岡田至氏が証言した。

2011年 6月30日 設計業者が建物下が空洞になった基本設計書を都に提出

      8月30日 都が建物下を空洞とする土壌汚染対策工事の契約を締結

 

  9月22日、書いてる時にこんな記事が出ました。H23年6月時点で都幹部の認識に地下構造物は無かったって事らしいです。ホンマかいなと思うんですけどね。基本設計は平成23年3月に始まっているのが下の議事録で確認できます。記事にある年表で6月30日に基本設計書が都に提出されたとあります。この基本設計書も中身を確認したいですね。

 

(平成24年11月27日 第14回 新市場建設協議会議事録 P.1)

施設建設につきましては、昨年3月に基本設計に着手いたしまして、その後、震災対応ですとか、あるいは皆様方の要望をより反映していくために、基本設計と実施設計を一体のものとして進めてまいりました。各業界の皆様方とは、施設配置、建物の面積や構成、あるいは各階のレイアウトなど基本的な部分について幾度となく協議を重ねながら設計を行いまして、このたび取りまとめることができました。
本日は、取りまとめました施設計画について協議していただき、ご了承をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

 この平成24年11月27日の第14回協議会で、平成23年3月に基本設計開始となっていますね。ただここの協議会での資料なんですが以下。

第14回協議会資料:豊洲新市場建設工事施設計画の概要

 平面図しかないw 上から見た絵しかないんですね。普通、ここまで平面図が出来て、基本設計開始から一年以上経ってるのに断面図がないとか有り得ません。絶対にない。前の当初スケジュールでも見たように基本設計の設計期間は一年くらいなんだから、この時点(設計開始から1.9年)で断面図は絶対にあります。最終の完成したものが無くても、現状とほぼ変わらないレベルのものがあったはずです。だからあれだけ書けた平面図があるなら、正面、側面、上面、平面、断面図と全形図はあるはずです。要するにこの時点で全体の設計は終わってるはずです。豊洲新市場の着工は平成26年2月28日です。

豊洲新市場が着工へ、移転決定から13年(日刊水産経済新聞)

 東京・江東区豊洲新市場予定地で2月28日、築地市場関係者、都議、都職員ら約150人が参加し、「豊洲新市場(仮称)建設工事起工式」が行われた。築地市場協会の伊藤裕康会長を筆頭に、新市場を担う築地の主要6団体代表が、新市場の発展と工事の安全を祈願し、くわを入れた。

 平成13年の豊洲移転決定から13年。ようやく着工の日を迎えた。竣工は28年3月の予定だ。

 開設者の都からは安藤立美副知事が出席し、あいさつ。「首都圏の基幹市場にふさわしいものにしたい」と抱負を述べた。また、本体工事が入る敷地で完了を確認した土壌汚染・地下水汚染対策工事に言及。「日本最高の専門家の提言に基づき着実に対策し、市場用地の安全が確保できた。新市場を安心して利用いただけるものと確信している」

 

平成24年の11月に基本設計の断面図もできてない状態なら、そこから一年はまだ基本設計にかかります。個々の部品図面への展開やら基礎の杭やら実際に使う工事資材の発注もできないです。そして建物の実施設計にも移れません。まあ断面図は正面から見た図です。だから、地下に空間があるのは丸わかりですからね。ま、資料が増えるとコピー代も嵩みますけどw そんなとこでしょうな。

 しかしなんでこんな確信的に傍証で決めつけてるかというと、前回記事の通り、盛土の工事完了図を見れば、地下空間があることは丸わかりだからです。

 

豊洲市場整備方針というものに基づきまして、昨年8月に対策工事の契約をいたしました。現在は対策工事を着実に実施しているところでございます。(第14回議事録P.1)

 

  平成23年8月に汚染対策工事の契約をした。そしてこの対策工事は平成26年2月に完了をしています。その時の5街区の盛土工事の完了図が下の図になります。

 

2 技術会議における土壌汚染対策工事完了確認状況のまとめ (1.3MB)

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 枠があるところでわかるように、A.P+6.5m、A.P.+2.0mのところではっきり分かれてることが分かると思います。これは盛土の段差が4.5mあるということです。A.P+6.5mが豊洲市場の現在の地面。建物が建っている0mの高さです。A.P+2.0mは地下施設の底面の位置になります。地面から4.5m下、地下という事ですね。つまり、地下構造物が入る分だけ予め盛土をせずに、空けてあったという事です。地下施設が入る所に盛土をして、また4.5mを掘り起こしてというのは意味がないですからね。だから最低限、平成23年8月の対策工事の契約をした際には、この対策工事を発注した都の人間は、地下に構造物がある事を知っていたことになります。建物下は盛土という認識なら掘り下げておく必要はなく、A.P+6.5mで、普通に平らにしておけばいいわけですからね。先の毎日の記事の幹部の人は平成23年6月には知らなかったと言ってますが、おそらくその時点で他に知ってる人間は確実にいたはずです。そしてこんなことは個人では絶対に無理です。組織的なものです。でないとこんなの会議で通るはずが無いもの。会議大好きのお役人様たちが許すわけない。盛土がないことを誰かが指摘しています。そんな無能は東京都の上には行けないでしょう。まあ逆にいうとそこで黙る人間しか上に行けないのかもしれませんけど。最初に書いたように話としては大した話じゃないけど、もしこの通りなら大変な問題になると思いますよ。最低限、平成23年3月から基本設計を建築会社と打ち合わせした都の人間は知っていたはずですし。毎週とか最低でも毎月レベルで打ち合わせはしてるはずですから。だからそういった点でこの問題はとても深刻です。役人が議会にも知事にもろくに説明せずに、独自判断で予算を取って地下構造物を作ったってことですから。例えたら、都庁を建てる際に都庁が巨大ロボットに変形できるように、予算をこっそり役人だけで使ってたっていうような話です。まあゴジラが上陸してきたら役には立ちそうですが。でもすぐにやられちゃいそうではありますけどねw ちゃかしてなんですが、盛土問題からどこの範囲まで都が腐ってたのかが報道の主眼になりそうな気がします。そしてこれが豊洲だけの問題なのか?という点も今後、重要になってきます。東京都の体質になっているのではないか?と言うのはとても深刻です。伏魔殿再びって感じですな。

 でもね、豊洲に係った都の職員の大部分は、本当に豊洲を東京の台所にしようと誠心誠意頑張ったと思うんです。それはどんなことがあっても豊洲風評被害を出さない。その為にはありとあらゆる汚染対策を取る。そして取ったのが議事録や資料から見えるんですよ。本当に細心の注意を払ってやってるんです。だから本当にそういった現場の人間はかわいそうだなぁと。共産党が火のない処と言っては何ですが、煙を出したら小池爆撃機がナパーム弾を落として、辺り一面を焼き払ったようなもんですからね。小池さんの方向性は賛成するけど、手法には賛否は出るでしょう。まあでも実際、自分が書いた通りなら、正しかったのだろうなとは思うけど。思うけど、それでも釈然としないものも残ります。だってあくまでこの問題って都庁内のガバナンスの問題ですもの。内部で処理できていればとは言いませんが、もう少しやりようはあったのかと思います。ただ今回の小池さんの本当の目的は、副都知事の席になるのかとも思います。小池流の都政改革のバロメータとしては現在の副知事の席の4つ。これをいくつ小池さんの指名する人間で取れるか、東京都の役人以外を座らせることができるかが判断材料になるように思います。今は全員、東京都の役人ですからね。副都知事は議会の承認は要りますが、本質的に豊洲の問題から副都知事の席を取りにきてる。それによる都政の完全なコントロールを小池さんは目指している。というのもこの問題における一つの観方になるのではないかと考えています。

 

 これだけ情報が出てこないってのは、都の上の人間が情報を抑えてるんだよと思ったり思わなかったり。

 

 

 ② 専門家会議における提言と検証の違いの整理

 

 ここでは専門家会議における提言と検証の違いの整理を行いたいと思います。私は専門家会議の提言により4.5mの盛土が行われたという報道に違和感を持っています。専門家会議では提言と東京都の諮問に対する検証が行われました。勿論、それらの検証も含めて専門家会議の提言ではあるんですけどね。でも専門家会議が独自の意見として提言したことと東京都の諮問(東京都の汚染対策)に対する検証は意味が違います。その辺をごっちゃにして、全てを専門家会議の提言として判断するのはアンフェアではないかと考えるためです。提言と検証の違いは専門家会議における東京都の冒頭の挨拶にも顕れています。

 

 (専門家会議第1回議事録 P.1~)

○比留間中央卸売市場長 東京都中央卸売市場長の比留間でございます。

「移転地は、かつてガスの製造工場であったことから、ベンゼン、シアンなどの汚染物質が確認されておりまして、事業主であった東京ガス株式会社が平成13年2月から、これらの操業に由来する汚染物質の処理を開始いたしまして、平成19年3月には現地盤面から2メートルまでの土壌を掘削し、処理を完了したところでございます。
また、東京都におきましても、市場が生鮮食料品を扱うことの重要性にかんがみ、独自の土壌汚染対策として、法令の対象外でございますけれども、環境基準を超える自然由来の物質につきまして、東京ガス株式会社と同様の対策を行うこととしてございます。
さらに、東京ガス株式会社の土壌汚染調査で汚染物質が検出されなかった区域につきましても、建物建設地以外は掘削いたしまして土壌の入れかえ等を行い、その上に法令の指針を上回る厚さの盛土を行ってまいります。
豊洲新市場予定地は、このように敷地全面にわたりまして二重三重の対策を講じていくことにしております。
しかしながら、豊洲地区の土壌汚染対策につきまして、関係者や都民の一部になお懸念の声がございまして、専門家の意見を聞くという石原知事の方針を受けまして、今般、土壌の追加調査の必要性、都の土壌汚染対策の妥当性、そして土壌を含めた環境管理方法等につきまして、専門家である先生方に検証・提言をお願いすることとしましたところでございます。東京都といたしましては、委員の先生方の検証結果や提言をもとに、必要な調査や対策を講じ、都民並びに市場関係者が安心できる市場として開場させていく考えでございます。

 

 上のは東京都の冒頭挨拶なんですが、要約すると石原さんに「お前らの説明はわからんから、専門家のお墨付きを貰って来い」ってことですね。しかし知事からっていうのは珍しいように思います。普通、会議の設置要綱とかの目的をただ読み上げるだけだったりするんですけどね。まあいいけどw そんなわけで専門家会議の目的は東京都の汚染対策に対する検証と専門家からの提言を貰うという、立てつけになっているということです。

 そこで、以下の二つの資料を元に話を進めていきます。専門家会議の報告書の中から「9.今後東京都がとるべき対策のあり方 」を使います。これは専門家会議が最終的に出した今後の東京都が取るべき対策の方針を書いたものになります。これに第1回目の資料から「東京都が予定している土壌汚染等の対策 」を使います。これは専門家会議以前から予定している東京都独自の土壌汚染対策になります。これを専門家会議に諮問して、検証をしてもらっています。これらを使って、専門家会議独自の提言と専門家会議以前から東京都が行う予定だった汚染対策を整理するのが目的になります。

 

・引用箇所

青色9.今後東京都がとるべき対策のあり方 策のあり方 からの引用

緑色東京都が予定している土壌汚染等の対策からの引用

検証】東京都の対策に対する専門家会議の検証を指します。

提言】専門家会議独自の提言を指します。

 

9.3 対策の基本方針
土壌汚染等の対策のあり方について、詳細調査までの結果をもとに専門家会議にて検討し、以下の基本方針で計画すべきであるとの結論に至った。
【土壌汚染等の対策の基本方針】
1.各街区とその周囲、各街区内の建物建設地とその周囲をそれぞれ止水矢板等で区切り、それらの間での地下水を介した汚染物質の移動を防止し、建物建設地とそれ以外の部分を分けたかたちでそれぞれ対策方法を検討する。

 

提言これは元々、各街区を工事する際に遮水壁を設ける予定でした。工事後は撤去予定でしたが、専門家会議で「それを残置しておけば地下水が各街区を移動しない」という意見を受けて、地下水が動く範囲を限定するという目的で残置されたものです。要するに5街区で仮に地下水に汚染が発生したとしても6,7街区には被害が及ばないということです。最悪の事態を想定した被害の拡大防止策ですね。

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2 技術会議における土壌汚染対策工事完了確認状況のまとめ

 

2.地下水管理により A.P.+2m 程度に地下水位が維持されることを踏まえ、A.P.+2mよりも上部の不飽和帯となるところと A.P.+2m 以深の地下水面下の飽和帯(帯水層)となるところに分けたかたちで対策方法を検討する。

 

提言】これは地下水管理をA.P+2.0mで維持するので、3以降の考え方としてA.P+2.0mより上、下で汚染対策の方法を分けた考え方をするという方針です。A.P+2.0mを境にそれぞれの対策方法を取る、考え方をするという事になります。土壌で言うとA.P+2.0mより上の土壌は完全に掘削して総入れ替え、下は調査をして基準以上のものが出た場所は掘削して、土壌を入れ替えということになります。

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3.建物建設地の対策は、以下の方針で行う。
①建物建設後にあらためて土壌汚染等の対策を行うことが困難であることから、詳細調査および引き続き行われる絞込調査で操業由来および自然的原因により処理基準を超過していることが確認された A.P.+2m より上部の汚染土壌、およびこれらの調査により操業由来で処理基準を超過していることが確認された A.P.+2m 以深の汚染土壌は、全て処理基準に適合するレベルまで処理する。

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検証】これは元々東京都が予定したのを検証したものです。A.P+2.0mより上の土は全て掘削して基準以下の土壌に入れ替えるということになります。


②タール混じり土が旧地盤面の下に残存している可能性があることから、A.P.+2m より上部の土壌は汚染土壌・非汚染土壌に関わらずすべて掘削し、入れ換えることが望ましい。

検証】東京都の予定だと法律以上の対策になるので、それが無駄なことではない、というお墨付きですね。法律で義務付けられた以上のことをするから、それが無駄な公金支出として指摘されたときの防御という事です。

 

③地下水から揮発したベンゼン、シアン化合物がガスとして上昇し、隙間や亀裂から建物内に侵入していくことによる人の健康および生鮮食料品等への影響が懸念されていることから、食の安全・安心という観点を考慮し、建物建設地については上記①、②の土壌汚染対策に加え、地下水中のベンゼン濃度、シアン化合物濃度が地下水環境基準に適合することを目指した地下水処理も建物建設前に行う。

 

提言】これは専門家会議の独自提言です。A.P+2.0m下の地下水の濃度を地下水環境基準に適合するように土壌改良、汚染対策をしなさいという事です。とはいえ、これの前提条件は東京都が出しているので、これも検証ではあるんですけど。


④上記①~③の対策を行った後、その上部に 2.5m の盛土および堅固なコンクリート床(厚さ 25~40cm)による被覆を施すことが計画されており、汚染土壌の直接曝露による人の健康リスクはより確実に防止される。

豊洲新市場予定地は、その大部分が建物建設及び道路・駐車場用地であり、厚さ 25~40cm のコンクリート床ないし、厚さ 30~40cm のアスファルト舗装で覆われる。

検証】これは東京都が予定したことに対する検証ですね。そのまんまです。


⑤上記①~④の対策を行っても残存する汚染地下水については、地下水管理を行い、地下水の上昇によって人の健康被害が生じるおそれのない状態を維持していく。

 

提言】これは専門家会議の提言です。この提言に従ってできたシステムが以下の図です。とはいえ、東京都は地下水を管理するシステムとしてはこれより小規模なものは作る予定だったでしょうけど。埋立地で地下水管理システムがないってのは有り得ないし。どれぐらいの規模でやるかの違い位だと思います。

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(土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会 第6回資料2 地下水管理に関する説明資料 (2MB)

 上記のように各街区に井戸を掘ってそれを繋げる。そして各街区の地下水を各街区にあるそれぞれの浄化施設に集めて、環境基準に処理をして下水に放流をするという形になっています。だから豊洲市場では地下水は一切、使用しません。これでA.P+1.8m(A.P+2.0mの20cm下)のところで、地下水位を常に保つ管理するという体制を取っています。また雨水もすべて回収して、処理する形になっています。土壌に入り、地下水になるのを防止してるわけです。

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資土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会第4回資料:資料3 地下水管理システムの検討状況 (398.4KB)

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土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会 第7回資料 地下水管理に関する説明資料 (3.7MB)

 

 非常時においても対応できるように対策済み。万全の対策ですね。

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しかしこの図にある建物のイメージなんですけど。現実的に書いてますねw

唯一の真実を映した絵なんじゃないのかな。あくまでモデル図だけどw

まあ実際、こうだろうし。この絵を描いた人は何を見て書いたんだろう^^;


4.建物建設地以外の部分の対策は、以下の方針で行う。
①残置構造物撤去、地盤改良を実施するため、旧地盤面(A.P.+4m)から A.P.+2m までの範囲の土壌を全て掘削し、入れ換えることが計画されている。

 

検証】これは上に書いたのと同じ内容ですね。建物以外という違いだけです。


②A.P.+2m より深部について、詳細調査および引き続き行われる絞込調査で操業由来により処理基準を超過していることが確認された汚染土壌は、地下水管理で揚水される地下水中の有害物質の供給源をなくすという観点から、処理基準に適合する状態まで処理する。

 

提言】これは、専門家会議独自提言です。金はかかったでしょうが、東京都は受け入れて実行をしています。A.P+2.0m以下で見つかった汚染土壌は、全て掘り出して土壌を入れ替えるという事です。橋下さんが言ってた金がかかるというのはこの辺ですね。地下水管理もそうだけど。まあでも実際のところ、東京都は当初からこれと近いことはやる予定だったんですけどね。どこまでの深さでやるかで専門家会議が提言をして、東京都案より金はかかることにはなったと思います。各街区を10mごとのメッシュ(格子)に分割して計4122カ所を調査。汚染があったところは汚染源まで掘り返して綺麗な土で埋め戻す。それを愚直に東京都は繰り返しました。

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(技術会議第18回資料:2 技術会議における土壌汚染対策工事完了確認状況のまとめ (1.3MB)


③上記①、②の対策を行った後、その上部に 2.5m の盛土を施すことが計画されており、汚染土壌の直接曝露による人の健康リスクはより確実に防止される。

 

検証】これは検証です。東京都が2.5mの盛土をして計4.5mの盛土をA.P+2.0mから積み上げれば、大丈夫だよっていうのを計算して、お墨付きを出したことになります。


④上記①~③の対策を行っても残存する地下水汚染については、揚水した際に処理を行うことなく下水に放流できる濃度レベル(排水基準に適合する濃度)で地下水管理を行っていくとともに、将来的には地下水環境基準達成を目指す。

 

提言】これは「目指す」になってますが技術会議で「する」になっています。それであの地下水管理や2年間の地下水モニタリングの基準が出来ました。

オ 地下水の浄化
(ア) 市場の安全・安心をより一層確保するため、地下水の浄化は、建物下と建物下以外
を区別せず、施設建設前に環境基準以下に浄化する。

 

技術会議報告書 P14


地震時の液状化対策として地盤改良工事を行うことが計画されていることから、この工事の際に合わせて残存する地下水中のベンゼンおよびシアン化合物の濃度の低下を図ることが望ましい。

 

提言】これも独自提言ですが、東京都は完全に実行をしています。土壌と同じで4122カ所を調査して地下水の汚染がある所は完全に抜き取って処理って感じですね。液状化処理をするときに穴を掘るんだから、その時一緒にやりなさいってことです。単純に水を抜いたってわけではなく、水をどんどん入れてそれを抜いてということで「土を洗った」って感じですね。

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詳しい土壌・地下水汚染対策を読みたい方はこちら

工事概要パンフレットダウンロード

 

⑥建物建設地以外については、将来的に上乗せした土壌汚染対策を追加して行うことを検討することも可能である。

提言

これは単純に技術会議に裁量の幅を持たしたってだけだと思います。それプラスαもあるんですけど。開場後のミソ的な部分でもあります。


5.地下水管理は、建物建設地、建物建設地以外の部分ともに以下の方針で行う。
①地下水面の上昇を防止し、概ね A.P.+2m の状態を維持するよう、地下水位のモニタリング、および地下水位上昇時の揚水処理を行っていく。
②揚水した地下水は、排水基準を超過している場合には必要な浄化を行い、排水基準に適合する状態で下水に放流していく。
③地下水位のモニタリングおよび地下水位上昇時の揚水処理の際には、合わせて地下水中のベンゼン、シアン化合物等の濃度も継続して測定し、上記対策による地下水汚染濃度低減に対する効果を把握していくことが望ましい。

 

提言】この辺は全て、専門家会議の独自提言です。上で説明したこととかぶるので割愛。

 

そんな訳でざくっと纏めると、

・盛り土に関しては東京都の対策案の検証

・地下水に関しては専門家委員会が提言

になると捉えています。

そりゃ、厳しい提言もあったけど、その辺はうまいこと、東京都は技術会議に繋げています。現実的に予算を取って、汚染対策工事をして、完了をさせているんですから。だからもう全部終わった話なんですよ。

だからね、私は橋下さんの最近のツイートは変だと思うんです。

 

 

  何で専門家会議を攻撃してるのかわからないんです。まあ攻撃してるわけじゃないのかもしれませんけどね。地下水を無害化というか地下水の排出基準まで持っていこうというのも、豊洲が市場だからですよ。無害化すること自体には意味は無くても、そこからの風評被害を避けるための処置です。地下に汚染物が残った状態で地下水から環境基準以上の何かが出た、とかになったらまたぞろ騒ぎですから。だから無意味・不要なんですよ、橋下さんの言うように。でも風評被害を出さないためにやったんですよ。基本的に東京都が過剰なまでに汚染対策にお金を使ったのはその為です。とにかく風評になるようなものが出るのは避ける。これで首尾一貫してるんです、東京都は。まあ裏の意味もちょっとあったかもだけど。なんでこんなに東京都がお金を出したかというと前述したように、A.P+6.5mを守るためです。東京都が4.5mの盛土で諮問していたのも、そのためです。これが狂ったら仕様・設計が全て無駄になり、予算も崩壊しますから。だからその為に専門家会議の提言を飲んだ側面は確かにあるでしょう。とは言えそれだけではなく、納得して東京都はお金を出したわけです。だって元々の地上部分での安全の条件を決めたのは東京都ですから。その東京都の条件を守るためには、地下の汚染物の濃度は環境基準以下になるように専門家会議は計算をして出しただけです。だから専門家会議が無茶な提言をしたわけではなく、無茶な諮問を東京都がしたんです。例えると、高速を350キロで飛ばせる車が欲しい。ではこのフェラーリを。お値段4億円です。みたいな話です。

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資料1 豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議報告書のあらまし (12.9MB)

 この最後の条件設定がえぐすぎたんですよ。だから、橋下さんのツイートはね、専門家会議が当時行われてる時なら納得できるんですよ。提言の出る前ね。「今、豊洲市場の専門家会議ではこんな話をしている」それなら、なるほどと思います。でも、もう全て終わった話で工事完了済み、終わった話なんです。そしてその結果、もうすぐ終わる二年間の地下水モニタリングの結果も、地下水環境基準から逸脱したデータは出てないわけです。だから関係者全員オールハッピー、このまま最後までデータがきちんと出続ければOKなんです。

 だから私はずーっと橋下さんの豊洲関連のツイートに違和感を感じていました。まあそれが今回調べた動機の一つでもあるんですけど。ただ今回の資料を纏めてるときに思ったんですけど、橋下さんは小池さんがガチで豊洲移転白紙を考えている、そういう腹だって情報を得たんじゃないかと思うんですよね。まあ妄想ですけども。自分の解釈だと、これなら橋下さんの一連の豊洲関連のツイートに横糸が通ります。すんなり受け入れて引っ掛かってたところが全部無くなります。豊洲自体には調べた範囲で言えば、安全だし、移転するのにも問題はありません。移転白紙は公益に反すると考えています。移転の可否自体は、盛土の解釈だけだと思うんですよね。それ以外の問題は都庁の中で話し合ってね、っていう話です。でも実際、今回東京都に設置された「市場問題プロジェクトチーム」(PT)のメンツを見てると、んー?って思えますしね。PTでは構造計算も再計算するらしいし。まあ確かに地下構造物の高さ4.5m(砕石層を考えると実質4m以下かな)ってえらい薄いなっていう想いはあります。まあ只の素人判断ですけど。倍の8mでも、まあそんなもんなのかな、ちょっと薄いかぐらいに思うし。全三棟、サイズも違うのに同じ高さというのも。まあそんなもんなのかもしれませんけど。だから構造計算するならするでいいんだけど、なかなか珍しいと思うんですよね、ここまでするのは。徹底的にやるという意味ではいいんですけど。締まらないんですけど「マジで?」っていうとこですね。

 

 小池さんには私はネガティブな印象です。知事以降を考えてもネガティブなんですよね。なんでかというと知事出馬会見の時に行ってた二つのことに未だに引っ掛かってるんです。

 1.任期三年半で辞職

 2.出馬は然るべき人には相談した

 この二つが、どうなってるのかわからない点で引っ掛かってるんです。まあポジティブに評価してる点も多々あるんですけど。とはいえ、現在、維新が小池さんに寄って行ってないのは正しいと思っています。今後、小池さんがどうなるかはわかりませんし。小池さんの手法ってすごい恨みを買うやり方をしてますからね。あちこちに鈴、錘をぶら下げてバランスを取るようなことをしているから。橋下さんの場合は、問題を切り抜いて問題単体にしちゃうんです。僭越ですけど、今回の豊洲問題を橋下さんがやるとしたら、完全に豊洲の安全問題と都庁内のガバナンスにはっきり分離してやると思います。でも小池さんの手法は豊洲問題でオリンピックにもかかってるし、全て繋がっています。そういう手法は一つを抑えておけば、他も動けなく出来るメリットはありますが、崩壊するときは全て崩壊します。いつかどこかでドカンと行きそうに思います。政治手法は別にして、やってることが正しいかどうかというのはあるんですけど、その辺もまだ評価できる段階でもないし。まあ、でもなぁ。マジに移転白紙だったら、えらいことだよな。

 

 個人的に現状で、小池さんの政治手法での問題点を一つ、挙げさせて貰います。

 「新市場建設協議会で、移転延期は決めたのか?」

ってことです。先にも書いたようにこの協議会は築地と東京都間での意思決定を行うものです。東京都の豊洲新市場での構想や計画の承認もしてきました。前述通り、移転の日を決めたのもここです。だからまず、移転延期をするのならここに諮って、築地の人の了承を取るのが先なんじゃないの?

 

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(建設協議会第一回資料:設置要綱

 上は協議会の設置要綱です。新市場建設に係る事項について協議を行い、必要な事項を定めるのだから、ここで定める必要があります。移転が決まったのが8月31日。

 

小池知事「知事の部屋」 / 記者会見(平成28年8月31日)|東京都

築地市場豊洲新市場への移転に関して

【知事】皆様、こんにちは。本日は、知事主催の記者会見と、このようにさせていただいておりますが、多数ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、ただいまより築地市場豊洲新市場への移転に関しまして、最初に、まず私の方から結論を申し上げさせていただきます。
11月7日に予定されております築地市場豊洲新市場への移転については、延期といたします。また、11月2日に予定されております築地場内市場の閉鎖及びその後の解体工事も延期とさせていただきます。
延期の決断に至りました最大の理由でございますが、ご承知のとおり、私はかねてより、都民ファーストという言葉を繰り返し述べさせていただいております。つまり都民の皆様方、そして市場で働く皆さんにとって、この移転が本当に納得いくものであるのかどうか、また、あるべきだと、このように考えたからでございます。

 

 都民ファースト=築地ファーストです。だったらまず、この協議会で移転延期を決めるのが先ですよ。この協議会は平成28年9月9日に第18回が開かれていたようです。平成27年7月17日に 第17回だから、一年ぶり以上ですな。年単位で間が空く協議会だけど。忘れられてたのかなw 

www.metro.tokyo.jp

 相当、紛糾したんじゃないかなぁ。まだHPにアップされてないので、何を話し合われたのかわからないけど。

mainichi.jp

 だからさ、小池さんが今回の盛土問題で、東京都のガバナンスについて問題視したのはわかります。私も問題があると思う。でもこの移転延期についての東京都のガバナンス、行政手続きはどうなの?勿論、東京都が単独で移転延期を決めたのは、法律上、問題ないでしょう。でも協議会とは全く協議してないやん。完全に事後承諾でしょ。少なくとも現在得られる情報ではそうです。おかしいって。全然、都民ファーストじゃないやん。少なくとも移転延期の発表をする前に、この協議会を臨時招集する。そこで移転延期を通告するぐらいはしないといけなかったんじゃなかったの?それでも一方的だけどさ。こんなの、揉めるだけやん。それで、移転延期が解除されたとします。

 

東京都「はい。問題なくなったので移転します」

 

 いや、これ、誰も「移転しましょう」なんて言わんやろ、築地の人。情報公開が全くできてない。拗らすだけ、拗らせようとしてるようにしか見えんよ、小池さんのやり方。まあ異論があったとして、ご自由にでいくのかな。個人的には豊洲移転が決まる、決まらないまでは小池さんは無敵モードだと思うけど、それ以降はかなりやばいと思います。

 

<参考文献+おまけ>

豊洲市場に関する会議資料|東京都中央卸売市場

第13回新市場建設協議会資料

資料1 豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議報告書のあらまし (12.9MB) 専門家会議についてよくまとまった資料です。

資料4-1 築地市場移転決定に至る経緯 (10.9KB)

資料4-2 現在地再整備が実現困難な理由 (33.7KB)

築地での再整備が困難な理由です。

 

【おまけ】

 

① 東京都の豊洲市場についての私の解釈

 

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 自分で改編した図を使います。こちらが現場通りだろうし。

 ここでは、豊洲市場に対する東京都の考え方を私の理解で書きます。よって断定して書いていますが、あくまで私の解釈にすぎません。A.P何々の高さ事で解説したいと思います。

まず A.P.の意味について

A.P.
隅田川河口の水位を測るため、明治 6 年に現在の中央区新川 2 丁目地先の河岸に設置された霊岸島量水標零位(Arakawa Peil:オランダ語で、荒川の水準線の意)の略称です。この霊岸島量水標零位は、ほぼ大潮干潮位に当たることから、荒川河口及びその沿岸の河川・港湾工事用基準面、すなわち、荒川工事基準面として使用されています。

(専門家会議第1回資料:用語解説

 

 単純にここを0にするっていう基準面ですね。

A.P+6.5m:

 建物が建っている地面。グラウンド(GL)。東京都はこの高さは絶対に変えないのが、専門家会議・技術会議を通しての方針だったと思います。理由は、ここを変えると豊洲新市場外からつながる道路の高さを変えないといけなくなるから。だから設計の仕様上、何があっても変えれなかった。+6.5mだった理由は、ガス工場時代に海側に面する5街区、7街区では元々、工場が建っていた地面の高さがこの+6.5mだったため。理由は高潮対策。運河側の6街区はA.P+4.0mで、5・7街区より2m低かった。図の旧地盤に当たる。これは前回でも書いたのだけど、専門家会議6回目の議事録にも同様の記載がありました。

(望月副参事)6 街区につきましては盛土をされていない状態になっていまして、5街区と7街区については主に盛土をされていると。特に5街区はすべて 2.5mの盛土がされているというような状況でございます。

 汚染対策としてはA.P+6.5mでの汚染物質の浸透は絶対に無いようにしている。その為にコンクリート床は50cmの厚を取っている。

 

A.P+6.5m~A.P+2.0m:

 

 建物外の盛土4.5mの部分。この4.5m自体の厚みには汚染対策として必要だったからこの厚みなのではなく、単純に設計仕様上、必要だったから4.5mになった。6街区だけ2m低いのは市場ごとに高さの差が出るので良くないという事だったのだと思います。専門家会議がこの盛り土に果たした役割は、この4.5mの盛土で地表部分で健康被害のない環境レベルに必要なA.P+2.0mのベンゼンの濃度を出し、検証をした事。そのため、地下水の基準はかなり厳しくなった。

 建物下にある盛土部分に当たる地下構造:前回でも触れましたが、この部分は構造体として機能している。副次的な目的として汚染対策にも利用されている。地震があり、仮に液状化した場合、こちらの地下空間でそれを引き受け、地上部分に影響を与えないのが目的。それにより、豊洲市場の営業に支障をきたさないことが目的。またこの地下空間の底は6・7街区はコンクリートで蓋をされているが、5街区の青果棟は蓋をされずに砕石がむき出しになっている。(現状は地下水?が湧いてる模様)なぜ砕石がむき出しになっているかで、前回は5街区の液状化層厚が液状化するには薄いから。と書いた。しかしそれ以外にもコンクリートひかず、床を開けている理由としては、この5街区は液状化層厚が薄い=地下水が少ない。よって気化する地下水も少ない。あの地下空間は議員が入ったところからも常に換気がされている。その少量の気化分ぐらいなら、その換気で賄えるからコンクリートでの床打ちはしなかったと思われる。だからあの地下空間の換気の出口は相当な浄化装置(フィルター)などの対策をしていると思われる。6・7街区の建物は地下水が多いので気化量が多い。地下空間の換気量では賄えないので、コンクリートで蓋をしたのではないかと考えている。もしくは5街区の建物は他の街区に比べて小さいので、強度的に底面は不要ということでコンクリートを敷かなかったのかも?(これは外れだろうけど。床で強度を持たすことはないだろうし)

 

A.P+2.0m以下:

 実測上の地下水の水位。豊洲市場開場後はA.P+1.8mで水位を維持される予定。この上には50cmの砕石層を設け、地下水が毛細管現象により上がるのを防いでいる。東京都としてはここが汚染対策の最前線であり、最終防衛ライン。そしてこのA.P+2.0mより下にはライフラインをはじめとして、配管など工事が必要なものは何も物を置かない方針。このA.P+2.0以下を掘ると、またぞろ汚染だなんだと風評被害を生むため。

 

(平成19年5月19日 第1回専門家会議議事録 P.23~)

○後藤新市場建設調整担当部長 例えば下水とか、そういった部分で地下に入る部分だと考えられます。したがいまして、そういったものにつきましても、現在A.P.2メートルまでは処理するという考えでございますので、それより深くには埋設しないことを基本に考えていきたいと思っております。

  

(平成14年10月1日 新市場建設協議会第3回議事録

(伊藤委員)
関連質問ですが、今後、地下インフラ整備を含め地下開発を行う場合、汚染物質の数値等を確認したうえで行うと考えてよろしいですね。
(松村委員)
東京ガスさんが行った調査とは、地表面をある幅でグリッドを切り、その中を調査し、汚染物質が出た場合には、さらに深いところまで掘り、どの深さまで汚染物質が存在しているのかを調べる方法です。現在、その調査結果に基づき、環境局がどのような処理方法が適当かということを検討しております。
市場が土地を取得する場合には、その調査結果についても併せて取得することが条例上決まっておりますので、地下開発等を行う場合は、その調査結果から汚染度合等を確認いたします。

 

② 記事の議事録該当箇所 

 

zasshi.news.yahoo.co.jp

 汚染対策の工法を検討する2008年12月の技術会議で東京都側が、「万が一、地下水から汚染物質が検出された場合に浄化が可能となるよう、建物下に作業空間を確保する」と説明していたことからも分かるように、これは不測の事態に備えて重機を入れることも想定した「天井の高い地下ピット」である。

 

これの該当部分は以下です。

「第8回豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」会議録P2~

それでは、一つ目は、A4版で「地下水管理について」というペーパーがあるかと思います。その後、またいろいろな資料で説明させていただきたいと思います。まず、地下水管理につきまして、私どものほうで考えています基本的な考え方ということでございます。私どもで考えています土壌汚染対策、土壌につきましては環境基準を超える汚染物質を除去するということです。それから、地下水についても環境基準以下に浄化していくというような対策を現在考えているということでございます。そういう中にありまして、現在、国の中央環境審議会の中で、土壌汚染対策法の改正に向けまして、今後の土壌汚染対策のあり方といったものが今議論されておりまして、そういう意味では、土壌汚染対策法の改正に向けまして検討が進められているという状況にございます。現在、豊洲新市場予定地につきましては、この土壌汚染対策法の対象にはなっていないんですけども、今後の土壌汚染対策のあり方といったものの今議論されている内容を見ますと、土壌汚染対策法の対象になるというような可能性がございますものですから、仮に土壌汚染対策法が改正されまして、同法の対象になるといった場合には、例えば、環境基準を超えるような汚染物質が検出された土地につきましては、指定区域というようなことで、土壌汚染対策法としての区域に指定をされると。それで対策をとっていくというようなことが求められてくるということでございます。
そういう中にありまして、こういった指定区域を解除していくということですと、対策をした後に、地下水質のモニタリングを2年間、環境基準以下であるというような状態を確認するといったものが求められてくるということでございます。
そういう中にありまして、こういう対象になった場合にも、私どものほうとして、土壌について環境基準を超えるものを除去し、地下水についても環境基準以下に浄化していくといった対策をした後に地下水質のモニタリングを行いまして、さらに万が一、地下水中から環境基準を超えるような汚染物質が検出されるといった場合にも、汚染地下水の浄化が可能となるように、例えば、建物下ですと、今後そういった物質が出てきたときには対策がとれないわけでございますけども、そういった対策は、地下水浄化ができるような、そういった作業ができるような空間も確保するといったことで、この指定区域がかけられたとしても解除が可能だろうというふうに私ども考えています。
こういった対策を東京都としては考えていくということで、対策をやっていくということでございますけども、二つ目の丸のところで、こういった土壌ですとか地下水、そういったものの汚染物質を浄化するといった直後に、敷地すべて、全域すべてにおきまして地下水を環境基準以下に浄化するということは非常に不明確なところがございまして、仮に基準を上回るといった箇所が出てきた場合にも、その後の対策が必要になってくるというようなことになります。
そういったことを考慮していきますと、専門家会議におきましては、人の健康被害の防止とか、食の安全・安心といった観点から土壌汚染対策を提言していただいているわけですけれども、そのうちの一つでございます地下水位を一定に保って、さらに地下水質の継続的な監視を行っていくというようなことが必要になってくるのではないかというふうに考えております。

 

現在も続く地下水モニタリングで、もし何かがあったら、というとこですね。その為に工事をできるような対策が打てる空間を確保できるように考えている。と、東京都は言ってますね。でもこれに対しての反応は何も委員からは無かったんですけどね。なんと言うか技術会議では、前回の記事でも書きましたけど、なんか東京都職員が突っ込み待ちのようなことを言ってるとこがありますね。「これ地下空間あるの?」もしくは「地下空間必要だね」と委員から言って欲しかったんでしょうなぁ。そしたら都の上司に「委員から言われましたので」って地下空間が必要な理由として説明(説得?)できただろうにね。そこで了解が取れれば、公明正大に築地他、都民に説明もできただろうに。

「打てども 響かぬ 技術委員」

まあ姑息な感じもしますが、なんとなくそう思いますよ。技術会議の資料のそこかしこに「盛土気づいてー」って言うようにしか思えないところが散見されますから。自分から言っちゃうと首が飛んじゃうだろうしなぁ。

 

③ 小池都知事9/23会見

 

9/23にあった小池都知事の会見の気になったところをピックアップ

小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成28年9月23日)|東京都

市場問題プロジェクトチームでの第1回目の会議でございまして、開催の日取りは、同じく9月29日(木曜日)

いわゆる「地下空間」問題であります。豊洲市場でありますけれども、9月21日、一昨日です、帰国したそのときに事務方の方から報告を受けたところであります。報告につきましては、いろいろとモニタリングなどのための作業空間が必要だったとか、それから、施設の建設設計を進める過程で地下空間を設けて盛土を行わない方針が固まっていたなどという説明がありましたけれども、時期の特定には至っていないということでございます。
それから、「いつ、誰が盛土をしないことを決定したのか」という点、それから「ホームページ、それから議会答弁が事実と違っていたではないか」といった点、「建物の下に盛土をしていなかったことを知っていた職員が、なぜ専門家会議の方にその意見を求めなかったのか」、こういった点については、まだ曖昧な部分を残している内容としか私は思えませんでした。

 

 モニタリングのとこは下に書く予定のとこです。「施設の建設設計を進める過程で地下空間を設けて盛土を行わない方針が固まっていた」というのは自分の予想が当たってるかなと思います。最後の専門家会議に意見を求めなかったのかはそれができなかったからでしょう。上が止めて。

 

④ 豊洲移転延期のデッドリミットと環状2号線

 

環状第2号線 事業概要_150401 - 東京都建設局

 

 環状第2号線ですが、築地市場が移転しないと工事が出来ないようですね。それでこれについて、協議会で東京都の発言があったのでそれを紹介します。今から二年くらい前の話です。

平成26年12月17日 第16回新市場建設協議会議事録 (215.8KB)

○岸本会長 それでは、早速議題に入ってまいりたいと思います。
本日の協議会の議題は、協議事項として、「豊洲新市場の開場時期について」でございます。それでは、豊洲新市場の開場時期について、私のほうから都の考え方をご説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の資料1をごらんください。
資料1にございますとおり、都といたしまして、豊洲新市場の開場時期を平成 28 年 11 月上旬とすることをご提案させていただきたいと考えております。その理由といたしましては、現在進めております本体施設の完成、これが平成 28 年春でございますが、それに引き続いて行います市場業界による造作工事の工期、これが大変輻輳するわけでご
ざいます。そういったことや、施設の習熟期間などに一定の準備期間が必要であるこ。それから2点目として、当然のことながら、年末年始の繁忙期を避ける必要があること。3点目として、加えて、2020 年東京オリンピックパラリンピック競技大会の開催に間に合うよう築地市場内に予定されております環状二号線の工事を終えるためには、遅くとも平成 29 年4月までに当該用地の築地市場の解体を終え工事に着手する必要があることなどを総合的に勘案して、この 11 月上旬という案をご提案させていただいた次第でございます。

 

 平成29年4月がリミット。今はどうなんでしょうね?11月移転で来年2月からの築地解体予定だったみたいですけど。これがそのまま生きてるなら、相当やばいですね。年内解決は無理そうだし。そこから移転へ、とかなっても築地の人々から合意を取れるんだろうか。

 

togetter.com

 

⑤ 都議会議員のお水取りについて

 

 えー、5街区の青果棟などの地下空間の底に水が有り、マスコミを賑やかしてますね。また都議員がその水を取っては、検査にかけて一喜一憂されてます。

www.sankei.com

www.sankei.com

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 都はコンクリートの隙間から雨水が流れ込んだとの見方を強めているが、床面から地下水がしみ出した恐れもあり、民間の検査機関で確認する。

 地下にたまった水については、都議会の公明党共産党も視察時に採取し、独自の調査を進めている。共産党によると、青果棟の地下には深いところで約20センチの水がたまっていた。

 都によると、水たまりが確認されているのは、水産卸売場棟と水産仲卸売場棟、青果棟の3棟の地下空洞。都はコンクリートの目止め工事が終わり、地下水管理システムが本格作動すれば解消されると説明している。

 

 どれだけの水が有るのかという点が問題ですね。大量に水があるという5街区は地下水だろうと思ってるんですが、6,7街区の方にも水があるというのは意外です。まあ1cmぐらいらしいんだけど。それぐらいの水たまりなら、地下なら有りそうですが。ただ目止め工事が終わってないっていうのも意外でした。これ、目止めが終わってないっていうのは結構に致命的です。私はこの水が雨水だった場合の方が深刻な問題になると考えています。なぜかというと先に説明したように、地下水が気化したものが地上の市場部分に入るからです。雨水が入っているという事は、上から下に来たという事です。だったら下から上にもいきますからね。あの地下空間は完全に密封された閉鎖空間ではないと、都が作った汚染対策の大前提が崩れます。少なくとも地上面とは完全に閉鎖されていないといけないでしょう。でないと、あの地下空間が盛土の代わりになると言えなくなります。だから雨水の方が問題は深刻です。特に5街区は底が砕石層になってますから、より深刻です。正直、地下水由来だったらどうとでもなる話かなとも思うんですけどね。

 都議の話に戻ると、都議が水質検査をしてること自体、意味がないと思ってるんです。だって正式な検査じゃ無いもの。仮に何か出ても「なんか入れた?」で、全否定ですし。だから意味がないんですよ、東京都が検査しないと。それが公式なんですから。これで東京都が検査をしないと言ってるのなら、するのもわかります。でも、するって言ってるんだからそれを待ったらいいんですよ。無意味な風評被害を生むだけです。唯一、意味があるとしたら雨水かどうかを確認することだけです。それを目的にしてるのならいいんですけど、何も出なかったので悔しそうですから、そうでもないんでしょうね。でね、あの水を都議が地下水だと思ってるのなら安全なんですよ。5街区は床が砕石層がむき出しらしいから、ほぼ地下水が滲み出してきてるんだと思います。一番、水が多いらしいし。現状、前に説明した地下水の管理システムは動いてないそうですしね。地下水位も高くなってるでしょう。(動いてない理由は後述)ただ6,7街区の建物に沸いてる水が不可解ですね。報道通りだと・・。うーむ。まあ地下だかもしれませんけど。コンクリから出た水・・・、ってわけでもないかな。あの地下空間が作られてから、時間も結構に経ってるし。まあこの辺は東京都の結果待ちです。

 二年間の地下水モニタリングですね。二年間、定期的に地下の土壌に汚染物がないかを地下水をモニタリングすることで検査をしています。地下水に異常があればそこら辺の土壌に何か問題があることが推測できます。小池さんの8/31の会見から引用すると次のような感じでモニタリングされています。ちょっと会見に触れて、話を戻します。

 

まず、安全性の確保でございますけれども、何よりもと言いますか、言うまでもなく、豊洲新市場は生鮮食料品を取り扱う市場でございます。だからこそ、849億円もの費用をかけて土壌汚染対策法に即して土壌汚染対策を実施してまいったところでございます。そして、その安全性の確認のための地下水のモニタリングについては、第1回が2014年11月18日から11月29日にかけまして、201か所から採水をして行ってまいりました。にもかかわらず、この2年間のモニタリングを完了する前に豊洲市場を開場しようという話に、今、なっているわけです。なぜこのように多額の費用をかける必要があったのか、安全性は大丈夫なのかという話になるわけでございます。

第9回が2016年11月18日に最後の採水が予定されていて、そして、年明けの1月にその結果が公表されるという予定になっていて、あと1回の部分、法律上の問題はないという話もありますけれども、しかしながら、殊に、生鮮食料品、水産物でございます。私は、環境大臣の経験からも、やはり食の安全ということについては、生活者の目線、そして、まさしく都民ファーストの感覚ということを大切にしなければいけないのではないか、このように考え、また、私の拙著にもその点を記させていただいたところでございます。

地下水のモニタリング結果をご紹介しておきたいと思います。例えば、5街区の41地点のこれまでの7回のモニタリングの結果を見てみますと、いずれも環境基準値以下となっております。しかし、検出値というのは、単純な経時変化というわけではございません。時間がたてば不検出になるという話ではないということであります。ですから、少なくとも、2年間のモニタリング結果を見届けるというのは、これは安全性の確認、そしてその説得力ということにおいては譲ることはできないと、このように考えているわけでございます。環境、そして安全面からのお話をさせていただきました。

小池知事「知事の部屋」 / 記者会見(平成28年8月31日)|東京都

 

  一回目の地下水モニタリングが2014年11月18日~29日にかけて行われて現在8回目が終了(HPの方は現在7回まで公表中。8回目は集計中かな?)ラストの9回目が2016年11月18日と。二年間で9回のモニタリング。大体三か月ごとに行われていた感じですね。「849億円もの費用をかけて土壌汚染対策法に即して土壌汚染対策を実施」か。土地代が1,980億円億らしいから、結構なもんです。新しく埋め立て地を作った方が安かったんじゃ・・・。

費用とスケジュールは?|東京都中央卸売市場

 

  小池さんとしては、豊洲市場の開場日が11月7日。モニタリング最後の取水日が11月18日なんだから、2年間のモニタリング結果を見届ける必要があるという立場ですね。もし最後のモニタリング結果がアウトなら、最悪、豊洲市場を閉めないといけないかもしれない。それぐらいならという所でしょうか。実際、開場をしてから営業停止のようなことがあったら、現在、言われている冷蔵庫の電気代とかそんなレベルじゃない補償金がいるでしょうし。まあ年末年始の前にとか色々理由はあったにせよ、(新市場建設協議会の概要|東京都中央卸売市場これの16,17回の議事録を見れば理由は色々出ます。)何とも言えませんね。小池さんが言ってることが正論のようには思います。法律上問題がないのならと思わんでもないけど。検査の日程も平成26年10月に汚染対策工事が終わって、翌月の11月から地下水モニタリング開始って所でぎりぎりではあったのだろうけど。

 小池さんが言ってることはまあ、正論ではあるとは思うんだけど、私も疑問に思うことがあるんですよね。11月7日に豊洲市場が開場という事は、その時の地下水管理システムってどうするつもりだったんだろう?と思うんです。現状、停止してるようです。だから地下水位が上がって、地下空間の底が開いている5街区の青果棟の底に大きな水たまりができてるわけです。地下水管理システムが動いていれば、ポンプで吸われてこんな水たまりはできていなかったでしょう。でも動かしてない。なぜかというと単純な理由で、動かすとモニタリングしている地下水の結果が変わるからでしょう。要するに地下水をポンプで吸うと地下水位も変わるし、ポンプに引かれてしまいますから計測もできない所が出るでしょう。また地下水管理システムが外因としてモニタリングの条件が変わりますから、こういう検査ではご法度だと思います。だから現状、検査条件を変えない為に動かしてないんだと。でもこれを動かさないと東京都の汚染対策として機能しないんですよね。少なくとも完全な状態ではない。でも11月7日の開場に合わせて、この地下水管理システムを動かしたら、それまでの試験と条件が変わります。そうなると2年間の地下水モニタリング自体が無意味になるように思うんです。11月18日の第9回目まで地下水管理システムは動かさないつもりだったのかなぁ、東京都は。ようわからん・・・。そんなことならエライことだけど。

 議員の話に戻ると、地下水だったらなぜ安全かというと、東京都が安全を確認して、都議も確認してるはずだからです。なんで言い切れるかというと、地下水はモニタリングしてるんですから。だから都議があの水を地下水だと思って測定してるなら、物凄くおかしな話なんです。5街区の青果棟に限った話をしてもそうです。あの地下ピットの水が地下水なら、東京都が今回の問題を受けて改めて地下ピットの水の検査をしてますが、それ以前にピットの水はモニタリングされています。ややこしいことを書いてますが、単純に建物下の地下空間にモニタリングポスト(地下水を取水する観測井)があるんです。それも複数。そのモニタリングポストから水を取水して、それを検査に回しています。だから建物下の地下水を調べて、安全となってるんです。都議も確認をしてるはずです。そして、その建物下の地下水がピットに沸いてきてるわけです。そういう訳で、あの水が地下水だと思って調べてる都議がいるとしたら、わざとやってるとしか思えないんですよね。政治的なパフォーマンスとして。もし違うのなら、豊洲市場の地下水モニタリングの資料を読んでないという事です。どちらにしても駄目だろ、としか言えません。

 実際、どういう形で地下水のモニタリングをしているかというと、 5街区で 72 カ所、6街区で 61 カ所、7街区で 68 カ所、計 201 カ所の観測井戸があります。

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 (地下水のモニタリング調査|東京都中央卸売市場 第7回:観測井設置箇所・分析項目等 (1.7MB)

 上の図のようにそれぞれの街区で、全域にモニタリングポストはあります。ちょっと見難いので5街区のアップがこれ。

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どう見たって建物の下にもモニタリングポストがあります。

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現状の建物の絵と重ねたのが上です。建物の下の地下空間にモニタリングポストがあるんですよ。で、下の図が前で話をした盛土の図とモニタリングポストを重ねたものです。モニタリングポストの位置が盛土の高さの違いの境を縫うように配置されているのが分かると思います。そらそうで高低差があるんだから境には配置できませんからね。汚染対策工事にモニタリングポストの設置は含まれていました。だからそれぞれの建物の下の地下空間には、複数のモニタリングポストが存在するんです。

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 だからね、建物下の地下水は検査してるんですよ、東京都は。それが安全なのは過去七回、東京都も都議会も確認をしてるんです。だったらね、何で都議は水を取ってるの?都議は地下水だと思ってたんでしょ?ベンゼンヒ素、シアンが出るのを期待してたんでしょ?知ってたの?知らなかったの?どっち?

 いやね、本当に言葉悪くなるんで申し訳ないけど、

お前ら都議、あほやろ。

ほんまに。

少なくともあのピットに行って水汲んだのはみんなボケでカス。

あのな、議員は遊びやないんです。人の命や生活を預かる商売。一度でもこのモニタリングポストがどこにあるのか、視察に行った議員はいますか?大事なもんですよ、これ。さっき書いたみたいに、小池さんが移転中止理由の一つにしとるのに。このモニタリングポスト巡りをしてたら、一発で地下施設があるの判ってます。だから誰もやってない。単純に東京都から「今回も安全でした」で資料もみとらん。このモニタリングポストの図面も毎回全部、HPに一緒に掲載されてるやん。それ見たらどう見たって、建物の下にモニタリングポストがあるわ。だから誰も資料を見てないのよ。そうじゃないんなら、全部わかった上で、政治ショーをやっとるだけ。大概にせーや、くそどあほ。

 

 失礼しました。まあ当事者でもないのに怒っても仕方ないんやけど。でもどう考えてもおかしいやん、これ。ほんでこれ、水質調査は政務活動費、使うんでしょ?東京都のモニタリングでは、ベンゼンヒ素、水銀、鉛、シアンの5つが検査項目になってます。それだけ調査するなら10万、20万かかるでしょう。意味のない検査にね。だから今回調査した議員は、水質調査費は全部自腹な。はっきり言うけど遊びだし、趣味で測りました、ぐらいの意味しかありません。

 

 さっき気が付いたんだけど、東京都が地下ピットの水質調査結果を公開しています。

  

豊洲市場地下ピット内の水質調査の結果について|東京都中央卸売市場

 

  結果を見たらOKです。問題ナーシ。

 

 でね、採取日を見てもすぐにやってるやん。掲載日も9月17日。だから公明が公開してた9月20日にはすでにHPに公開してるよ、東京都。公明が「シアンだシアンだ」って騒いでたけどさ。公式の数字は問題なし。議員が今やることって、こういう東京都が出してきた情報をすぐに広める事でしょ? ほんま、げんなりするわ。

 今回の件で一番悪いのは、まず、東京都。次に知事、諸々行政側。で、それとは違って一番責任があるのは、都議会であり、都議、議員だよ。あなた方、議員がきっちり議会としてチェック機能を行政に対して果たせていれば、こんな問題にはなってなかったのよ。だから今、都議がするべきは、なぜこの盛り土の問題が都議会で追及できなかったのか?これを検証すること。一言、書いとくけど「東京都が説明しなかったから」とか言わんといてな? それを見抜くのが議員やからね? 説明だけでいいのなら、HPに東京都が公開してればいいだけで、議員なんていらん話。説明がないことを見抜くのが議員。その為に居るんやから、議員は。

 

headlines.yahoo.co.jp

 でね、俺は柳ケ瀬さんには期待しとるのよ。幻滅してる面はあるけどさ。維新の議員ならね、他党の尻馬に乗るようなことはしなさんな。議論のトップを走れ。そんな非公式の数字を出してきても何の意味もない。その検査結果を東京都が採用するか?しないよ、そんなもん。水質検査をすることは議員の仕事じゃないんだよ。ホンマに意味のない行為。意味があると言うのなら、スコップ担いで豊洲市場の工事に行って来いって話。議員がする仕事は、水の話で言えば東京都の検査方法に不備があるか、ないかの追求とかだよ。上に上げたピットの水をどういう条件で東京都が取水したかとかを確認するのが仕事。維新の議員なら、さっき書いた追及もそうだし、まずな、築地の人間に謝りに行けって。延期になってすいませんって。やってたら御免だけど。どう考えたって議会がきっちり追及できてたら、問題なかったんだから。でね、追及が終わったら、議員報酬削減。移転しようがしまいが削減。やるしかないよ、議員の責任やもん。その金は築地の補償にでも充てたらいいと思います。

 

 罵詈雑言、読んで頂いた方に不快を掛けたと思いますが、今の正直な気持ちなので御勘弁頂けたらと思います。

 

⑥ 雑記

 まだ書くのかって感じだけど、豊洲で私が分かっていない疑問点の整理 

 1.砕石層、液状化対策が建物下に行われていない理由。(5街区の砕石層はあるけど、前回記事を読んでください)

 2.地下水管理の稼働日

 3.設計の初期段階の資料

 4.盛土の経緯

 5.青果棟の底がむき出しな理由

 

 ぐらいかな。東京都の正式な報告書待ちですね。

 最終的には移転するなら、地下空間になんか工事して「安全です」で移転かな。移転しない場合は予想もできない。なんか他の卸市場と統合するようなニュースも出てたけど。都庁の人間がリークでもしてるのかなぁ。移転する、しないを小池さんの立場で言えば「する」方がリスクは高い。こうなったらね。移転後に同じような問題が出てきたら確実に首を取られるから。移転白紙の方が可能性は高いのかなぁ。そうはなって欲しくないけど。だって移転しなかったら築地は多分ばらされて消えるよ。それはさすがに寂しい話だもの。

 正直、東京都は本当によくやったと思うよ。現場の人間は。豊洲新市場では100%、有害なものは出ないでしょう。少なくとも開場してからの地下水に関しては。技術の端くれで生きてる人間としては100%なんて言えないんですが、これに関しては言えます。そういうシステムにしてるもの。もし出たら運用をまずったってことになりますね。だから上手いなぁ、東京都の職員は。と思ってます。一応書いておくけど、正しい手順で100%にしてます。無理繰り、不正ではありません。

 

以上で今回の項を終わります。