第24回参議院選挙の総括 ~ 番外編 あれやこれや ~
第24回参議院選挙の総括 ~ 第四回 大阪府選挙区 なぜ二議席目を維新は取れたか?~ - 粉屋の大阪to考想
ここでは今回の参議院選で思ったことなどをつらつら書きたいと思います。
青山さんの立候補が決まったとき、TLで「これは自民からの刺客」的なことが流れてたのでそれをちょっと検証してみたいと思います。最初に書いておきますけど、私は青山さんはあまり好きではありません。断定しすぎなのがなんとも好きにはなれないとこです。
青山さんは自民党比例の2位でした。各得票の総数は全国で48万。凄いですね。近畿ブロックでは14万票を取っています。
また都道府県別でみるとトップ10に大阪、兵庫、京都が入ってます。近畿票はかなり食われました。これだけ見ると確かに「維新への刺客?」と思えないこともありません。
ただ近畿での自民党全体での獲得票数を見ると第23回に比べて、むしろ比例票は減ってるんですよね。全国での自民票は第23回と比べて、9%近く増えている中で近畿は減っている。また大阪における自民票は、
第23回 896,679票 → 第24回 820,641票
7.6万票を減らしています。増えてないんですよね。どちらかというと官邸サイドからの近畿、大阪へのテコ入れだったのではないかと思っています。また関東の方が実際のところ、獲得票も多かったですし。
【2016参院選 青山氏出馬会見詳報(上)】「1期しかやらない」「献金一切受け取らない」「拉致被害者高齢化、決心に」(2/3ページ) - 産経WEST
「先週に突如、8日前、12日だったと思う。安倍総理から電話がありまして、『参議院の比例に出てもらいたい』といわれたので、お断りした。安倍さんから『そう言われるだろうと思って言った』と。」
上の記事は青山さんの出馬会見の詳報からです。以前から自民サイドからの接触はあったけど、断っていた。最終的に安倍さんからの一本釣りって感じなんでしょう。ほら、大阪自民の府連の会長さんはとても優秀な人です。選挙応援に行って、自民候補が締めた車のドアに挟まれて、指を骨折するぐらいにオキノドクな人です。だから安倍さんも頭を飛び越えて、青山さんに直接に声を掛けたんでしょうね。関西票のテコ入れのために。まあ維新票も食われた部分がないわけではないでしょうけど、思いっきりへこみそうなとこには、何がしかの処置をするのは当たり前です。以上のような感じで、私は青山さんの出馬が維新に与えた影響はそう大きなものではなかったと思ってます。出馬してなければ維新が食えた票はあったでしょうけど、選挙は戦いですから仕方ないでしょう。
② 一枚目は「浅田」、二枚目は「高木」の真偽
参議院選挙期間中、「一枚目は浅田、二枚目は高木でお願いします」というデマが大阪で飛んでいるという情報がありました。勿論、浅田、高木両候補は選挙区です。よって二枚目の比例票に「高木」と書いても、維新票として無効票です。しかし、他の政党で「高木」さんがいたんですよね。どことは言いませんが、某共産党です。
その候補さんの結果です。ちなみにこの方は、岐阜の方の支部長さんでした。今回の選挙結果の得票順位は24位。岐阜の方ですから、得票も一部の県を除いて、岐阜県がトップで260票を取っておられますね。
一部の大阪を見ると・・・782票。
・・・ないでしょ、これw
まあ500~700票ぐらいは食われた計算になるのかな。単純に間違えて投票されたものもあるでしょうし、ご本人は全く預かり知らない話だとは思います。「何で大阪でこんなに入ってるんだ?」って首を傾げられてるかもしれませんね。しかし、失礼な話ですよ、これを仕掛けた人達は。いや維新にではなくてですね、共産党にです。だって共産党も大阪で選挙区に候補を立ててるんですよ?情勢判断で落ちるの確定してるから、方針を切り替えたのかも知れませんけど。浅田さんに選挙区で一票が入るんだから、敵対行為ですよ、これ。身内にそういう事をできるってのはようわかりません。まあどうでもええけど。
あ、ちなみに湯河原の知事さんが党首をしていたとこの「おおさか」さんは別段、変な点はありませんでした。比例票で「おおさか」だけだとこちらに比例票が行くという判断を総務省がしていました。けど、特に問題はなかったようです。まあ数票とかもうちょいぐらいあったかもしれませんけど。
③ 無効票について
無効票について纏めてみました。今回は無効票、多いんですよね。
大阪では全国平均よりも下回ってますし、選挙区・比例共に過去の平均よりも下なので、今回は全国的にも低い方ですね。「維新浅田」とかで投票しないようにとか呼びかけてましたけど、効果あったのかな。数があったとしても無効票は一定数は出るものなので、仕方ない側面はあります。0にしたいとこですけど。自署式止めて、記号方式にすればいいのにね。話戻りますけど、今回、やたらと高いとこがあります。沖縄の比例とかは大体、毎回で高いんですけど。まあ元々が高い傾向がある県が多いんですけど、にしても高い。高知県は「合区反対」という無効票が多かったっていう報道は観ました。そういうのもあるのかなぁ。今回、高知県は高知と徳島で選挙区が合区されました。選挙区の無効票が6%を超えてるっていうのは凄いですね。全国平均の倍以上。うーむ。
今回の無効票ですが、
選挙区1,537,385票 比例代表 1,725,121票
食いたいな、この辺。特に比例の無効票が多い県は政党に対する不信が高い県でもあるので攻めたいですね。
高知県は無効票の内訳を出してるんですけど(たぶん唯一)以下がそれになります。ご参考までに。
選挙区:
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/270101/files/2016070800035/kaihyo_ks3.pdf
比例代表:
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/270101/files/2016070800035/file_201671115277_1.pdf
前回の第四回を公開してから、地下鉄の路線と支持率は関係しているのではないかという指摘をツイッターでいただきました。そこで、大阪市市営地下鉄の路線と今回の維新の2候補の得票率を白地図に書き込んだものです。色分けは維新の平均得票率37.45%を中心に色分けをしています。
維新平均得票率より高い地域(赤)←やや高い(緑色)←平均(水色)←平均よりやや低い(黄)←平均より低い(橙)
これだけを見ると確かに、地下鉄が複数線が入っている地域で維新は強いんですよね。
「維新が変えた私たちの生活、20のコト」という纏めにも地下鉄のトイレのことなどが触れらています。地下鉄を利用していてトイレの改修は大きなポイントだったと思います。実際、地下鉄のトイレは臭かったですしね。トイレットペーパーも備え付けられてなかったし。勿論、維新の改革はトイレだけではないので、これだけで今回の結果を得たわけでは全くありません。ただ傍証の一つとしては観れます。
こういった事の積み重ねはあるんでしょうね。
昼間、夜間人口の推移とかもみてみたんですが、府下の様々な市からの細かい流れが分かれば、検証できるかもしれません。しかし公開されている数字はその市町村、行政区の数字しかないのでわかりませんでした。残念。
上の図の数値の元は上の表の「維新票の割合」という所になります。ここで見て頂きたいのは、住民投票では反対票を多く投じた投票区の内、天王寺区、東住吉区、阿倍野区などが、今回の参議院選では維新にかなり高い得票をいただいてることが分かります。特に天王寺区では、過去の知事選や市長選を見ても余り得票は高くないのに、今回の参議緯線ではトップレベル(40%以上)の得票率になっています。これは「てんしば」「天王寺動物園」の効果があったんじゃないかと思います。やはり目に見える改革の効果というのは強いですね。
ちょっと余談ですが、大阪府知事・大阪市長のW選は橋下さんが知事を任期途中で退任して、時機を合わせました。これで何が変わったかというと大阪市の投票率です。橋下さんが知事選に出馬した大阪市の投票率は47.08%で、府全体の48.95%より低い投票率で終っています。これが知事・大阪市長W選にした橋下・松井W選での大阪市での投票率は、60.92%と府全体の52.88%よりも8ポイント高い結果になっています。近々の吉村・松井W選でも同様に5ポイント、大阪市での投票率は上がっています。大阪市は維新が強いですから選挙を戦う上で有利になります。W選の効果は色々ありますけど、こういった効果もあるんですよね。この絵を作った人は大した政治感覚を持っておられると思います。
また府域全体での維新の得票が上がった要因の一つとして治安もあると思います。
上は大阪府警の犯罪統計です。これの「 刑法犯罪種及び手口別発生市区町村別認知件数」というとこがあります。これは一年間の府警が発生した犯罪を認知した件数の賦課の市町村の一覧になります。これの2015年と2011年を比較すると、17.7万件から13.2万件になります。25%程度下落していることになります。橋下さんが知事になった2008年から比較すると37%になっています。こういったことも維新支持の要因の一つになってるんでしょうね。
以上でこの稿を終わります。