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粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

第24回参議院選挙の総括 ~ 第四回 大阪府選挙区 なぜ二議席目を維新は取れたか?~

第24回参議院選挙の総括 ~ 第三回 選挙区 ~ - 粉屋の大阪to考想

 

 第四回ではおおさか維新の会が大阪府で二議席をなぜ取れたのかを考えてみたいと思います。ただ1回目でも書いたようにその理由はわかりませんでした。数字だけを見ると、「なるほど、此れなら二議席を取れるな」という数字は出ています。そこからなぜ、こういう数字になったのかという点を考察したかったのですが判りませんでした。読者の方々には一緒に読んで頂き、なぜ2議席を取れたのかを考えて頂けたら幸いです。

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 大阪選挙区における今回の結果が上の表になります。維新の票は2候補の票を合計したものです。第24回についていうと維新は府下全域で均等に取れていますね。強いて言えば大阪市が38.9%と平均より1.9ポイントほど強い。自民は政令市以外の周辺市町村で高い傾向があります。公明党は都市型ですね。民進は大阪市以外の周辺で得票傾向が高い。共産は満遍なく取っています。

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 上の表の総得票をグラフにしたものです。大阪維新の会は前回と比較して34%以上の伸びを示しています。自民は減、公明は横ばい。民進は微増、共産は微減ですね。維新が次の参議院選で大阪において3議席目を取るには、自民の1/3、民進の1/2、共産の1/4ぐらい取れればなんとか届くかな?

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 第23回からの第24回の票の伸びを纏めたのが、上の表になります。維新は全域で25~35%近く伸びていますが、堺市での伸びは鈍化しています。

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維新の政令市における前回と比較しての票の伸び率ワーストです。堺市はやっぱり結構に悪いんですよね。特に堺市中区。それでも25%の伸びがあり、得票率も36%あります。ただもう少し伸ばしたいですね。そして住之江・・・。これも得票率は37.89%と平均的には取れてるんですけど。病院とか特別区での分割が影響してるのかなぁ。

f:id:pankoya:20160721093828p:plain維新の伸びの上位です。

自民は大阪市で90.28%と大きく落としていますね。

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上の表は自民党の前回と比較しての政令市での票の伸び率です。一番悪かったのは大阪市の西成で突出して下がってますね。ええ感じに70%以下になっています。府全体でも7%の得票率を落としています。

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良かった方でも票が伸びたのは、3区のみで微増ですね。全体的に自民は支持を落としてるという見方でいいと思います。

 公明は微減ですが、大阪市堺市の政令市で大きく票を落としています。5%落としており、これが謎です。

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ワーストの方だと10%程度、市内で落ちてるんですよね。良い方でも100%はほぼ超えてませんし。府下全体でも票数は落ちてるので、移住という訳でもないだろうし。政令市外は100%前後を取れているので、政令市でのコントロールが甘くなってきてるのかな。報道でも「票の取り纏めに苦慮」とか公明党は報道されてたし。注視したい点です。

 民進は政令市で票を伸ばしています。ちょっと警戒が必要です。

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注意したいのは票を減らした選挙区数が少ないこと。全体的に票が増えていることですね。じわりと増えているので。

共産は逆に政令市で票を落とし、他は微減で維持というとこでしょうか。

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共産党は一部地域で極端な落ち込みを見せていますね。増やした投票区のうち、大阪市中央区天王寺区、西区。ここら辺は自民党も伸ばしてるとこなので力を入れたいとこですね。

 

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おおさか維新の会の浅田・高木両候補の票を足した、府下における各投票区の維新2候補の合計得票率の表が上になります。府下平均が37.45%なのでこれを中心に作っています。これを府下で色分けしたのが下の図になります。

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大阪市の中心に確固とした基盤が出来ていますね。弱い地域としては堺の中心部、北摂南河内の方ですね。来年の堺市長選に備えて、堺市の得票率を上げたいとこです。門真市はほぼ平均。市長選を戦える舞台はできていると思われます。

 

 次に浅田、高木両候補の結果を見ていきたいと思います。

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 浅田さんが府下で72.7万票、高木さんが66.9万票を獲得しました。比率としては府下で52.1:47.9。4.2ポイント差と僅差の範囲に収まっています。これって結構に稀有なことだと思います。特に両候補が新人であることを考えてもそう思われます。(逆にそれが今回の結果を生んだ可能性はありますが)基本的に複数定数の選挙区で、二人候補を立てた場合、一人が強く、二人目は弱い。そしてその地域でその政党への圧倒的な支持があり、候補間に票差があっても当選できるというのが、通常の形です。実際、自民を例に挙げると今回の参議院選では以下の3つの例を見てみました。

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今回の選挙で自民が立てた二人候補の選挙区で、千葉、東京、北海道を選びました。これを見ると千葉がポイント差は最小ですがそれでも13.7ポイント差。東京は35.7ポイント差もあります。北海道は一人落ちていますが、千葉と同等の感じですね。千葉の選挙区で下位の候補が上位候補に票数で上回った投票区は62投票区中5投票区のみ。東京は0で、上位候補が20ポイント差以上の差をつけたのが66投票区中、52投票区でした。23区での最大ポイント差は江戸川区で、45.2ポイント差を開けていました。北海道は、50%以上が188投票区中、97投票区でした。政令市とその他の市での得票差が当落の明暗を分けたのでしょうね。

 では次にこのポイント差を見ていきたいと思います。下の表は府下の各投票区における一覧になります。

 

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  これでみると浅田さんの地元の城東区がトップです。29.6ポイント差が最大ですね。対する高木さんは地元の堺市南区で最大24.4ポイントです。50%の青色の均衡の左側である浅田さんが強い投票の数を浅田さんがとっているので、大差がついててもおかしくはない形です。高木さんがとっている黄色、橙色は投票区の数では半分以下ですから。これだけ見ると大阪の広い地域で、浅田さんが維新支持者から支持されたことが分かります。

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 先の表を府下で色分けしたのが上の図になります。これを見ると大阪市の中心部から北が浅田さん、南が高木さんという感じでしょうか? 天王寺のハルカスを中心に分けているという感じですね。

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  先の表の各ブロックの票数を纏めたものが上の表になります。実際に纏めてみても高木さんの強い地区の総投票数は全体の(5.9+8.8)=14.7%にしか過ぎません。(30.2+30.4)=60.6%を浅田さんがとっています。いや本当になんでもっと差が出ないのかという感じです。

 しかし、「各ブロック/各候補の総得票」というとこを見てください。これは各ブロックでの2候補の得票数と府内全体の各候補の総得票数における割合を示しています。「浅田強い(赤)」で浅田さんが府内全体で獲得した票のうち33.1%、およそ1/3を取ったという事を示しています。これを見るとお互いの候補が相手の強い地区でも一定、票を取り、差があまり開かない状況になっています。その下のポイント差を見ると、両端のそれぞれの候補の強い地区でも、同ポイント程度の14.1,13.8ポイント差になっています。要するにどちらかの候補が勝ちすぎている投票区がほぼないんですね。

 浅田さんやや強い(緑)から高木さん強い(橙)までの四ブロックの各候補の集計が次になります。

 

 浅田候補:486,423票 高木候補:488,407票

 

 若干、高木さんが上回っています。

 両候補の府下の票差が       727495-669719=57,777票。

 浅田強いブロック(赤)の票差が 241,072-181,312=59,760票。

 浅田さんを強く推した投票区の票差分で、浅田さんが頭一つ抜けたといった感じですね。

 

 で、なんでこんな僅差になったのかが、やはりわからない。先に並べた得票率を並べてもはっきりした傾向は出ません。

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勿論、維新の得票率が高い投票区は、浅田さんが強い地区と重なりはする傾向はあります。しかし、はっきりそうだとは言えないんですよね。今回、維新の議員団ごとに分かれて各候補を応援したので、府下の維新の市会議員、府会議員、国会議員の分布も調べてみたんですがどうもそれでもない。それぞれの議員さんの後援会の数や、参議院選挙期間中の演説会等の開催場所なども関係あるのかもしれませんが違うでしょうし。前回参議院選と比較して、得票数の伸び率かも知れないと思って調べても見たんですが、それも違う。松井さんの二期目知事選、吉村さんの大阪市長選とも比べてみましたが、それもはっきりしない。維新の得票率とは連動はしてますが、それぞれの候補への配分については因果関係は見えない。それは住民投票の結果も同じ感じです。結局、何もわからないというのが結論ですね。無念・・・。

 とはいえ何かを纏めるとしたら、自分なりの結論、というより推論ですが、まず第一に維新の執行部が国会、府議会、市議会の議員団単位で支援をする候補を決めたこと。これが大きかったのはあるでしょう。それぞれの自主判断に任せず、統制だった動きが出来たのだと思います。そして二点目は区分けをしなかったこと。私自身は区分けをした方がいいのでは?と思い、ツイッターでも書いていました。しかし、それをしなかったことが良かったのかもしれません。仮にやったとしても、それが浸透するには時間も情報発信力も足りなかったと思います。また逆に区分けをすると両候補間の票差がはっきり出ていたかもしれません。そこからして、もうわからないのが現状です。本当に今回の結果は不思議です。

 他にも様々な要因はあると思うんです。例えば、男女の組み合わせ、年齢の違い、出馬タイミングが高木さんは遅かったこと、大阪市選出の浅田さんと堺市選出の高木さんという地理的な要因。高木さんが自民から維新へ移っての出馬も、ある種の判官びいき的なものを呼び込んだ可能性もある。勿論、それを可能にしたのは高木さんの為人ですが。そういうものを天秤にどんどん放り込んでいったら、絶妙なバランスの位置で停止したというのが今回の結果なのかもしれません。

 ここまでは従来の選挙を元に考えた要因ですが、私は維新の支持者が自律する組織票になっているのではないか? もしくは成ってきているのではないか?と想像をしています。そしてこれが従来型の勝手連や、アメリカのティーパーティとまた違うのは中心がないことです。中心というか指導者、リーダーがいないという事ですね。加えると徒党を組まずに個人、ないし極少数で完結してる。単純にいえば組織ではない組織票です。党員でもないし、維新の組織には何ら直接的に関係していない個人の支持者が、各個に判断をして票の取りまとめに動いたのだと思います。中心がいないというより、ネットやその他の情報で、直接に執行部と物凄い緩い形で繋がっていると言ったらいいのかな。今回の参議院選では大阪2議席至上命題でした。その党の目的をしっかり捉え、それを達成する上で現状の票をどうすればいいかを各個で情報収集をし、考えた結果がこの選挙結果だと思います。勿論、維新の議員さんや選挙ボランティアさんの最大限の努力の上にそれが乗るわけですが。そういった意味で今回の参議院選で、法律を提出するのに必要な最低議席数の確保を目標に掲げたことは最大の勝因かもしれません。法案提出の議席数確保が目的で、2議席を取るのはその手段という事ではっきりした行動目標が出来た。それが、それぞれの行動を判断する上で助けになったと思います。

 

 そしてそういう「あやふやな」組織に必要なのは正しい情報です。決して、ミスリードを使った情報操作ではありません。今回、おおさか維新の会の情報発信は良かったと思います。石井苗子さんやにわさんがそういう方向性で目立っていましたね。浅田さん、高木さん、よしのさんもよかったです。参議院選用の特設HPや演説でのネット発信の頻度も今までになかったものがありました。ただちょっと思ったのは、憲法改正案を前面に出したのにそれを解説するテキストやHPがなかった点です。勿論、憲法改選案は維新のHP上にあげてありますし、それの解釈についてのPDFも併せてアップはされています。でもそれを更に詳細に、砕いた解説する何かが必要だったのではないかと思います。またマニフェストなどを解説、説明をするページや動画がいると思います。そしてそういう発信された情報を束ねるものがなかったという点も改善点だと思います。これは私も次の課題にしたいとは思っている点です。例えば、足立さんがニコニコでマニフェストを説明する機会がありました。でもその動画がツイッターで紹介されても流れたら終わりなんですよね。そういう動画をストックして紹介するHPなり、メーリングリスト、ブロマガが必要だったのではないかと思います。個々の候補や議員が情報を発信をしたものが”縦糸”なら、それを編む”横糸”が必要だと思うんですよね。例えば、議員さん方はショートムービをツイッター上に上げておられました。良い出来なものが多かったです。でもやっぱり流れて消えます。そういうのを一覧で見れるようなものが欲しかったですね。ネットの利点は情報発信の安さと拡散の容易さです。そして逆に最大の欠点はその拡散の難しさです。情報発信の安さはビラなら配ればそこで終わりですが、ネットに上げたものは1人が見ようが、100万人が見ようが関係がありません。そして安さとは、わかりやすさでもあります。今回、議員さんがアップされていた動画はそれぞれのアカウントでYouTube等に上げておられました。でもあれも一つのアカウントで集中管理したほうがよかったんじゃないかと思います。別に上げるのはそれぞれのアカウントで上げればいいわけですが、それを拾ってきて集中管理するものが欲しいです。単体の動画ではなく、動画の数を集めてそれの中でどれかがヒットすれば、釣られて他の動画の視聴数も上がりますから。そしてそういう動画・ブログのアップ情報や演説会の情報などを纏めたブロマガ的なものは必要だと思います。そういった横糸的なものが必要なのではないかと考えています。

 

 最後に今回の維新の戦いを一言で総括すると「ベスト」かな。落選された候補の方々には失礼な言葉になるかもしれませんが、現状の維新のベストは出せたと捉えています。最善に戦い、最善の結果を得たと思ってます。

 次の維新の山場は来年の堺市長選ですね。ここは絶対に崩さないといけない山です。勿論、総合区・特別区の争いも大事ですけど。堺市長選は平成29年9月頃でしょうから、それまでに是非とも勝てる候補を用意してもらいたいですね。

 

以上で全四回の総括を終わりたいと思います。ここまでお読み頂き、ありがとうございました。下の方政令市以外の票の伸びの上位下位を示しておきます。後は番外編でちょっと個別に書きたいことを纏めたいと思います。

 

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第24回参議院選挙の総括 ~ 番外編 あれやこれや ~ - 粉屋の大阪to考想