粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

第24回参議院選挙の総括 ~ 第一回 結果考察 ~

 2016年7月10日に行われた第23回参議院議員選挙の総括を今回は書きたいと思います。書きたいことは大阪維新の会を中心に大きく分けて四つについて触れます。

 ① 全国的な各党の議席の変動。

 ② 比例票の全国の票の流れと大阪維新の会の得票率。そして当選した各候補の詳細や落選した人たちがどれだけ票を大阪維新に持ってきてくれたか?

 ③ 選挙区の全国の票の動き 

 ④ 大阪における浅田・高木両港のダブル当選の票の流れの解析をしたいと思います。目的としては、それにより2候補がなぜ当選できたのかを解明したかったのですが、力不足ではっきりした要因についてはわかりませんでした。ただ現時点では票の動きを見てるとある程度の推測はできるので、それについて書いてみたいと思います。  

 ① 第24回の参議院議員選挙総括

 

 今回の第24回参議院議員選挙において、勝利したのは公明党です。自民党はほぼ現状維持です。比例は伸ばしたものの選挙は議席数を「減らして」います。参議院議員選挙は三年ごとの半数改選です。改選された第22回と第24回を比較した場合、選挙区は39議席から37議席へ減らしています。比例で勝ったので議席数は増やしていますが、実質的に自民党は現状維持です。

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 公明は選挙区で勝ちました。これは民進・共産などの野党共闘に備えての対策だったのでしょうが、これは自民の失点になると思います。今後、この議席は公明は守るでしょうから。

 民進党は、議席を減らしたものの、前回の第23回参議院選挙と比較した場合、下落率は一定の歯止めがかかったと言えます。第23回は第21回と比較してた場合、凄まじい負けっぷりでしたから。支持の下落率は一定緩和したというのが現状の判断で間違いないと思われます。まあ結果だけ見れば惨敗ではあるんですが。当初予想されたものより、最悪と言ってもいいですが、それよりは良かったというのが妥当な判断でしょう。野党共闘効果はそれなりにあったという事で、継続していくんじゃないかな。でもそれだと支持の下落は止まらないんだけど。手術は怖いので、野党共闘というきつい鎮痛剤でごまかしてるのが現在の民進党です。そして維新の残留組が合流した効果ですけど、あんまなかったってのが本当のとこじゃないのかと見ています。数としては見えにくいので、なんともですけど。

 共産党は当初予想ほど、野党共闘の効果は出なかったというのが私の結論です。負けに等しい勝ちという所でしょうか。二ケタ以上の議席は取れそうな感じでしたが、蓋を開ければ選挙区は1議席を取れたし、比例も伸びたものの、前回と比較すればそう大きな伸びはしていません。これは野党共闘による共産党への票集めは失敗したと判断しています。短期的には民進党の方に野党共闘は効果がありました。長期的には共産党にあるでしょうけど。野党共闘の共産党の本当の目的は、民進党の選挙基盤への浸透にありますから。また野党共闘により、共産党から離れた票も多かったのではないかと思われます。

 最後におおさか維新の会ですが、選挙区3比例4の計7議席でした。私はこれはおおさか維新の会の全力で挙げれた最大成果だと思っています。この結果は私の当初予想のMAXでした。後だしジャンケンっぽいし、過去の選挙結果等の国政での維新票の減衰率からの単純計算ですけどw ただこの予想には、田中康夫さんや元みんなの渡辺喜美さんは含めていません。過去の選挙結果からのみで判断をしていました。それからすると入党効果は±で若干プラスだったかなと推測しています。比例票でいえば私の予想より25万位は上積みはされていますが、近畿全体での下げ幅が小さかったこともあります。しかし、五議席目を取る原動力には成り得なかったと判断しています。ただ政策の立案力は上がったので、今後のおおさか維新の会の政策立案能力の向上には期待をしています。あと人脈もそうですね。また私の予想では、橋下さんの引退は加味をしていません。京都補選はそれがもろに出た面もあると思います。私の予想と今回の結果は、橋下さんがいた当時の選挙結果と同じ減衰率で出したものとほぼ同じですから、橋下さん引退の影響は一定、維新支持者の中からは無くなったかと思われます。おおさか維新の会は、日本維新の会で戦った最初の衆議院選挙からずっと票を落としてきました。橋下さん引退の影響をもろに受けていた場合は、おそらく選挙区2~1、比例3で最大5,ないし4議席が最大になっていたと思います。選挙区で3を勝てたのは近畿を中心に「大阪維新の会」の政策が浸透してきたからです。よって、今回のおおさか維新の会の結果から、私は国政におけるおおさか維新の会の票の下げ止まりは底を打ち、上昇の気配が出てきたと思っています。ただ今後、これをさらに上に向けるには維新の成果を数多く示していくことが必要です。国政の場、そして地方自治の場において。 

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 上の表は過去の参議院選挙における各党の総得票数と立候補者一人当たりの平均得票数になります。

 選挙区では自民の投票総数は横ばいです。公明は立候補者数を4名から7名に増やして平均は落ちたものの、立候補した7名の全勝で強さを見せています。民進党は得票数を上げています。野党共闘+維新残留組の合流?効果なのかな。共産党の比例票を考えると100万票くらいが共産党から民進党に流れたように見えます。共産党は平均は倍増してますが、これは候補者を46名から14名に絞り、選挙区を限定した戦いをしたからです。その割にパッとしてませんが。おおさか維新の会は、平均は増えてますがこれは大阪・兵庫・東京での成果ですね。

 比例代表での自民の投票総数は160万票を積み上げ、平均も大きく増えています。これは候補者を29名から25名に絞ったため、平均が大きく増えています。なぜ立候補者数を減らしたんでしょうね?正直、勝ちに行くなら、もっと比例候補を立ててもよかったとも思います。青山さんを終盤に立ててきましたけど、立候補者に不足する自民党でもないだろうし。過去の自民党は35名を立ててた時期もある訳で、改憲をするのなら逆に増やすのが普通のように思うんですけども。当選者数と立候補者数を見れば、今回の結果は最善ではあったように思えます。でも一票でも多く取るという立ち位置で考えれば、立候補者数を減らすのはよくわからない選択です。公明は比例は安定してるというか安定しすぎだろうというとこですね。平均44万で過去三回、安定をしています。立候補者数も変わらず17名で維持をしています。民進は一人当たりの平均が増えてますね。支持の下落が止まってきている兆候と見ています。共産は選挙区に立てていた人を比例に回しているようですので平均は大幅に下がっています。おおさか維新の会は前回と比較して、八割ぐらいに票は落ちています。しかしこの数字は善戦したと私は捉えています。立候補者数も減った上でのこの数字ですし。

 

 自民党が比例で候補者数を絞った理由がわかりません。まさか勝ちすぎないように絞ったという訳ではないでしょうし。選挙戦略としてベストの選択を取ったという事でしょうし、結果も出ているので問題はないんですけどね。しかし安倍さんは改憲をする気があるんだろうか。本当に安倍さんが改憲をする気があるのなら、参院選前に野党時代に作った自民党改憲草案から、与党になった安倍改憲草案を作っておいて然るべきだと思うんですよね。そして衆参同日で総選挙に打って出るべきでした。そこで大勝して、その勢いで一気に国民投票に持ち込むぐらいでないと、国民投票では勝てないと考えています。現行では、改憲案を整備するのも難しいのではないかと捉えています。そういった点で、今回の参議院選挙の争点とは何だったのかと不可解に感じています。

 

 では第二回はこれらのことを数字を上げつつ、示していきたいと思います。

 

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