粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

渡辺喜美氏の入党打診に想う今後のおおさかの展開について

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 おおさか維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は6日、旧みんなの党の代表を務めた渡辺喜美行政改革担当相に、夏の参院選への出馬を打診することを明らかにした。関係者によると、渡辺氏は比例代表での立候補を検討しているという。
 松井氏は大阪市内で記者団に、渡辺氏と9日に大阪市のおおさか維新の本部で会談すると発表。渡辺氏から「一度会いたい。初心に戻って行革の仕事をしたい」と申し入れがあったという。松井氏は「(渡辺氏の)行財政行革に懸ける情熱や行動力に非常に感銘を受けていた。一緒に戦っていきたい」と語った。 
 渡辺氏は化粧品会社会長からの8億円借り入れが発覚し、2014年4月にみんな代表を辞任、同年12月の衆院選で落選した。その間、政治資金規正法違反容疑などで市民団体に告発されたが、不起訴処分となっている。

 

 今回はこの渡辺さんの出馬打診について書きたいと思います。
 しかし、悪意のある記事だなぁ。最後に渡辺さんのマイナスイメージ付加するあたりとか、記事には出馬を打診とありますが記者の囲みで松井さんは、下地さんから話が合って渡辺さんに会うっていう話だったんだけどなぁ。毎日の党名変更記事に始まり、この前の産経の乙武さん出馬報道とか、ディスカウントおおさかをやりまくっとりますな、マスコミは。この囲みでも松井さんが産経、共同に乙武さんのことを問い質しても何も答えず、逆に記者は「接触してなかったのか?」とか聞く始末だし。松井さんは乙武さんと面識もないし、連絡手段もないって言ってるのに。 まあマスコミのことは執行部におまかせするとして、この件について書いていきます。

 私は渡辺さんの入党には反対です。今回の件は、衆参同日選挙を睨んでの行動なのかもしれないけど、おおさか執行部は焦り過ぎだなぁと思います。渡辺さん経由の候補者がって部分もあるんでしょうけども。旧みんなの党で合流してくる人たちもいるだろうし、それも計算には入ってるんでしょうけど。私としては渡辺さんがみんなを再興させて、そことおおさかが組むのならベターだと思っています。維新が国政で力を失ったのは、そういう焦りから既存勢力と組んだことなんだから、その辺はいい加減学習してほしい。

 私はおおさかが政権をとる日は待望していますが、国政での成果がないと票も付いてきません。おおさかが今、目指すべきは市長・地方議員を多く抱えて、おおさか改革の果実を多くの有権者に実感してもらうことです。その上での国政です。そういった市長経験者を多く抱えて、彼らを国政に送り出していく体制作りこそが必要です。

 現状のおおさかの売りは国政の成果ではなく、その政治色が白いことです。既存勢力とは支持基盤などの立ち位置が違うという点にあります。分裂によって色を落としたのに、またぞろ違う色を入れたらその部分だけが目立ちます。渡辺さんにどうこうはないけど(多少薄目になる部分はありますが)、党の看板を背負った人を入れればそのついている色が大きなシミとして有権者には映ります。おおさかという純白の布にでっかい色のしみがつくんだからそこしか目立たないことになります。

 維新が最初の国政選挙で支持を集めたのも現状の制度の変革を望む人が一定数居り、そこに都構想を始めとした制度改革の看板が受けたからです。そういう改革は既存勢力では出来ないこともそういう人達は理解しています。そして維新が既存の勢力とは違うところからできた新興勢力だからこそ支持もされたんです。だから太陽との合併以降、維新が既存勢力と組むたびに国政で力を落としてきました。維新は常に野党の立場なんだから国政におけるマイナスはない、そして大阪では着実に実績を積み上げたにも係らず、支持を落としてきたのはそういう事だと思ってます。だからおおさかは次の参議院選挙では現状維持プラスαを最大目標に戦えばいい。これは同日選挙でも同様です。国政の目標としては多くの候補者を立てるのではなく、候補者を絞って勝敗率を限りなく100に近づける戦いがベストだと思っています。おおさかの最大の目標は次の統一地方選挙で、ここを勝つにはどうすべきかを戦略目標にしないといけません。

 

 ここで負けたら、おおさかは消えるか完全に埋没します。

 

 だから渡辺さんと組むにしても、最大限で顧問。顧問として渡辺さんの推薦する候補を擁立する。政治家として渡辺さんを表に出したら、収支のトータルはマイナスにしかならないと考えています。

 おおさかが長期的に戦う上で主義主張を超えて、入党を認めていくことはあるだろうし、政治的な妥協は政権をとる上で避けれません。だから純化路線という言葉は、私は嫌いです。でも今はその時期ではないと私は考えています。今は、残ったおおさかのメンバーがおおさかという白地のキャンパスに、維新の理念という絵を思う存分に描く時期です。要するにまずおおさかの旗を作らないといけません。それは憲法改正案もそうだし、都構想を国レベルで考えた時の施策などもそうです。そういった道具をまず、おおさかの現メンバーで作る。まずそこからだと考えています。

 京都補選の批判にもなりますが、何故、出馬したのか私はわからない。党内事情とか色々あったのかもしれませんが、今、おおさかが一番やってはいけないことは「負ける」ことでした。おおさかの執行部は橋下さんの幻影に支持者よりも囚われてるんじゃないかと思います。橋下さんは政治家を引退しました。橋下さんがおられたときの維新の支持が100として仮に橋下さんが50を持っていたとします。それで橋下さんが引退して、その後の支持が差し引き50になるかというとそうはなりません。この時のおおさかの支持は20~30ぐらいにはなります。-50が-70にも-80にも働きます。偉大な創業者を失うという事はそういう事です。二代目は一代目よりも厳しい目で見られます。執行部は橋下さん引退で-20ぐらいに考えてるんじゃないのかと思っています。おおさかが今やるべきは、橋下さんの政治家引退によるマイナス評価分を本来のおおさかが持つ正しい評価値に戻すことです。それは有権者に対して、政策を示すことのみが解決方法です。立候補者の多寡ではないんですよね。勿論、政策も並行してやってはおられるでしょう。下地さんの憲法改正案にもそれは見れます。(キラキラ提案のネーミングはどうかと思いますが)ただ、現状の候補者探し優先のようにみられる現状は修正の必要があります。これは自分で書いてて苦しい面もありますが(マスコミに誘導されているのでは?)、おおさかのはっきりとした国政での方向性が見えない。この点なんですよね。参議院選に向けたマニフェスト。これを一日も早く読みたいと私は願っています。

 

 おおさかが今やるべきことは、都構想の実現なんです。まずここ。ここをクリアーして初めて次に繋がる。都構想は一回目よりも二回目は確実にハードルが上がります。まず単純に否決を受けての二回目という事。二つ目に総合区と競り勝たなければならない事。そして三つ目に熊本大震災により、自治体の急を要しない巨額の出費に対して有権者が否定的になることです。二回目の住民投票(総合区の時もそうなるでしょうが)では、このことを反対派は大喧伝してくるでしょう。本質的に違う自治体だから関係の無い話と言い切れはしますが、宣伝効果は抜群になるでしょう。自分で書いてて、熊本地震を引きに出してることに忸怩たる思いはあります。しかし相手はやってきます。「都構想をやる金があるのなら、防災にその金を使え!」これに打ち勝つ説得力を持つことはかなり難しい。昔から都構想に対して理解のある人間は「だからこそ都構想が必要」と考えます。しかし、このワンワードの連呼を浸透させられると非常に勝ち目は薄くなるでしょう。これを予防するためにも現在の熊本地震における熊本県熊本市、各県下の自治体、そして国との連携にどういう問題があったのか?改善点は?という点でおおさかはレポートを纏めておくべきです。そして防災の点だけでも都構想は必要と言い切れる材料をあらかじめ用意していて欲しい。具体的には現行の府市の体制と都・特別区の体制での防災面における都の優位性を確立しておくこと。そうしないと二回目の都構想も否決になると考えています。

 

 話がそれましたが、都構想を実現し、その上で国政おおさかがやっておかなければならないのは、現実的に都構想を道州制につなげる政策を持つことです。それは抽象的なものではなく、個別具体のタイムスケジュールを伴った現実的な案ではなくてはいけません。都構想が都構想単独の政策ではなく、将来的に大阪都道州制のシステムの一つとして機能する制度であることを示す必要があります。そしてそれを全国に拡げた絵も描く。そういった複合的な絵を描くこと。それこそが今のおおさかに求められていることです。

 

mainichi.jp

 

 自民党道州制推進本部(原田義昭本部長)は26日、都道府県を再編して国の権限や財源を地方に移譲する「道州制」の党内議論を再開した。

 自民、公明両党が2013年にまとめた道州制推進基本法案の骨子を基に、地方創生との相乗効果などを検討するほか、道州制の研究を目的とする新組織の設置も決めた。

 

 これ、自民のおおさか潰しの一つです。勿論、これだけが目的はないですけど。この流れに先に行かれることは絶対に避けなければなりません。この件については対案、修正という立場ではなく、議論の主導権をおおさかが握る方策が必要です。その為にも自民よりも具体的な案を自民より早く作り上げる必要があります。その上で、自民案を対案として位置づけて、その議論をおおさかが先に仕掛けることが必要です。
 
 結局、こういう積み重ねをしていくしかありません。私は維新全体でこの五年は都構想の実現。そして次の五年で、その実績を糧に国政での飛躍を目指すべきだと思っています。それぐらいのスパンは取って考えないと、土台ごと崩壊をしてしまうことになるのではという危惧を持っています。よって、執行部には慎重な戦略策定をお願いしたいと思っています。

 

以上でこの稿を終わります。