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粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

有効求人倍率編 <維新の改革パネル検証その1>

このシリーズは維新がTMで使っている新パネルのうち、「維新の改革効果」について検証をしてみたいと思います。

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維新の改革効果(大阪維新の会HPより)

 上のパネルがそれになります。今回、第1回目は「有効求人倍率」について、検証をしてみたいと思います。ここで維新が挙げている数字は、橋下市長が就任時の2011年から2014年までにどれだけ各数値が変化をしたかを示しています。これらの数値が果たして正しいのかどうかとそれに付随した問題について考えてみたいと思います。

  有効求人倍率とは?

有効求人倍率│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

 有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合で、雇用動向を示す重要指標のひとつです。景気とほぼ一致して動くので、景気動向を測る一つの目安になります。
 厚生労働省が全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに算出し、「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」で毎月発表しています。有効求人数を有効求職者数で割って算出し、倍率が1を上回れば人を探している企業が多く、下回れば仕事を探している人が多いことを示します。

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 大阪府の有効求人倍率は2011年の0.68倍から2014年に1.12倍と大幅に改善しています。単純に仕事の選り好みをしなければ、求職者に対して仕事を与えれる状況であることを示しています。

 この数字ですが、厚生労働省の大阪労働局の平成26年度統計年報から採用され、これが論拠の数字になっているものと思われます。

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平成26年度統計年報 | 大阪労働局->主な統計の推移

 上のように大阪府の雇用状況は改善していってますが、それをさらに詳しく見ていきたいと思います。同じく、大阪労働局の「求人・求職状況速報(平成27年8月分) | 大阪労働局」から考えてみたいと思います。これは平成27年10月1日に大阪労働局から発表された資料になります。ここでは、平成27年8月の大阪府の有効求人倍率が1.22倍に改善され「現下の雇用失業情勢は、引き続き改善している」としています。平成27年8月の国の有効求人倍率は1.23倍、近畿の平均が1.13倍になっています。よって大阪府の数字は悪い数字ではありません。

 

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 これは求人数と求職者数、有効求人率のグラフです。ここで見てほしいのは各注釈です。ほぼ全て「5年ぶりに回復した」というものが並んでいます。そして求人倍率は堅調に上昇しています。また求人数と求職者数が1.0倍でクロスしてからその差は開いています。これは大阪府完全失業率が低下していることを示しています。

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労働市場月報(H27.9月号)参考 完全失業率から 大阪労働局

 しかし、大阪市失業率は改善されてきたとはいえ、依然全国平均より依然、高い状態にあります。これの原因は大阪市以外の周辺市の影響が大きいのですが、それは後述します。大阪って府全体で見ても失業率は全国と比べて高止まりしてるんです。これ、何故かと言えば単純に生活保護率が全国の二倍だからです。生活保護の半分は老人なんですが、それを勘案しても1%ちょいは失業者がいる。これが失業率を押し上げてるんですよね。大阪の生活保護率が全国平均になれば失業率も平均並みにはなるんですが。

 次に大阪府と国の年平均の有効求人倍率の表を示したいと思います。大阪府だけを見ていてもよくなったとは言えません。次のグラフは厚生労働省の長期データ(有効求人倍率(実数及び季節調整値)e-stat 第9表 有効求人倍率(季節調整値)シート)の年度平均の全国平均、東京都、大阪府、愛知県、福岡県を1963年から2014年までの推移を見ます。

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しかし、愛知県があほみたいな求人倍率なので3倍までを上限に編集したものが下になります。

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 これを見ると大阪府は70年代初頭までは東京、全国平均を上回っています。しかし、1976年を境に下回った後は、これらを超えることは2000年に入るまではありませんでした。2000年から2014年のグラフを下に示します。2000年に入って、数年は全国平均を上回りましたが、その後、ほぼ全国平均で推移します。

 

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 次に近畿における有効求人倍率の推移を見てみたいと思います。先程のグラフで、近畿各府県と全国平均のグラフを以下に示します。

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 これを見ると近畿平均を押し上げるには、やはり大阪府の数字が良くならないと伸びません。これを見ると太田府政の時にかなり上がっていて、維新を支持する自民党支持者としてはよしっ!となる訳ですが、あれ?w 2002~2006は全国的なプチバブルの時機でした。そこで太田府政は減債基金を取り崩すほどに財政出動をかけてあげたわけですが、2007年のサブプライムに端を発した世界不況の影響を受けて一期にガン下げです。財政出動による景気浮揚はまやかしなんですよね。

 

 先の失業率で、大阪府全体の有効求人率を上げるには周辺市の状況も含めて考えないといけないと書きましたが、次に大阪府内の有効求人率を見てみたいと思います。

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 これは、ハローワーク一覧 | 大阪ハローワークの各ハローワーク事業所のHPから統計情報の中にある最新情報(平成27年8月)を集計したものになります。先に挙げた数字と違いますが、これはハローワークが「常用」の数字のみを公開しているためです。

 

常用(集計結果(用語の解説)|厚生労働省

雇用契約において雇用期間の定めがないか又は4か月以上の雇用期間が定められているもの(季節労働を除く。)をいう。

 

 8月の国の有効求人倍率が1.23倍。上記の表が1.08倍。雇用の定めのない不定期雇用(いわゆるアルバイトなど)が、8.2人に一人ってことになりますね。ちょっと憂鬱になりますが。

 話戻って、表に空欄がありますがこれは各ハローワークに該当データがないためです。(もしくはデータが古い(更新されていない?)、フルターム・パートタイムのデータが分割されてないetc)役所って本当にデータのテンプレートが統一されてないんですよね。これ、本当に何とかして欲しい。国に提出する決算報告書もついこの前まで統一されていなかったぐらいですから、しょうがないのかもしれませんけど。フルタームは所謂正社員。パートタイムはそのままパートです。

 結果としては、大阪市内の平均がフルタイム1.67、パートが2.69、全体で1.93になっています。大阪市外の平均が0.69、1.55、0.78。府の平均が0.96,1.41,1.09ですね。データに空欄があるのであくまで概算にしかなりませんが、それでも大阪市大阪市以外で有効求人倍率に2倍程度の違いがあることがわかります。

 大阪府というのは大阪市一強です。大阪市の次に数字が良いのが、大阪市周辺市。この辺が0.7より上で、さらにその周辺市は0.5ぐらいに落ちます。これはやはり是正されなければならない問題です。勿論、日本全体でこういう構図があるのも確かです。例えば東京の場合、東京都を中心にして周囲の県はこれと似た状態にあります。しかし、だからと言って放置していい問題ではありません。地図上にある大阪市の市境はそれ自体が経済の壁として厳然と存在します。これを壊し、大阪市の市域を広げ、より広範囲での大阪全体の発展を目指すためにも都構想は大阪に必須です。

 

 しかし堺の数字悪いなぁ。フルタイム0.63。布施(東大阪)の0.86以上は出せると思うんですけどね。市としての規模・ポテンシャルを考えたら。市長の手腕というのは大切ですね。