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粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

大阪会議の年間経費は三億円以上也 +大都市局について

大阪会議

 今回は大阪会議にかかる事務局経費について書いてみたいと思います。10月14日の大阪府議会の総務常任員会にて、維新の河崎議員から大阪会議の事務局について質疑がありましたので、これをご紹介したいと思います。

 

大阪府議会 議会中継(動画)

委員会ー>総務常任ー>( 10/14 (水) 河崎 大樹(維新)質疑)

 

 まず、この大阪会議事務局(以下、事務局)の法根拠ですが、大阪会議の条例に規定があります。

 

(事務局の共同設置)
第12条 本市は、大阪府及び大阪市と協議の上、大阪会議の事務局を共同で設置するものとする。

 

 これを根拠として、大阪府では「大阪府戦略調整会議事務局設置規定」を定め、これに従って事務局を運営してるようです。この規定は例規集にまだアップはされてないようなので、内容はわかりません。これを法根拠として大阪会議の運営費が出ているのだと思います。大阪市堺市にもおそらく同じ規定があると思うんですが、同じく例規集にはまだありませんでした。(大阪会議の条例は上がっていましたけども)

 

 前回の大阪会議関連で書いた中で、(10月6日の大阪市議会・財政総務委員会での大阪会議改正修正案の質疑について )3自治体のどこが事務局を担当しているのかを紹介していた中で、堺市だけわかりませんでした。質問の中で出てきたので、以下に示します。それぞれの部署の紹介文も合わせて併記します。

 

事務局局長:大阪府:政策企画部政令市連携室長

 政令市連携室では、政令指定都市である大阪市及び堺市との連携を推進するため、大阪戦略調整会議の運営を行うとともに、府及び両市における政策等の調整を図ります。
大阪府:政策企画部 政令市連携室連携調整課 課長

 連携調整課では、政令指定都市である大阪市及び堺市と政策的に協調し、政策の一体性を確保するために設置された大阪戦略調整会議の運営を行います。
大阪市大阪市政策企画室企画部連携調整担当 部長

 戦略会議の運営、経済団体等との連携、国の施策・予算に関する提案・要望に関すること。

堺市堺市市長公室企画部長

 企画部 堺市

 

 堺市には大阪会議とは明記されてないのでわからないのですが、府の方からそういう説明だったのでこの部署がやってるのだと思います。府と大阪市はちゃんと大阪会議の運営って書いてあるんですけどね。やっぱりトップが違うと部下の意識も違うという好例です。

 事務局体制としては大阪府の政令市連携室長が事務局局長をして、3自治体のそれぞれが次長になり会議運営を担っているということですね。各自治体のそれぞれに担当部局を置いているといった感じです。大阪会議の会議資料制作および会場の設置などが業務内容になります。

 河崎議員の質問で、3団体で事務局を担う上で問題はないか?という質問がありました。それに対する回答が以下です。

 

 団体間で緊密な連携を務めて会議運営に務めてきた。しかし3団体の首長に加え、各団体の会派議員への連絡も各団体を通じて行うので3団体の委員の意見集約・確認に時間がかかる。連絡も電話やメールによるので意思疎通を図っているが、相手の状態(連絡がつかない場合など)によってタイムラグが出る。

 

 といった回答でした。まあ大阪会議の当日の動画を見ていても運営の役人さんがバタバタ走り回っていましたからね。大変だなぁというのは容易に推察が付きます。

 府市連携局や共同設置のメリットなどの質問のあと、河崎議員は9月29日の朝日新聞の都構想にかかった経費の記事を紹介します。

 

 大阪都構想の関連経費32億円 6月まで、7割超人件費:朝日新聞デジタル

  6月までに都構想にかかった関連経費は、大阪府大阪市で総額31億7852万円と判明した。

 経費の7割超を占めたのは、都構想の事務局を担った「大都市局」の職員人件費で23億5494万円。

 

 大都市局の人件費が23億円。それ以外が住民投票にかかったお金といった報道内容ですね。ここで朝日の報道に問題があるのは、大都市局というのは都構想だけを仕事にしていたわけじゃないんです。

大阪府市大都市局の設置について(イメージ)(第18回大阪府市統合本部会議資料より)
 上は旧府市統合本部の第18回における会議資料で、大都市局を設置する際のイメージ図になります。

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  この時点のイメージ図でも大都市局は、「大都市制度部門」「広域部門」「戦略、政策調整部門」に分かれています。河崎議員も質疑の中で、大都市局の仕事は府市統合本部やAB項目の仕分け作業もあったと発言しておられます。実際の大都市局は、以下のような仕組みになっていました。この資料は大都市局廃止に伴い、大阪府市の方でデータが削除されてるのでソースの提示はできません。私が持っている大阪市の大都市局HPにあったデータを提示します。

 

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 大阪府市大都市局は職員数102名。この人数は一定ではなく、時期によって80名の後半から最大102名ぐらいと変遷があります。局長一名と理事2名がトップになります。

 総務企画担当:職員数18人

  ・局の総務(総務、企画、人事、予算等)
  ・議会、特別区設置協議会、府市統合本部等に関する総合調整
  ・その他特命に関する事項

 制度企画担当 :職員数37人

  ・大都市制度に関する企画立案

  ・国との協議
  ・その他特命に関する事項

 制度調整担当:職員数16人

  ・資産・債務の帰属先、組織体制

  ・人員配置に関する関係部局等との調整

  ・その他特命に関する事項

 広域事業再編担当 :職員数14人

  ・府市事業再編に関する関係部局等との調整
  ・府政改革

  ・市政改革との連携
  ・その他特命に関する事項

 戦略調整担当:職員数14人

  ・新たな大都市制度移行後の戦略

  ・ビジョンづくり
  ・府市の戦略会議との連携
  ・その他特命に関する事項

 

  府と市役所の精鋭がこの大都市局で広域行政の様々な政策を立案、府市の各部局に指示をし、大阪の司令塔として機能していたかと思うと胸が躍りますね。本当に大都市局が廃止されたのは大阪にとって大きな損失だと思います。

 ここで実際に都構想を企画していた部署はどこかというと「制度企画担当」になります。職員数37名ですからほぼ1/3ということです。朝日の論理に乗っかっても、23億5494万円 ×(37/102)=8億5424万円 ≒ 9億円というとこですかね。朝日の記者も、もうちょい調べてほしいですね。素人でも一応、ここぐらいまではできるのに。まあわざとなんでしょうけども。

 

 話戻って、河崎議員はこの朝日の記事にあえて同じ土俵に乗り、では大阪会議の現在の事務局は何人なのか?という質問をします。府の平均給与が900万円で府と大阪市の人数が13+11=24人ですね。

 

大阪会議の人員(府の平均給与:900万円/1人)

大阪府政令市連携室   13人 1億1700万円

大阪市大阪市政策企画室 11人    9900万円

 

 府と大阪市合わせて、年間2億1600万円。堺市については答弁にありませんでした。推定でも大阪市程度はかかるでしょうから、人件費だけで3億円以上、経費を入れたらもっとかかるという結論になります。あくまで朝日新聞の論理に乗ったら、ですけども。でもこの金額が仮に1/5としてもこれは毎年かかるんです。

 ここで一点、気になるのが堺市の人数の答弁が府の役人の方から無かったことです。おそらく堺の方から情報が府の方に来てないのでしょう。この大阪会議の事務局体制も、二重行政の象徴と言えますね。

 まあでも実際、大阪会議の三回を見てきてそんなに金をかけるべきものなのかと思います。仮に大阪会議が今後、ちゃんと稼働するようになったとしましょう。そうなると大阪会議には多くの部会が生まれます。

大阪市市政 府市統合本部

 

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 府市統合本部のHPが上のリンクになります。大阪会議では協議事項について専門的に調査、審議するため、専門部会を置きます。これは条例第9条で規定されています。橋下市政では、上にあるように様々な会議が開かれ、これらの結果を統合本部で検討していました。それらの事務局機能は大都市局が担当し、出た結果を政策化。府と市役所の関連部局に指示していました。大阪会議でも同じです。大阪会議の委員が挙げた議案を部会で検討するにしても、ある程度の政策化をしないと部会で検討することもできません。

 例えば、府、大阪市、堺での広域インフラの提案をある委員、会派がしたとします。その提案が現実的に可能かを検討するにしても数字などの資料を用意しないといけません。提案者がそれを用意したとしてもそれの客観性を確保するために役所側での資料製作は不可欠です。でないと話し合いをして結果が出ても、実行でき無い案でしたという結果になりかねません。こういったように複数の部会が動くようになれば事務局も数十名が専任しないと動きようがありません。しかし現状では、単なる連絡にも齟齬をきたすような組織体制にあります。よって、大阪会議専門の事務局設置は必須です。そういった事務局が不要と言っている大阪自民はそもそも大阪会議を機能させる気がないと言われても仕方がないと考えます。基本的に大阪会議に関する予算が最低ラインでも年間10億以上ないのなら、私は大阪会議自体が意味のないものだと考えています。大阪会議を条文通り解釈するのならそれぐらいの予算は当たり前ですし、私自身、10億程度では出来ないだろうとも思っています。企画というのはどこの組織でも金がかかりますし、金を懸けない組織に結果は出ません。

 

 最後に河崎議員の質問の中で面白い指摘がありましたのでご紹介します。

 現在、大阪市の市政改革室で、総合区について検討がなされているそうです。職員数は、16名。年間人件費は1億8000万円です。議員の思い付きにも付き合わなくてはいけないのは本当に大変だなと思います。