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粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

民主落選党と大阪維新との看板・政党交付金問題について考えてみた

維新、分党協議を開始 党名と交付金分配で双方譲らず:朝日新聞デジタル

 路線対立から分裂が確実となった維新の党で29日、松野頼久代表ら執行部と、橋下徹大阪市長の新党に合流する議員との間で分党に向けた協議がスタートした。焦点は、第三極の看板だった「維新」の党名をどちらが使うかと、政党交付金の分配方法だ。とりわけ党名問題は双方が譲らず、初回協議は平行線で終わった。

 「橋下徹あってこその維新だ」。29日の協議で、橋下新党に合流する片山虎之助前総務会長と馬場伸幸国対委員長が強調したのは、党名に対する「本家意識」だった。

 橋下氏は新党名を「おおさか維新の会」にすると表明している。片山氏らは、松野氏と今井雅人幹事長に「維新の名前を使い続けるのは駄目だ」とも主張し、分裂後は「維新の党」の名を変更することも求めた。しかし、松野氏らは「それは厳しい」と反論。党名については譲らず、議論は平行線に終わった。

 松野氏ら執行部側が党名にこだわるのは、「維新」の名が改革勢力の象徴で、変更すれば有権者の支持が離れると見ているからだ。松野氏に近い議員らは「改革の方針を変えていないのだから、維新の党の名前を変える必要はない」「勝手に新党を立ちあげる人たちに、なぜ名前を譲らないといけないのか」と主張する。

 一方、維新の党の政党交付金の配分については、10月1日の次回協議から本格的な議題となりそうだ。

 

「維新」返上に応じず、3度目の分党協議物別れ : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

維新の党の松野代表は2日、橋下徹大阪市長が旗揚げする新党「おおさか維新の会」に参加する意向を表明している馬場伸幸国会対策委員長らと、国会内で3度目の分党に関する協議を行った。

 馬場氏は政党交付金の分配と「維新」の名称の返上を再度求めたが、松野氏ら執行部側は応じず、協議は10分で物別れに終わった。

 協議終了後、馬場氏は記者団に「時間がたてばいい結論が出るわけでもない」と述べ、6日の4度目の協議で決着を図りたい考えを示した。執行部側には、大阪側に一定の資金を提供する案も浮上しているという。

 

 

 現在(10/3)、維新の党での分裂に発した党名と政党交付金が問題になっています。民主落選系と結系(以下、民主落選組)が維新の党に残り、大阪系が分裂して出る話になっています。ここで党名の「維新」の取り扱いと政党交付金の分配で揉めています。私自身は、民主落選組が大阪系維新に「維新」という党名を譲らないのは、維新系に「維新」を名乗らせないように民主党などから指示が出ているのはないかと思っています。橋下新党が維新を名乗らせないようにするために、橋下新党が立党して正式名称が決まるまで党名を確保するのが狙いでしょう。また政党助成金ですが、これは民主党へ合流するための「持参金」にしたいから分けることはしないと思います。なにせ民主落選組は票を集めることもできないので、金ぐらいもっていかないと次の選挙で何もして貰えませんからね。まあこの話は一旦、横に置いておきます。

 

 ここでは政党交付金について一度整理したいと思います。

 政党交付金ですが、国の説明は次のようになります。

 「政党助成制度は、国が政党に対する助成を行うことにより、政党の政治活動の健全な発達を促進し、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的とした制度です。」

 政党助成法(平成6年2月4日公布、平成7年1月1日施行)には、政党助成を行うにあたって必要な政党の要件、政党の届出その他政党交付金に関する手続きのほか、政党交付金の使途の報告などについて定められています。

 

 簡単に纏めると国が政党に金をやるから裏で金をもらうなよ、という制度ですね。

 政党交付金の総額は次の考えで設定されています。

 250円 × 128,057,352人(平成22年国勢調査人口)=32,014,338千円

 国民一人当たり250円で人口分をかけて、総額320億円を政党に支給するって感じです。これを衆議院参議院の得票数に応じて各政党に分配されます。政党交付金を貰える政党の与件としては「所属国会議員が5人以上」「得票率が2%以上」というようになっています。

 

 政党交付金の額の算定は次の表のようになっています。

f:id:pankoya:20151003153158p:plain

 政党交付金の半分はその政党の議員数、残りの半分を得票数でそれぞれ4項目で計算した合算がその政党への交付金の配分額になります。この交付金の支給ですが年四回に分けて政党へ支給されます。4月、7月、10月、12月の各月の20日に公布されます。支給額は基本的に各回1/4づつの支給になります。10月現在では政党交付金の半額が支給されている形になっています。

 

 今回の分裂などでの政党交付金の取り扱いですが次のようになります。

 

f:id:pankoya:20151003153700p:plain

 今回の維新の党でいえば、「分割」ないし「分派」のどちらかになるかと思います。

 分割の場合で言えばA党「維新の党」→いったん解散→B党「民主落選党」とC党「おおさか維新の会」に分割することになります。この場合、すでに交付されている政党交付金の残額は民主落選党とおおさか維新の会に所属する国会議員数で比例配分されます。まだ交付されてない分は再計算され、国からそれぞれに交付される形になります。

 分派の場合は、現在、維新の党の執行部は民主落選組が握ってるので大阪維新派は分派して新党を結成することになります。この場合はA党「維新の党」はそのまま存続することになり、これまで交付された政党交付金の残額は民主落選組の維新の党が握ります。これから交付される交付金も分派した維新系の分も含めて全てがA党「維新の党」に入ります。民主落選組はウハウハって形ですね。B党になる大阪維新の年内の交付金は0です。

f:id:pankoya:20151003154516p:plain平成27年分政党交付金の交付決定

 維新の党の平成27年度の交付金総額は26億6478万円ですね。これの半分は10月3日現在、まだ交付されていないので、民主落選組が大阪系を分派で追い出せばこれの全て、13億円余りのお金がそのまま手に入ります。維新の党自体は分派によりほぼ半分づつになる訳ですから、6億5千万が本来は大阪維新系に入るはずです。しかしこれが全て民主落選組のものになり、「不労所得」になるわけです。しかも維新の党の政治団体に入っているお金もすべて手に入りますからこの「利権」は大きいです。 

 現在、維新の党の金庫にいくらあるのかわかりません。総務省|政治資金関連資料では、平成25年分までしか現在公開されていません。この時は、日本維新の会だったのですが、この時の本部(()内の数字は本部・支部の合計)の平成25年度の収入・支出が以下になります。

 収入:4,098,761,000円(7,168,241,000円)

 支出: 52,148,000円(616,477,000円)

 差し引き40億~60億位余ってる勘定になります。平成26~27年度でどれくらいの収支があったのかで変わります。実際、どれくらい金庫にあるのかわかりませんけど基本的には所帯は増えているので、収入は増えているでしょう。その分支出も増えてるでしょうけどね。

 ここで結の党解散に伴い、日本維新の会が合併して維新の党になった時点の政党交付金を見てみたいと思います。これは上の方式でいうと「存続合併」になっていると思われます。日本の維新の会が名称を変更していますので存続していますから。この時点での交付金総額は次のようになっています。

日本維新の会  1,043,379,300 円
結の党     174,496,500 円

結いの党の解散に伴う維新の党に係る未交付金の交付決定 平成26年10月8日)

これの比率を見ると

   結の党 / 日本維新の会 = 174,496,500/1,043,379,300 =16.7%

 維新の1/6程度の勢力で金庫を全部持ち逃げできたら大儲けですね、結と民主落選組は。正直、寄付や党費もあるので何とかならんかと思います。

 

 次に党名ですが此れも難しいようです。政治団体の名称として、既存の政党の名称または政治資金団体の名称やこれらに類似する名称は使用できません。(政治資金規正法第6条3項)まあ現、維新の党執行部が党名変更を了承してくれたらいいわけですが、しないでしょうしね。つらいとこです。

 

 政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律なんですが、この法律は「政党が財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務を運営」するための法律です。政党の法人格の規定をしています。この法律の中の「第三章 法人の管理」9条になるんですが、これの4項に利益相反行為というものがあります。

 

(利益相反行為)
第九条の四  法人である政党等と代表権を有する者との利益が相反する事項については、代表権を有する者は、代表権を有しない。この場合においては、党則等の定めるところにより、特別代理人を選任しなければならない。

 

 ここでいえば大阪維新系を「政党等」とし、「代表権を有るする者」を現代表の松野代表とします。そうすると大阪維新系と松野代表との利益が相反する事項については代表権を有する者は代表権を有しないと解釈できないのかな? この解釈が成立するなら特別代理人を選任し、今回の分裂問題の調停が出来ないのだろうか? うーむ。

 

参考資料:

総務省|なるほど!政治資金 政党助成制度

東京都選挙管理委員会 | 政治団体 | 手引き・リーフレット | 政治団体の手引き

政党助成法 

政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律

政治資金規正法