大阪会議第二回への道のり
第二回大阪会議が第一回大阪会議が開かれてから開催までの道のりを整理しました。
第二回は結局、自民、共産、竹山堺市長の欠席により、堺市の委員が4名欠席。流会となりました。
2015年7月24日「大阪会議」第一回開催
2015年8月4日
大阪自民から大阪会議会長へ申し入れがありました。私の意見は以下のページに纏めています。
橋下市長に大阪自民が違法再議を使うなと言ってる件について - 粉屋の大阪to考想
2015年8月5日
2015年8月6日
・平成27年8月6日 大阪市長から、自民党系3会派からの申入れ(平成27年8月4日付け)に対する意見が提出されるとともに、各委員に対する議題の早期提案及び準備会合の早期開催の要請がありました。
大阪自民の8月4日の意見書に対する橋下市長のアンサー。至極真っ当です。
2015年8月7日
2015年8月10日
13日開催が通知されている大阪府と大阪市、堺市の首長や議員による「大阪戦略調整会議」(大阪会議)の第2回会合について、自民党府議団は10日午前の議員団総会で、欠席する方針を決めた。今後、自民の大阪、堺両市議団とも対応を協議する。
大阪会議の設置条例によると、会議の成立には3自治体の委員(各10人)それぞれの3分の2(各7人)以上の出席が必要。大阪維新の会を除く他会派も欠席に同調する動きがあり、第2回会合は会議の定足数に満たず不成立になる可能性がある。
一方、自民府議団は大阪会議設置条例の改正案を提出するため、10日午後に松井一郎知事宛に臨時府議会の招集を求める。
条例では「会議の議事は3自治体の委員それぞれの過半数で決することを基本とする」とされているが、初会合では大阪市の委員の賛否が同数で規約案がまとまらなかった。自民の改正案は会議運営に関する事柄に限り、全体の過半数で決定できるようにする。
2015年8月12日
・平成27年8月12日 自民党系3会派から、橋下市長の意見(平成 27年8月6日付け)に対する意見が提出されました。
8月6日の橋下市長の意見書に対する大阪自民のアンサー。
全く論理的に成り立ってません。
大阪府と大阪市、堺市の首長と議員計30人でつくる「大阪戦略調整会議」(大阪会議)について、公明党は12日午前、13日に予定される2回目の会合に出席する方針を決めた。3議会の公明会派幹部の会談で確認した。定足数を満たす可能性が高く、2回目は開催される見通しが強まった。
自民府議団が10日、欠席の方針を表明し、公明党の対応が注目されていた。公明府議団の林啓二幹事長は記者団に「入り口の部分で止まっている状況は府民(の目)にどう映っているのか。会議を前に進める」と説明した。
大阪会議は条例上、3自治体の各10人の委員のうち、それぞれ7人以上出席しないと開けない。
大阪府と大阪、堺両市でつくる「大阪戦略調整会議」(大阪会議)を巡り、自民党大阪府議団が、8月の開催を求める臨時府議会で提出する条例改正案が12日、判明した。会長による恣意(しい)的な会議運営を防ぐため会長解任規定を新たに盛り込んだ。
大阪維新の会の今井豊会長(府議会議長)が13日の会合開催を決定したことに関して自民は強権的だと会長を批判していた。
改正案は「会長たるに適しないと認める時は、委員の過半数で解任できる」と規定。また、議事運営など一部の議決に限って各自治体に付与した拒否権を取り払い、「出席委員の過半数で決する」との条項も加える。
一方、堺市の竹山修身市長は12日、大阪会議の第2回会合(13日)を欠席する考えを明らかにした。同市の自民(2人)と共産(1人)も出席しない方針で、会議は定足数を満たさずに流会となる。
竹山市長は記者団に「3首長と全会派で大阪全体の発展を議論するのが会議の趣旨だ。一部会派の欠席が予想されるため残念ながら欠席する」と語った。
開催には、3自治体それぞれで委員10人のうち7人以上の出席が必要。
大阪市の公明市議も欠席するとの動きがあったが、公明党は12日、3府市の議員で協議し、出席することを決めた。
2015年8月13日
第二回大阪会議。
大阪自民が欠席した理由を大阪自民が自己解説。理由になってません。
理由の如何に係らず、大阪自民は第二回大阪会議に出席するべきでした。出席した上で、大阪自民の意見を述べたうえで流会の動議なり、会長の解任動議なりを出せばよかったんです。
「ポスト大阪都構想」の役割を担うと期待され、13日招集された大阪府と大阪市、堺市の首長と議員計30人による「大阪戦略調整会議」(大阪会議)の第2回会合が流会した。自民党と共産党、竹山修身堺市長が欠席し、出席委員の数が定足数(各自治体10人のうち7人以上)を満たさず、会議が成立しなかった。橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)は「(最大会派の)維新も今後は欠席戦術を採り得る」と宣言。大阪会議は事実上、頓挫した。
「定刻になりましたが、堺市の委員が4人欠席し、定足数に達しておらず、開くことができません」。午前10時、会場の大阪市役所7階の特別委員会室。大阪維新の会と公明党などの委員が着席する中、会長の今井豊府議会議長(維新)が不成立を告げ、会合は5分足らずで終了した。
大阪会議は、維新が提唱し5月の住民投票で反対多数となった都構想の対案として、自民が設置を主導した。しかし7月の初会合は大阪会議を都構想の対案と規約で位置づけるか否かで物別れに終わった。第2回をめぐっても、議題を何とするかで各党の立場が分かれ、自民は早々に欠席の方針を打ち出していた。
会議の意思決定には各自治体の過半数の同意が必要で、単独過半数を占める会派がないことから、協調しなければ何も決まらない。
橋下氏は散会後、「そういう会議体と知っていて欠席戦術を採った」と自民を批判。「大阪会議は死滅した」と“死亡宣告”した。
「ポスト大阪都構想」を担うと期待されてきた大阪府、大阪市、堺市の首長と議員による「大阪戦略調整会議」(大阪会議)の13日の第2回会合は、自民党と共産党、竹山修身堺市長の欠席により流会した。大阪維新の会と自民党は流会後、頓挫の責任は「相手にある」と互いを批判し、対立を深めた。成長戦略や二重行政の解消が議論される見通しはなく、有権者には会議の存在意義が見えづらくなっている。
「話を聞いてくれない状態で応じる必要はない」
流会後、自民の花谷充愉(みつよし)府議団幹事長は前日に自民欠席を知って連絡してきた大阪会議会長の今井豊府議会議長(維新)の電話をあえて取らなかったと明かした。
聞いてくれなかった話とは、自民が第2回会合に先立って提案した議決ルールの改正。要望を聞き入れなかった維新側に問題があるとの認識を示しながら、「一方的な欠席ではなかった」と強調した。
自民と維新の溝は深まるばかり。今井会長は副会長の木下吉信大阪市議会副議長(自民)とは開催日時の調整すらしておらず、花谷氏は「会長の調整不足。延期してほしかった」と批判。定足数(各自治体の委員10人のうち7人以上が出席)を割り込むことが確実な中で招集を取り下げなかったとして、維新が自民を批判するために強行した「政治的行為だ」と言い放った。
これに対し、今井会長は記者団に「かなり調整した」と苦労を強調。竹山氏の欠席届を確認したのは会合の直前だったとし、自民党が主張するような「政治的行為」ではないとの姿勢をみせた。
橋下徹大阪市長(維新代表)は「自民が掲げる議題は抽象的で、具体的提案がないから議論に出てこられない」と批判。自民が提案する会議の設置条例や規約の改正には「もともと自民が考えたのに簡単に覆そうとしている」と応じる考えがないことを強調した。
出席した公明党は、林啓二府議団幹事長が維新と自民の歩み寄りを求めた。11月の大阪ダブル選挙を前に反都構想で連携した自民と対応が分かれたが、「こんなことで亀裂は出ない」(大阪市議団の明石直樹幹事長)と平静を装った。
最後に欠席を表明し、流会を決定づけた竹山氏は堺市役所で「私だけ出ても有意義な中身にはならなかった」と主張。二重行政の解消を議論すべきだとする維新を「都構想に拘泥しすぎ」と切り捨てた。
大阪会議の模様と橋下市長・松井知事の流会後の囲み動画。
以下、今回の感想。
端的に言って大阪自民の今回の欠席は戦略的に失敗です。
政治において党に分かれて、争うのはなぜかというと、お互いの支持層を奪い合うためです。そうでないのなら民主主義において与党が過半数を採った時点で野党の存在意義は全くないということになります。維新は大阪に置いて過半数はないものの第一党です。大阪自民は彼らの政策・行動により維新の支持層を奪う、もしくは大阪自民の立場を明確に訴える必要があります。しかし、欠席をしたことにより大阪自民はこの道を完全に閉ざしてしまいました。今後、大阪自民が何を訴えても維新支持者に影響を与えることはないでしょう。この信頼喪失は民主党に対する信頼喪失以上のものがあります。これをリカバリーすることは不可能でしょう。
次に第一回から第二回まで、大阪自民は大阪会議を都構想の対案ではないといってきました。住民投票まで大阪意義は対案であったという自民府議の発言もありました。何ゆっとんねん、という点はありますがそれはおきましょう。では何なのか?というと全くの白紙なんですよね。自民の議題が。
平成27年8月13日午前10時開催の大阪戦略調整会議(第2回)を欠席するのでお届けします。 | 自由民主党 大阪市会議員団
大阪府知事及び大阪市長が議題として提案されている鉄道整備の優先順位や府立産業技術総合研究所・市立工業研究所について、優先的に具体の議論を行っていく用意があることもあわせて表明
大阪自民が、欠席理由とした中に知事と市長の議題の中からこれらのものを優先的に具体の議論を行っていく、と書いてます。なぜ知事と市長が提案している議題に、大阪会議は都構想の対案ではないと言ってる大阪自民が乗る必要があるのか?まずこの点からおかしいんですよね。乗るのであれば大阪会議は都構想の対案ということです。知事・市長の提案する議題は都構想により解決を図ろうとしていた懸案なんですから。
具体、個別の議論を2個してみませんか?ってなんの提案にもなってません。何の譲歩にもなっていない。大阪の問題が100あるのであればその100に対する対案、具体的な議題を大阪自民から提示しないといけないんですよ。大阪会議において、大阪自民がしたい議題、問題提起がこの時点でも何もない。これ自体が相当に深刻な問題です。単純に府・大阪市・堺市の大阪自民議員団で議題の取り纏めが出来ないんでしょうけども。それぞれに議題を持っていても方向性が揃えれない。結局、大阪に三つの議会があり、その3つの議会が同じ問題を協議しているというこの状況こそが最大の二重行政・三重行政なんですね。
都構想反対派が言っていた大阪都になると旧大阪市選出議員の数が都議会で比率として1/3以下だから発言力なくなる。よって旧大阪市(特別区)は不利益を被るという議論がありました。花谷議員も同じようなことを言ってました。
―大阪府と特別区の利害が対立したときのために「都区協議会」という調整機関がある。これは機能すると思うか。
都区協議会は知事と5人の特別区長で構成されている。話し合いの多くはお金(予算)の分捕り合戦なのだから、着地点は見出しにくいだろう。そうなると、最後に判断するのは大阪府議会だが、府議会の構成を見ると特別区選出の議員は全体の3割ほど。これでは特別区の意見はかき消され、そうなると話し合いでの解決も難しいだろう。
大谷昭宏事務所/Webコラム/大阪都構想を考える/インタビュー 自民党大阪府議団 花谷充愉幹事長
>最後に判断するのは大阪府議会だが、府議会の構成を見ると特別区選出の議員は全体の3割ほど。これでは特別区の意見はかき消され、そうなると話し合いでの解決も難しいだろう。
この花谷議員の発言ですが、「特別区」を「大阪市」に変えてみると以下になります。
>最後に判断するのは大阪府議会だが、府議会の構成を見ると大阪市選出の議員は全体の3割ほど。これでは大阪市の意見はかき消され、そうなると話し合いでの解決も難しいだろう。
現行の大阪府議会でも同じ話なんですよね。であるのであれば大阪市選出の大阪府議の存在意義ってなんなんでしょうね?これって有り得ないんです。国会でも同じ状況ということになりますから。比例がある分だけ、より厳しい状況になります。大阪は国から意見をかき消されてるんでしょうか?
話の論点がそれたので戻しますが、大阪会議において大阪府と大阪市だけの議題というのも当然出ます。その場合でも堺市はその議題に対して干渉が出来ます。大阪市の政策に大阪市外の議員が干渉することを都構想においてあれだけ嫌っていた都構想反対派がこれに対してダンマリなのはどうも腑に落ちません。
大阪会議の欠陥について一つ指摘します。大阪会議の議題の可決はそれぞれの自治体で過半数が必要で、これにより3自治体に拒否権を与えている形にしています。これは、大阪府と大阪市のみの議題に対して大阪市は反対、大阪府と堺市が賛成して当事者の大阪市が反対してるのに賛成する立場になることを回避しています。しかしこれ、片手落ちなんですよね。この場合、例えばこの議題に対して大阪府と大阪市が賛成していて当事者間の同意が出来たとします。しかし堺市が反対した場合、大阪会議の議決は否決になるんですね。当事者間は賛成してるのに議決結果としては反対になる。やっぱり大阪会議は制度設計の段階で失敗してると言わざるを得ません。