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粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

大阪自民の大阪戦略調整会議ってどやねん?<その1>

大阪会議

大阪会議の条例案の 修正案が出ますが、それは出た時にまたこのページを修正か新しく書きたいと思います。(6/10) 

 

 今回は大阪自民が進める大阪戦略調整会議(以降、大阪会議)について書いてみたいと思います。結論から書くと私は、この制度は棒にも端にもかからない制度不良の塊だと思ってます。なぜそういう結論に至ったかですが、大阪自民が調整会議の意味を間違えて捉えてるからです。では、まずその調整会議の制度から見ていきましょう。

 

1.指定都市都道府県調整会議制度について

 

 ここでは、大阪自民が提出した条例案に「地方自治法の改正により設置される指定都市都道府県調整会議に 相当するものと位置付けている。」と説明にありますので、それに準じたものとして考えていきます。この指定都市都道府県調整会議(以下調整会議)は、地方自治法の一部を改正する法律(平成26年法律第42号)の施行に伴い、指定都市のある都道府県に必置となり、設置義務があります。大阪自民の大阪会議は微妙に?調整会議とは違うのですが、大阪自民は全国の調整会議の先駆けとして、大阪会議を推進しています。(もしくは完成度の高い類型として?)とはいいつつ、調整会議でもないらしく、大阪会議が成立した後に、来年の総務省の調整会議の省令を待って、それに合わせて大阪会議を調整会議として見合った組織に条例の一部を変えるそうです。それで調整会議として総務省に認めてもらうと。うーん。まあ・・・なんだ。どう考えればいいのか悩みますが、説明には調整会議相当とあるので、調整会議に準じた組織としてここでは考えていきます。

 

 自民党案を見る前に、今回が国が定めた調整会議について、みてみましょう。

 

○ 指定都市都道府県調整会議の設置

・指定都市及び都道府県の事務の処理について連絡調整を行うために必要な 協議をする指定都市都道府県調整会議を設置することとする(第252条の21の2関係)

・指定都市の市長又は都道府県知事は、協議を調えるため必要と認められる ときは、総務大臣に対し、指定都市都道府県勧告調整委員の意見に基づき、 必要な勧告を行うよう申し出ることができることとする(第252条の21の3関係)

地方自治法の一部を改正する法律の概要より)

 

 調整会議は、指定都市(大阪市堺市)と都道府県の事務の処理について連絡調整 を行うのが、基本的な目的となります。具体的には、都道府県と指定都市間の広域行政の二元・二重行政やその行政の在り方・権限などについて話をする協議会、ないし会議体になります。しかしこれは従来の制度内でも十分にその目的を達成できる組織は他の都道府県や指定都市では設置されています。残念ながら大阪には維新以前はありませんでした。大阪では府市統合本部がそれになります。これの他の都道府県における設置事例は最後に添付しておきます。見てほしい点は議員が委員に入ってない点です。今回の調整会議では、都道府県・指定都市の議会の議員を構成員(委員)として選出できることが特徴になっています。(議員を入れる入れないの選択は、都道府県とその指定都市が選択をできます)そしてより特徴となっているのが、上にあげた法律の概要で提示されているように 

 

 ① 都道府県に調整会議の設置が義務化された。

 ② 知事・市長のいずれかが協議に応じない場合は、総務大臣に知事ないし市長が申し出ると、総務大臣の勧告により調整会議にて協議を行わないといけない。

 

という二点になります。①は調整会議の設置を義務化することにより、公式の話し合いをする場を設定することが目的です。そして②は、例えば大阪市長大阪府下の事務・行政に問題があり、それを知事と話し合いをしようとしても知事が応じない場合、市長は大阪市議会に総務大臣へ勧告を求める議決を取り、総務大臣に勧告の申し出をします。(市議会の議決が必要なのは国の地方自治体の自治権への介入に当たるからその予防措置だと思われます)総務大臣はその申し出を第三者機関である指定都市都道府県勧告調整委員に諮り、妥当性があれば、知事に勧告を行います。(同時にその問題に関係する各大臣へも諮問します)総務大臣の勧告は法的に尊重義務があるとされているものになるので、ほぼ強制的に知事は協議・話し合いを調整会議の場で市長としなければなりません。今までは「二重行政は無い」「話し合いをするのに府市の共同機関など必要ない」等と言って、話し合いを避けてきた首長や議員により、住民に不利益を与えてきました。それを強制的に話し合いのテーブル(調整会議)に着かせるための法律です。よって、この調整会議の設置の主目的は当事者間に「話し合い」をさせることであり、問題の解決は副次的なものになります。話し合いをしていれば、解決するんじゃない?というぐらいの軽い意味合いしかない制度ともいえます。総務省地方自治法の一部を改正する法律の概要の冒頭説明にも一言も調整会議は触れられていません。端的に言って、試験的な制度という色が濃い制度です。多くの都道府県と指定都市間では調整会議に準ずる調整機関を持っており、単純にこの現状を法制化しただけとも言えます。というかある意味、大阪を狙い撃ちにした制度ともいえるのかもしれません。しかし、正直、これは都構想の対案にはなりえません。

 私は冒頭で、「大阪自民が調整会議の意味を間違えて捉えてるからです」と書きましたが、これの意味としては、調整会議の本来の意味は、府市に「話し合いを強制的にさせる」ことです。しかし大阪自民は大阪会議で、「物事を決定する会議体」として捉えています。ここの制度の捉え方を間違ったために、大阪会議は、「物事が決まらない会議体」になっています。では、次に大阪会議の仕組みついてみていきます。

 

2.大阪会議の仕組みについて

 

 大阪会議ですの仕組みとしては以下のようになります。条例から読み取った範囲になるので、私見も入っています。

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 条例を例に成立までの流れとしては、大阪会議の委員が議案Aを大阪会議に提出します。大阪会議で審査の後に、委員の過半数の賛成を得ます。ここで否決の場合は、廃案ないし、修正案で再上程という流れになります。大阪会議での可決後は、大阪府大阪市堺市(以降、3自治体)にて、各首長がそれぞれの議会に条例案を提出します。3議会にてそれぞれ可決されれば、3自治体それぞれで条例は施行されます。3議会のいずれかで否決された場合は、また大阪議会に修正案を再上程するか廃案になります。簡単な大阪会議の流れとしてはこうなると考えます。

 

  次に総務大臣の勧告ですが、大阪会議では使えないと考えます。これは、市長ないし知事がどちらかが協議に応じない場合、総務大臣の勧告により半強制的(勧告を行われた側には勧告の尊重義務が発生します)に協議を行わせるものです。この総務大臣の勧告はある意味、伝家の宝刀であり、次の手順を踏むことで国が地方自治に国が介入するのを極力避ける形にされています。

 

 「指定都市都道府県調整会議における当事者間の真摯な協議によって解決されるこ とが望ましいものであり、上記勧告の求めは、万が一協議が進まず、第三者の 調整により事態の打開を図る必要があると指定都市の市長又は包括都道府県の 知事が判断し、議会の議決を経た場合に限り行うことを可能とするもの」

 (地方自治法の一部を改正する法律の公布について(通知) より)

 

 上記の規定により議会の議決が必要です。その首長と議会双方、つまりその自治体全体で勧告を求めない限り、総務大臣の勧告は使えません。よって、事実上、大阪会議では使えません。私自身、法律だけを読んでこの勧告制度を誤解していました。大阪会議の規約に議員が総務大臣への勧告を求めた場合、その所属する自治体の首長はこの求めに応じないといけないとかを作るんではないかと考えていました。これにより、首長がいくら議案に反対しても勧告の乱発が議員側でできるんではないかと危惧していたのです。まあでも抜け穴がありそうで、心配な点ではありますが、国としても地方自治への国の介入は極力避けたいでしょうから、杞憂だとは思っています。

 

3.大阪会議の問題点

 

 以上のような形で調整会議は成り立ってると考えられます。ここからこの大阪会議の問題点について考えてみます。大阪自民が大阪市に提出された大阪戦略調整会議の設置に関する条例を以下、一条づつ見ていきます。本当は、問題点だけと思ったんですが、全条文これ問題といった感じなので全条文総当たりになりました。

 

(設 置)

第1条

本市は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項に規定する指定 都市である本市及び堺市並びに両市を包括する都道府県である大阪府が政策的に協調 し、政策の一体性を確保するため、大阪府及び堺市と協議の上、大阪戦略調整会議(以 下「大阪会議」という。)を設置する。

 

 まず、調整会議は一対一の想定になっています。大阪でいえば、「大阪府大阪市」「大阪府堺市」という形で、府内に二個の調整会議がないとおかしい話になります。ただ総務省の「地方自治法の一部を改正する法律の公布について(通知) 」の中に、

 

また、一の都道府県内に複数の指定都市がある場合、改正法により設けるも のとされた指定都市都道府県調整会議は各々の指定都市と包括都道府県の間で 設けることとなるが、協議内容が互いに関連するなど、関係地方公共団体が適 当と認める場合にあっては、同時に開催することも考えられること。

 

と、複数の自治体による会議も可能と判断はしているのですが、あくまで協議内容がお互いに関連するなどとなっているんですよね。この大阪会議を調整会議相当で大阪自民が扱うのは非常にグレーだと考えています。 まあ大阪自民はこの大阪会議を全国に先駆けたモデルになるものにすると言ってますが、同通達の中で、

 

なお、現在、指定都市と包括都道府県の間で会議が設置されている場合につ いては、当該会議が、改正法により設けるものとされた指定都市都道府県調整 会議と同様の性質を持つものであれば、当該会議を指定都市都道府県調整会議 として位置付けることも可能であること。

 

と、あります。現在同様の調整を目的とした会議体を持っている都道府県はわざわざ調整会議を作る必要もないと思います。微調整は必要かもしれませんけど。大阪でいえば、府市統合本部が当たります。大阪自民は全国に先駆けてと言ってますが、全国で一番遅く、ぐらいが妥当な表現じゃないのかな?

 

(意 義)

第2条

大阪会議は、本市と大阪府及び堺市が統一した戦略を構築し、また、国に対し て共同して提案、要望を行っていくための協議を行い、その協議結果に基づく施策に それぞれが努めることによって、多様な行政課題に効率的に対処していくことを目的 とするとともに、地方自治法の一部を改正する法律(平成26年法律第42号)の施行に 伴う指定都市都道府県調整会議の円滑な設置及び将来の関西州実現への一助となるこ とを目指すものとする。

 

 「指定都市都道府県調整会議の円滑な設置及び将来の関西州実現への一助となるこ とを目指すものとする。」

 まず調整会議の円滑な設置への一助とあるんですが、この条例の最後の説明に、「なお、この会議は、地方自治法の改正により設置される指定都市都道府県調整会議に 相当するものと位置付けている。」とあります。大阪会議が調整会議に相当するなら、円滑な設置の一助にはならないのでは?大阪会議=調整会議というのが、大阪自民の認識なんだからと思ってたら、6/9時点では、どうも大阪会議は調整会議ではないという大阪自民の認識のようです。将来的には、修正を加えて調整会議相当に大阪会議をするということでの「一助」と「相当」のようです。

 「将来の関西州実現への一助」この部分もよくわかりません。まあ広域行政権限を持っている自治体を集めての会議だから、関西州を実現するときには役に立つでしょ、っていうぐらいの意味合いなのかな?それがなぜかという面が趣旨説明や質問からは今のところ私には見えていません。

 

(運 営)

第3条

大阪会議は、地方自治法第2条に定める「基礎自治体優先の原則」と「補完性 の原理」の下、国から大阪府大阪府から本市、堺市その他の市町村への徹底した権 限と財源の移譲を目指すことを旨として運営されなければならない。

 

 私が引っ掛かってるのは実のところここです。

基礎自治体優先の原則
広域自治体基礎自治体の役割分担において、基礎自治体に事務事業を優先的に配分する補完性・近接性の原理に基づく地方自治制度の基本原則。

補完性・近接性の原理
広域自治体基礎自治体の役割分担において、基礎自治体に事務事業を優先的に配分すること。

 用語に関しては上記の通りになり、なるほどその通りなんですが、これは基礎行政権限に限った話だと思うんですよね。広域行政権限に関しては市から府へも考えていいと思うんですが。

 

(協議事項)

第4条

大阪会議は、次に掲げる事項及び二重行政(大阪府と本市又は堺市が類似の行 政サービスを提供し、かつ、当該サービスが供給過多になっているもの又は共同して 取り組めばさらに当該サービスの水準の向上が期待できるものをいう。)の解消が行 政課題となる事項について、本市、大阪府及び堺市がそれぞれ果たすべき役割、連携 の方法などについて協議する。 ⑴ 成長戦略 ⑵ 産業振興 ⑶ 交通政策 ⑷ 環境政策 ⑸ 都市魅力 ⑹ まちづくり(拠点開発) ⑺ 前各号に掲げるもののほか、大阪会議が協議すべきと認めた事項

 

 仕事の幅が広すぎますねぇ。これだけの仕事をこなすには相当数の専門部会を置かないと対応できないでしょう。運営費がかなり高くつくんじゃないかな。運営費に関しては、柳本市議は「全く費用がかからないというわけではないかと思いますけども、費用としてはそうかかるものではないというような認識のもとに議論を進めてまいりました。」(大阪市会財政総務委員会記録 平成26年12月17日この大阪会議が機能して10年経ったら、数十の専門部会ができてるんじゃないかなぁ。有識者が大活躍してそうだね・・・。

 

(組 織)

第5条

大阪会議は、次に掲げる委員により組織する。

⑴ 市長 ⑵ 大阪府知事堺市長 ⑷ 市会が推薦した市会議員 9人 ⑸ 大阪府議会が推薦した大阪府議会議員 9人 ⑹ 堺市議会が推薦した堺市議会議員 9人 

 

 大阪会議の人数割りですが、これ大問題ですよね。総人数30人って多すぎるでしょう。定例会が年四回の大阪会議でこの人数って、会議に所属した委員が一回も発言しないまま終わるなんてことが普通にあると思いますよ。「大阪にふさわしい大都市制度推進協議会」(特別区設置協定書を検討した法定協議会の前身)を参考に組織したと、答弁があったけど、この時の協議会は府と市で10人づつ、計20人でした。単純に堺が入るから10人増えて、30人か。んー。まあ大阪市の財務総務委員会(2015/6/5)で柳本議員の大阪会議の条例案の趣旨説明で「数にはこだわらない」と言ってましたが。数にはこだわらずに成立時には減らしても将来的に増やすと思いますね。

 またこの割合なのですが、現状の政治状況を考えると以下になります。

 

 維新大阪府知事大阪市長、各三議会から四名づつ計12名 合計14名

 反対派:堺市長、各三議会から五名づつ計15名 合計16名

 

 維新は各三議会で第一党を取っていますが過半数ではないので9名という割り振りなら4名が充てられるでしょう。これで、大阪会議が条例案通りなら、大阪意義の会長は反対派がとることになります。要するに首長と議員が入ってる会議なのに同じ一票というのがおかしいんですよね。この方式でやるのなら、首長の一票は9票分にするのが妥当だと思うんですが。

 

 次に堺市大阪府大阪市が同数なのはどうか?という問題があります。また本来の調整会議という趣旨であれば、首長が大阪会議の議長をすべきだと思いますが、議員も含めた全員の互選です。これは、大阪会議が調整会議相当なら今回の改正自治法に抵触している可能性があるんですよね。調整会議の招集は首長に法的に認められていますから。また、首長が大阪会議の招集を求めても議員が議長の場合は、招集しないことも考えられます。

 最後に根本的なことですが、議員を大阪会議に入れる必要性があるのか?という点があります。これは議員に大阪のことを決めさす必要はない、行政の執行に口を出すなという意味合いではありません。大阪会議が調整会議に相当するというのであれば法的に議員が入るのを自治体の選択で認められてますし。しかし、大阪会議は「会議体」です。

 

 ・会議体 ・・・ 複数の構成員がある目的のために集められ、その会議によって多数決などにより意思決定を行う。

 ・協議体 ・・・ 議案が適しているかを話し合い、議案をよりよりものに協議する。多数決などの意思決定は行わない。都構想の協定書を作った特別区設置協議会が該当。

 

 今回の大阪会議が協議体なら、議員が入ることは問題が無いと私は考えます。会議体である大阪会議に議員が入るというのは、ある意味、知事や市長といった首長の側に議員が入ることであり、逆に議会に首長が席を持つことと同義になります。これはお互いの専管事項への侵犯であり、地方自治体の首長と議員の二元代表制を壊すものです。

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 憲法93条2項は、地方公共団体の長と議会の議員は、住民が直接選挙することを定めています。このため、住民は長と議会という二元的な代表を持つこととなります。二元代表制の特徴は、長、議会がともに住民を代表するところにあります。ここでは地方議会が、国権の最高機関である国会とは異なり、執行機関と独立、対等の関係に立つものであることが注目されなければなりません。憲法の予定する地方自治においては、地方議会内での与野党の緊張関係が求められるのではなく、ともに住民を代表する長と議会が相互けん制・抑制と均衡によって緊張関係を保ち続けることが求められるます。議会は、長と対等の機関として、その自治体の運営の基本的な方針を決定(議決)し、その執行を監視し、評価します。すなわち、議会は「政策決定」の機能と、執行機関に対する「監視・評価」の機能を果たすこととなります。 

 この考えに則ると大阪会議が「会議体」としてあるのであれば、地方自治にとって有害になることがわかります。大阪会議の首長側(議決数3)と議会側(議決数27)の議決数の不均衡も問題ですが、大阪会議という同一の組織に首長と議会という独立、対等の関係になければならない組織がまとまるのは、大阪に「内閣」を作るようなものです。これは地方自治を国と同じ、一元代表制にするものです。これについては、第9条の専門部会で詳しく書きたいと思います。

 

(任 期)

第6条

前条第4号から第6号までに掲げる委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。 ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

 

 第6条は任期についてですが、第5条で首長は強制的に委員なわけで、任期=首長の在職期間なわけですから、議員のみに適用されます。再任を妨げないという規定ですが、なんか組織が腐り易そうな規定ですね。首長以外の再任の規定はあって然るべきだと思います。

  

(会長及び副会長)

第7条

大阪会議に会長及び副会長各1人を置く。

2 会長及び副会長は、委員の互選による。

3 会長は、大阪会議の会議(以下「会議」という。)の議長となり、議事を整理する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるとき又は会長が欠けたときは、その職務 を代理する。

  

 第七条は、2項の会長及び副会長が委員の互選になっている点がおかしいですね。大阪会議が調整会議に相当するのであれば、首長が就くべきです。

 

(会 議)

第8条

会議は、会長が招集する。

2 会議は定例会として年4回実施する。ただし、委員の2分の1以上から会議の招集 の請求があったときは、会長は速やかに臨時に会議を招集しなければならない。

3 会議は、委員の3分の2以上の出席がなければ開くことができない。

 

 第八条の「会議は会長が招集する」は、本来、調整会議は首長の要請により、開かれるものなので、議員が会長になるのはおかしいというのは指摘しました。よってここの2項は、会長の互選を前提としたうえで、「首長である委員、ないし他の委員の2分の1以上から会議の招集 の請求があったときは」というのが正しいと考えます。

 3項ですが、これが2/3以上になっているのは、都構想の特別区協定書の時に反対派議員がボイコットして出席しなかったけど協議会は開催し、議事が進んでいったことを反省してそうなったそうです。特別区協議会は1/2以上の出席で開ける規定でした。(本当に協議会の意味を反対派議員と都構想に反対していた人たちは理解していませんでしたね。これは別の機会に書きたいと思います。)

 またここの項目で規定されてない重要な点が、首長3人が会議に出席していなくても議員だけで、大阪会議が開けてしまう点です。よって「3 会議は、首長である委員の全員の出席及び委員の3分の2以上の出席がなければ開くことができない。」が、正しいと考えます。こうでないと、首長側が全欠席で、議事が進行しています。有り得ません。性善説側に立って考えても、公務などにより大阪会議に首長が出席できない場合も考えれます。よってこの規定は必要だと考えます。

 

4 会議の議事は、出席委員の過半数で決することを基本に会議において定める。

5 議題に係る調査、審議を行う期間については、会議において定める。

6 大阪会議は、市長、大阪府知事及び堺市長以外の執行機関の権限に属する事項につ いて協議を行う場合には、当該執行機関が当該執行機関の委員長、委員若しくは当該 執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうち から選任した者の出席を求め、その意見を聴くものとする。

7 大阪会議は、必要があると認めるときは、次に掲げる者の出席を求め、その意見を 聴くことができる。 ⑴ 市長、大阪府知事及び堺市長以外の執行機関が当該執行機関の委員長、委員若し くは当該執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の 職員のうちから選任した者 ⑵ 市長、大阪府知事及び堺市長がその補助機関である職員のうちから選任した者 ⑶ 学識経験を有する者

 

 4項、5項は大阪会議の性質としては要るでしょう。「会議体」なのですから。まあ大阪市堺市だけで、大阪府全欠席でも可決できる危険性はありますが。

 6項7項に関しては、例えば教育委員会公安委員会選挙管理委員会、監査委員などがそれに当たると考えれます。これらの執行権限を有する委員長を構成員に加えるものとしていますが、首長以外の執行権 を有するものが、構成員ではなく参考聴取人に留まっているため、執行権者が議決に加われず、議決事項の取り扱いがどうなるか判らないところが、怖い処ですね。教育委員会とかは橋下市長が色々施策をうって野党があーだこーだ言ってましたが大阪会議もやれる形になってるということですね。しかも教育委員会などのその他の執行機関には議決権は与えられるず、あくまで参考聴取人なので、より深く干渉できる形になります。どこまでやるのか、やれるのか?やっていいのか?という問題もあり、大阪会議の非常に不透明な部分の一つです。

  大阪にふさわしい大都市制度推進協議会を参考にこの条例案は作られたそうですが、この大阪にふさわしい大都市制度の推進に関する条例 にある項目でこの条例案にない項目があります。

 6協議会の会議は、公開とする

 この大阪会議には上の項目がありません。ない以上、大阪会議は非公開で行うことが可能であり、議事録も公開されない可能性があります。これは大問題です。 

 

(専門部会)

第9条

大阪会議は、第4条に規定する協議事項について専門的に調査、審議するため、 専門部会(以下「部会」という。)を置くことができる。

2 部会は、大阪会議の委員のほか、次に掲げる者のうちから、大阪会議の承認を得て、 会長が選任した者を加え組織する。 ⑴ 協議事項に関係する大阪府内の市町村長 ⑵ 協議事項に関係する大阪府内の市町村議会議員代表各1人 ⑶ 学識経験を有する者

3 部会に部会長及び副部会長各1人を置く。

4 部会長は大阪会議の会長を、副部会長は大阪会議の副会長をもって、それぞれ充て る。

5 第7条第3項及び第4項並びに前条(第2項を除く。)の規定は、部会について準用 する。この場合において、第7条第3項及び第4項並びに前条(第2項を除く。)の規 定中「会長」とあるのは、「部会長」と、「大阪会議」とあるのは「部会」と、「副会長」 とあるのは「副部会長」と読み替えるものとする。

 

 ここでの部会は、大阪会議とは別に部会を設置してより専門的に協議をして条例案などをまとめ、それを大阪会議に反映する組織だと捉えています。では各項目を見ていきます。

 2項の府内の市長村長を加え、組織するとありますが、そういった他の市町村に影響することを協議するのに、これらの府内の市町村長に何も議決権を与えず、参加させるのはどうかと考えます。

togetter.com

こちらに詳しいですね。

例えばこの会議では、箕面市泉佐野市に関わる議案を大阪市堺市の議員だけでの可決が可能で、府知事に議案提出義務を課し、府議会に可決努力義務を課す。

 こういった事が行われることになります。大問題です。上の例だと、大阪府知事及び府議員がその議案を望んでいなくても、その議案が可決されれば執行しないといけなくなる点と、本来、箕面市泉佐野市に対してなんら権限のない大阪市堺市が権限を間接的とはいえ、揮えてしまう点が問題になります。

 

 3項、4項、5項ですが、これの4項が問題です。

部会長は大阪会議の会長を、副部会長は大阪会議の副会長をもって、それぞれ充て る。」

 何故、部会長、副部会長を大阪会議の会長及び副会長を充てないといけないんでしょうか?普通に委員が部会長になっても問題はないはずです。これは、首長を大阪会議の会長・副会長にしないための規定です。部会は普通に大阪会議が機能するのなら、数十はできるでしょう。何せ大阪会議の協議項目は全大阪の問題を取り扱うぐらいに広範囲です。数十の部会が立たなければ逆におかしい話で、仕事をしていないということになります。それの全部会の会長を大阪議会の会長が兼任をするなんて、首長は絶対にできません。仕事量が増えすぎてしまい、本来の首長の業務に支障が出ます。よって、首長が大阪会議の会長になることは現実的に不可能になります。その為の規定だと私は考えています。しかし、逆に議員である委員が会長になっても同じくできないと思うんですが、大阪自民はどう考えてるんでしょうか?部会長が議事進行役で部会に入ってる委員を指名・代理にして、本人は欠席するんでしょうか?それとも部会自体は開かないのかな。よくわかりません。

 では部会について考えてみたいと思います。

 

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 上の図は、大阪会議の組織図をイメージして作りました。

 第五条のところで書いた通り、これはある意味、大阪の内閣になり、一元代表制になります。大阪府大阪市堺市の三議会を国会としてとらえた場合、その代表者と首長で大阪会議という内閣を組織するわけです。そして部会は、実務面は各自治体が担当することになりますが、国でいう省庁に当たります。これは前にも書いた通り、地方自治の根幹である二元代表制を破壊するものです。大阪会議で決定されたことは、大阪府大阪市堺市へ条例案などがいきます。そして議会の議決などを受けて執行されていきます。また大阪府下の他の市町村へも大阪府を通して、同様に執行されていきます。こういった点で非常に問題の大きな組織に大阪会議は成っています。

 部会についてですが、これも非常に問題があります。大阪会議はランニングコストがかからない、それが都構想とは違う点だ、という主張を大阪自民はしていますが全くそれは違います。この部会が増えるだけ増えた分、全てランニングコストになります。例えば都構想では、大都市局が設置されました。これは府市統合本部と特別区設置協議会の事務局として設置されました。これの人員は90名余りです。勿論この人数規模がそれぞれの部会に配置されるわけではありませんが、それぞれの部会の問題レベルに応じた人数が大阪会議の事務局に配分されていきます。事務局で部会が議案にする問題への具体的な対策や条例案を官僚組織がつくらなければ何も動けませんからね。またそれぞれの部会が呼ぶ有識者もすごい数になるでしょう。年間コストが数億で収まればまだいいですが、大阪会議が発足して10年経ったら数十億レベルになってる可能性は大です。

 またより問題を深めているのが、この大阪会議には協議結果の法的な拘束性がない点です。協議結果に法的根拠はなく、協議結果に対して首長がどう取り扱おうとも法的に責任を取る必要がありません。それならいいじゃないかという方もおられるでしょうが、それならそれで問題ですし、逆にこの曖昧さが非常に問題点があるのです。次の10条でこの問題には触れますが、大阪会議はそれ自体に主体性がなく、責任所在も不明です。大阪会議の会長である議員が責任を取るのかといえば、協議結果自体には何ら大阪会議に対する法的責任が発生していないのでとらせようもありません。大阪会議の協議結果に対しての責任は各自治体がとります。各自治体が議会で議決を取りますから。しかし大阪会議の協議結果の影響力は10条で規定してあります。都構想でいえば、都知事がこういった広範囲の大阪の問題を考える部署を作れば、その責任は都知事にあります。また府市連携局(これも別の機会に述べてたいと思います)でも府知事と大阪市長が責任者になります。しかし大阪会議には明確な責任者はいません。協議結果に責任者がいない、しかし規模だけは大きくなり、顔のない鵺のような組織になるでしょう。大阪府市で、箱モノ行政の責任者を追及しても誰も責任を法的に追及でないのと同じ状況になります。今回は箱モノではなく、より身近な行政という形で同じ状況が起きるのでより悪質ですが。

 

(協議結果の取扱い)

第10条

市長は、市会の定例会の都度、大阪会議の協議状況について報告するとともに、 大阪会議で合意又は決定された事項については市会に必要な議案を提出し、その議決 を求めなければならない。

2 市長及び市会は、大阪会議で協議され、合意又は決定された事項について、当該事 項が本市、大阪府及び堺市の長と議会代表者による協議調整の結果であることを踏ま え、その内容を尊重し、その実現に努めなければならない。

3 前項の事項に関する市会、大阪府議会又は堺市議会の審議により、実現に向けてさ らに課題が明確になった場合においては、大阪会議は、当該課題を受け止め、解決策 を誠実に協議しなければならない。

4 前項の協議が整ったときは、市長は、改めて市会に当該事項の実現に向けた議案を 提出するものとする。

 

  各所で悪評の出ている問題の10条、「協議結果の取り扱い」です。

 まず、1項の首長には議会での大阪会議の協議状況の経過報告が義務づつけられてますが、なぜ首長に?進展していない状況の報告を首長がするというのは何かの罰ゲームなんでしょうか?都度、委員である議員が回り持ちでやればいいのではないかと思うんですが。人数も多いんだし。経過報告なんて、基本的にできてませんという報告なんだからそりゃやりたくはないでしょうけど。これ全項に通じることなんですが、なぜ市長がやらなければならないんでしょうね?提案者である委員が首長なら別ですが、議員ならその議員が議案の提出をやればいいと思うんですが。議員にとって都合のいいとこだけ調整会議の制度を取り入れてるようにしか見えないんですよねぇ。

 1項2項3項ですが、これは大阪会議の協議事項が、首長の専管事項の場合、明確に首長の権限の侵犯になります。よく言っても限りなくクロに近いグレーです。(ここでは大阪市の条例案をもとに書いていますが、大阪府及び堺市の条例案は、「市長及び市会」がそれぞれの自治体の相応するものになっています)調整会議の法律では、知事及び市長の事務の協議をすることが目的となっており、そういった意味でも懸念があります。大阪自民はこのことに関しては1項~2項で知事及び市長の議案提出権などを強制するつもりはなく、知事及び市長は大阪会議の協議結果の尊重義務があるとしています。そして3項~4項に関しても知事及び市長の努力義務としています。しかしこんなこと有り得ないでしょう?例えばこれに反した場合どうなるかというと大阪府議の花谷議員は以下に答えています。

平成27年1月総務常任委員会-01月19日−01号

◆(浅田均君) そしたら、その当該首長が賛同してない場合は、反対してもいいと、十条一項に必ずしも従う必要はないという理解でいいですか。
◆(花谷充愉君) そこは、ぜひとも尊重していただきたいなと、大阪全体のことを考えて尊重していただきたいという思いはあります。
 ですから、この大阪会議で出た結論に、なぜその首長は、反して努力義務、尊重義務を果たさないかというのは、市民の方、府民の方、有権者の方々にきちんと説明をしていただいて、住民の意見を聞くという、そういう結果になるんじゃないかなと。四年ごとに選挙もありますので、そういうふうな解決策というのもあるんじゃないかなと思っています。

 

 尊重しなかった首長は選挙の審判を待つんですか。気の長い話ですね。しかし、例えば、市長の公約に反する協議結果が議決された場合、市長は自身の公約と協議結果のどちらを優先しないといけないんでしょうか?もうこの大阪会議の条例案はあちこちに矛盾がありすぎてどうにもならないと私は思います。

 私がこの大阪会議は、大阪自民が「物事を決定する会議体」を作ろうとして、「物事が決まらない会議体」になっていると書いたのはここら辺が理由です。大阪会議の意向を3つの首長・議会のどれかが無視や反したりすればもう、大阪会議の協議結果には何の意味もありません。でも実際のところ、有権者へのポーズとして物事が決まるような会議体にしておいて、実際は何も決まらないような制度設計を恣意的に大阪自民はしているんじゃないかと思ってもいます。ランニングコストはほぼかからないという説明からもその臭いがします。企画というの金のかかる部署です。人間の脳も動いてはいませんがカロリーは膨大に消費します。組織としてものを考える部署を作るのに、お金がかからないという説明自体、おかしいんですよ。

 そして、大阪は物事が決まらない大阪会議を抱えるわけです。多額の税金を浪費する大量の部会を抱えた大阪会議を。

 

(費用の支弁の方法)

第11条

本市は、大阪府及び堺市と協議の上、大阪会議に要する経費について、大阪府 及び堺市と共同で負担するものとする。

 

 これは各自治体1/3づつ負担するというのが大阪自民の答弁です。しかしこれって堺市がかなり損なような気がするんですけどね。堺市は、「大阪府堺市に二重行政は無い」というのが立場な訳で、堺市に関係する大阪会議における協議案件の比率は1/3以下であるのは自明だと思うんですが。堺のオンブズマンとかに怒られるんちゃうかな?事務局に各自治体から出す人員については現状不明ですが、これも1/3なら規模の小さな堺市にとってこれはかなりな負担になると思われますし。

 大阪にふさわしい大都市制度の推進に関する条例でも費用弁済の条文はあるんですが、(費用弁償) 第7条(学識経験者等への謝金等) 第8条 (経費の支弁の方法) 第9条 と割と事細かに設定されているんですよね。各自治体で規定が変わってるからかもしれませんが。でも堺市が入ってるだけなのになぁ。有識者がっぽりなのかしらん?

 

(事務局の共同設置)

第12条

本市は、大阪府及び堺市と協議の上、大阪会議の事務局を共同で設置するもの とする。

 

 まあこれもあっさり書いてますね。ある意味、無制限とも取れる記述で怖いですね。事務局が何をするかぐらいは書いてあってもいいと思うんですが。事務局を設置する目的と仕事の概略ぐらいは書けるでしょう。

 

(委 任)

第13条

この条例に定めるもののほか、大阪会議に関し必要な事項は、会長が会議に諮 って定める。

 

まあ特になし。規約さえしっかり作ってもらえれば。・・・作るよね?

 

附 則 この条例は、公布の日から施行する。

  

 ようやく最後ですが、附則です。 

 これも問題なんですよね。この条例って、大阪府大阪市堺市の三つの議会で同時に審議されて、議決を受けることになります。これを書いている6/8時点で、大阪市議会の委員会で維新は賛成、大阪自民は態度保留になっています。ぶちっ!

 大阪自民がなんで態度保留やねん。君ら、前に出した時のまま、同じ条例案で再提出したんやから、普通、賛成にせなあかんやろ?大阪府大阪市堺市の3つの議会で協議は散々して指摘も十分以上にされとんのに全く修正せーへんで再提出したんやから、大阪自民の見解として、修正個所0の完璧な条例ってことや。そやったら、とっと賛成して本会議に回せや!

 ごほん。取り乱しました。まあ、正直、この現在の状況は大阪会議の欠点が非常に市民に見えていい状況ですね。今の大阪会議の条例案を審査している状況というのは、大阪会議にて条例案が可決して、それぞれの議会に各首長が条例案を提出したというのと同じ状況です。3つの議会で同じ条例案が同時に審議されているわけですが、これってどういう形で決着をつけるか全く不透明なんですよね。例えば、現在の大阪市を見れば維新が賛成している状況で、大阪自民の市議団が賛成に回れば本会議に回り、賛成多数で可決され、条例は公布されます。公布されれば当然その日から施行されます。附則にもそう書いてありますし。あれ?他の大阪府堺市はどうなるの?どうにもなりません。まだ審議中ですから。例えば附則が次のような形ならまだわかるんですよ。

 

大阪府の議会及び大阪市の議会及び堺市の議会のうち最後に議決した議会の議決の日から施行する。

 

 今回の条例案そのままで考えれば、他の2議会が修正案で可決したら大阪市の可決は意味がなくなります。その場合、大阪市議会は条例を廃止して、また修正案を審議してその修正案に対して修正を要求して修正案2で可決。今度は大阪府堺市の議会が修正案を廃止して、修正案2を再審議して修正を加えて修正案3で可決、大阪市は修正案2を廃止して修正案3を再々審議・・・。まあこういうあほな状況にはさすがになりませんが、こういった事を秘めている制度ではあります。こういった3議会で同時可決という特殊な状況が今回一回ならともかく、これから大阪会議が成立すれば延々と続きます。今回の大阪会議の条例が制定されれば、大阪会議の規約をまたそれぞれの議会で通すわけです。それで実際に大阪会議の事務局も立ち上がって運営していくわけですが、何か問題が発生して、条例なり規約なりに修正が必要になったとします。その場合、その修正案を各議会に送って、採決待ち。その間、大阪会議は機能しません。こういった事に限らず、大阪会議の事務局の人員の変更やその予算、部会の変更、全て三議会での議決が必要になります。大阪会議には何ら責任を法的に担保するものがない以上、法的な議決権はあくまで3つの議会にしかありません。これ本当に大阪会議で何か決まるんでしょうか?

 

4.結論

 

 はっきり言うけどイラン!と言っても仕方ないので考えてみましょう。

 結局、これは物事が決まらないように会議体を作ってあるのが根本的な問題です。なぜ決まらないかというと責任所在がない点が一点。2点目としては、会議体の構造がおかしい。(これを解消した形の自分が理想とする大阪会議はその3で書いてみたいと思います。)三点目としては、議員が議決権を持っている以上、今までの「府市合わせ」の状態をそのままスケールダウンした形を大阪会議に持ちこむだけなので、状況としては何も変わらないことです。(Twitterで、堺も入れて「府市合わせや堺」(ふしあわせやさかい)とつぶやいてた人がいましたが上手いと思いました。)よって何も解決はしません。そして大阪会議が公開が原則であれば、その状況を市民が監視することも可能ですが、それも大阪会議では担保されていません。傍聴もできないでしょう。同じ話の繰り返しになりますが、大阪府大阪市堺市といった立場の違う、そして考える方向性も違う三者が集まっても話がすれ違うだけなんです。そのための話し合いの場を設けるわけですが、話し合う基準がそもそもないんです。話し合う基準の前提が違う以上、話し合いの場でいくら話し合ってもすれ違うだけで実は何も結びません。

 ではどうするべきなのか?という点ですが、二重行政があるかどうかという各論は置いておいて、総論として「大阪府下において政令市指定制度は必要かどうか」について検証をしないといけないということです。結局、ここを解決しないと何も問題は解決しません。大阪において、政令指定都市が有効に活用されているのかいないのか?広域行政を大阪市堺市が分担していることの効果と意義はあるのか?大阪府に一元管理した場合の効果と今の現状を比較した場合はどうなるのか?ここを整理して、結論を出す。その結論として、政令指定都市が必要である、必要でないというどちらの結果が出たとしても、それが大阪会議という会議体の共有の判断基準とすることができます。これがないと各論の判断については絶対に結論は出ません。大阪自民は、大阪における二重行政をゼロベースで考えるというのなら、政令指定都市の意義についてもゼロベースで検討をするべきです。大阪会議の委員の判断基準の根底に政令指定都市が必要である、ないし必要でないという判断をベースにすることが、大阪の諸問題の解決には近道になります。大阪自民は指定都市は必要と考えるし、維新は不要と考える。であるのならば、それぞれに大阪会議において部会を持ち、徹底的に論理的かつ数字でそれぞれの主張を展開し、ぶつけ合えばいい。神学論争になる恐れもありますし、結論が出ない可能性もあります。それであるならば、部会において出た結果を大阪府民に対しての住民投票でどちらが正しいかを問えばよい。そしてのその結果を大阪府下の府も含めた市町村全体で受け止めればいいんです。この部分が解消されない限り、永久に都構想の問題は解決しませんし、大阪の問題もまた解決することはありません。大阪会議の話をしていて結局、都構想かいと思われるかもしれませんが、あの住民投票で賛成を入れた大阪市民の49.6%は、政令指定都市は不要と考えているのが結論なんです。そして大阪の問題は全てここにあると判断しているわけです。これを真に解決するには上記のように大阪会議で議題として「大阪府下において政令市指定制度は必要かどうか」の裁定をする必要があります。

 

大阪最大の二重行政は大阪市会と大阪府議会である

 

以上の結論をもって今回は終わります。

 

長々書いて申し訳ない。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 最後に、各指定都市の政策調整の場の設置例を置いておきます。

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