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粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

大阪都の財政効果を反対派は1億円と言っていた理由について考えてみる<都構想争点検証1>

都構想

www.asahi.com

 

大阪都構想住民投票で反対派は財政効果が一億円しかないと言っていました。この「一億円」について、どういう根拠なのかを調べてみました。

今回の住民投票をするうえで、特別区設置協定書が作られましたが、之の内容を検討する会議が法定協議会です。これは、前後二つの協議会が設けられました。

 

1.大阪にふさわしい大都市制度推進協議会・・・計7回開催(平成24年4月27日~平成25年1月18日)

2.大阪府・大阪市特別区設置協議会・・・計23回開催(平成25年2月27日~平成27年3月19日)

 

最初に「大阪にふさわしい大都市制度推進協議会」が開かれ、大都市法の制定とともに特別区設置協定書を制作するために「大阪府大阪市特別区設置協議会」(以下、法定協)に移行しました。これらの会議での議事録が大阪市から公開されています。(上記リンク先にあります)これらの会議の中で「一億円」というキーワードが財政効果として出てくるのは、二カ所です。

 

1.第7回協議会 議事録 平成25年9月13日 P.53 明石委員(大阪市議 公明)

2.第8回協議会 議事録 平成25年10月30日 P.40 

           府市大都市局松阪広域事業再編担当課長

 

まず1の第7回の方から見てみましょう。

ここで、明石委員は、都構想による府市統合による効果額について次のような見解を出しています。「府市 ではこの二元行政の、いわゆる投資ロス、そして二重行政を出さない行政機構の整備をす るため、広域自治体基礎自治体の役割分担を行うことを基本としています。そもそもこ の二重行政の定義は一体何であるのかと。そしてまた都市制度構築に必要な再編コスト、 府市統合本部設置以降のAB項目の推進、また市政改革・府政改革など再編効果は、本来 別物であると思います。また府市再編しないで得られる効果も含まれております」

纏めると、大阪市が出している長期財政推計のほとんどの項目(AB項目や府市再編効果)は、現状の大阪市でもできることであり、都構想の再編効果に含むべきではないということですね。そしてそれ以外の物は一億円しかない、というのが明石議員の意見です。

その2の第八回の大都市局の松阪課長の方を見ていきます。該当部分そのまま貼り付けます。

(花谷委員) 自民党の花谷です。まず、私のほうから、先ほどから効果額について、ちょっと議論が ありました。引き続き、我々前回に引き続き、ちょっとさせていただきたいと思います。 試案1、これは7区案ですけども、この場合の効果額は幾らになるんでしょうか。それ ぞれね、府と市、現在の市で結構ですので、それはどのような項目で、どの程度の効果が、 それぞれ出てくるのか、お答えをいただきたいと思います。

(浅田会長) 松阪課長。

(府市大都市局松阪広域事業再編担当課長) 今回のパッケージ案でお示ししました効果額、パッケージ案の中では、継続的効果とし ております、いわゆる節約効果になるかと思います、これの内訳でございますが、AB項 目関連といたしまして、約500億円、AB項目以外の府市連携の取り組みといたしまし て、約1億円、市政改革プラン関係としまして約237億円、うち、重複分として考慮す る額が約32億円、それから職員体制の再編、これは試案1ということでございますので、 7区案の場合でございますが、こちらが約30億円から140億円、これらを合算いたし ますと、年間で最大約846億円というふうになってございます。

 

 まあ七区案における解答なんですが、ここでも一億円というキーワードは出てきます。しかし、ここの一億円というワードは反対派の論拠にはなっていません。

 実際、この一億円の内訳は何かというと、大阪の偉大なる守護者、藤井先生のブログにあげられていました。

 

satoshi-fujii.com

平成27年2月定例会 総務常任委員会(3月10日)において、大阪自民の花谷議員が同じく松阪課長に質問しているんですね。

 

花谷議員:次に、二重行政の解消に向けて、AB項目の取組を進めてこられたと思うんですが、制度を変える、即ち大阪市を廃止・分割しないと、解消できないものはあるんですか。制度論からお答えください。

松阪課長:二重行政の解消に向けたAB項目の取組につきましては、これまでの進捗を見る限り、まだ実現できていないものが、まだ多くあるという状況でございますが、これらの内、制度的に政令市が特別区に移行しないと解決できないものという事で申し上げますと、法律上、政令市に設置義務がある精神保健福祉センターが上げられると考えております。

そら、制度論からみれば、法的に市に設置義務があるものは府と合併はできません。この点だけをとらまえて「一億円」と言ってるのが、反対派の言う一億円です。こんなもん、それこそ詭弁でしょう。これが詭弁でないというのなら、AB項目をすべて解消して、維新が出した長期財政推計の効果額を現大阪市の改革で出す義務が大阪自民をはじめとした反対派政党にはあります。f:id:pankoya:20150530111115p:plain

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 上は大阪市が出した長期財政推計、下は第七回の法定協で大阪自民が出した人件費の推計資料になります。

(花谷委員) もっと本質的に申 し上げますと、平成27年度以降の効果についても、ほとんどが大阪市を解体しなくても 可能であります。配布していただいています資料をもう1枚めくっていただきまして、イ メージ図2をご覧下さい。 図の右上に枠囲みで示していますように、平成27年度以降に実施を想定されているA B項目の職員減や技能労務職員のアウトソーシングなどは、大阪市を解体しなくても可能 な削減であります。大阪市を解体しなくても実現できる平成27年度の職員数、2万90 64人を達成した上で、更にこの削減を実現すれば、大阪市を解体するよりももっと職員 数が少なくて済みます。これをイメージ図1と同様に計算しますと、中段真ん中(カ)、カ タカナのカに示すように、20年間で約1440億円、平成47年度以降の、下段左端の (キ)、左端の下の方に(キ)があります。ごめんなさい。右端でした、ごめんなさい。右 端の(キ)に示しますように、毎年144億円の効果が出るということになります。大阪 市を解体するよりも解体しない方が、上下で中段真ん中の少し左の(ク)、カタカナのクに 示しますように20年間で3130億円、平成4年度、47年度以降も、上段右端の(ケ) に示しますように、毎年167億円得だということになります。まさに大阪市を解体する ことによって余分なコストがかかるということを示しています。以上、職員数について指 摘をしてきましたけども、パッケージ案の効果全体についても、大阪市を解体しなければ 実現できないものはほとんどないと考えています。

上は同じく、第七回の議事録P59になります。第七回で花谷議員は、大阪市の現状でも人件費やAB項目を取組むことにより1440億円の財政効果を出せると仰ってます。

大阪自民は総合区よりもまず先に、都構想の2720億円には及びませんが、最低限、この1440億円の財政効果を出す改革に取り組んでもらいたい。そしてそれの概要と日程表を一日でも早く、議会に提出することを望みます。

あと大阪自民は第12回の法定協では、区割りを5区にするか7区にするかという話で、一区案というあほな案を出してきました。この時の財政推計が以下です。

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特別区一区なら2382億の財政効果が出せるそうです。本当に大阪自民、君ら

24区が好きなんやなw

「行政区の24区は残すよ」と維新が言っていれば、大阪自民は都構想に反対してなかったんじゃなかろうか? 真面目に最近そう思います。

行政区は指定都市の中の政治的な代表を選出する単位として法定化されている。また、農業委員会も行政区に設置されており、保健所や福祉事務所なども行政区を地域単位としている。さらに、医師会など行政区を単位として形成されている社会団体も少なくない。このようなことを考慮すると、行政区は、政令指定都市内の政治的あるいは社会経済的な地域単位であるということができる。

2014年地方自治法改正の制定過程と論点 ~大都市制度等の見直しと新たな広域連携制度の創設~ 岩 﨑 忠 より)

市もそうなんだけど、区のほうが、害悪なんじゃなかろうか。

大阪市の住民投票の結果について/日本共産党大阪府委員会

維新対市民共同」の構図が鮮明になるもとで、地域振興会、商店会、医師会、商工連盟など、さまざまな市民団体のみなさんや府下の首長とも連携、自民党民主党との合同演説など、政党間の共同の前進に努力しました。

(アンダーバー、PANKOYAが入れました)

なるほど敵はこれだと教えてくれてるのか。ありがとう共産党。まあこれを見ると、ほとんど反対に協力した団体は区行政のひも付きなんだよね。うーむ。

 

補記:ちょっとAB項目の意味について以下に図を貼っておきます。わからない方もおられるでしょうから。

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出典:04 (案)大阪にふさわしい大都市制度“大阪都の実現” (pdf, 830.59KB)

    (第2回大阪にふさわしい大都市制度推進協議会より)