粉屋の大阪to考想

大阪都構想否決を受けて、その辺をだらだらと書いてみます。大阪の政治状況も併せて書いていきたいですね。Twitter: KONAYA @PAN_KOYA

大阪府主導で「政令指定都市の是非」の住民投票を!<大阪都構想>

ALL or NOTHING

私の回答です。何のことかは最後まで読んでください。

 

都構想に賛成した方と消極的反対をした方向けに、維新が都構想で敗北した理由、なぜ民意の醸造に失敗したかを考察してみた。

結論としては以下になった。

 

1.敗北の直接理由としては、既得権益層の組織票に敗れた


2.大阪全体の未来を府民の三割である大阪市民に判断を付託したこと

 

以下に理由を述べる。

 

1.既得権益層の組織票に対する維新の甘い見積もり

 大阪維新は結党以来、大阪における既得権益層と戦ってきた。

既得権益層とは、「大阪府市から所得の全て、ないし一部を得ている大阪市民・府民とその団体」と定義する。)
 大阪市からの補助金を打ち切り、市職員組合など旧来の既得権益層、中之島一家と戦い、その中で維新は敵を増やしてきた。しかしこれは直接の敗因ではない。問題は、そういった既得権益層の弱体化まではよかったのだが、既得権益層を組織として葬ることができなかった点にある。今回の都構想で、大阪市特別区に移行すれば、大阪市及び大阪府における既得権益層の組織は都、および特別区移行に伴い、解体され、葬られていただろう。

 しかし、住民投票の段階ではまだ生きていたのだ、この組織達は。

 これらが全て反対票に回る。

 このことは以下の結果に表れている。投票日の開票直後に産経新聞は速報で、出口前の調査結果を発表した。(産経の出口調査は、2781人から回答を得ている。)

投票日当日の出口前調査の結果は、賛成率51.7%である。

f:id:pankoya:20150523225524p:plain

(計算方法:<大阪都構想>維新はなぜ敗北したか?<第7回> - YouTube )

 

ここから期日前投票の賛成票の割合は、次の値が算出される。

43.74%

 投票日当日の51.7%から7.96ポイント差、実に8ポイント差の賛成率の下落である。この数字自体は、多少の誤差はあるだろうが、期日前は45%以下ではあったと考える。NHKの速報が開票が終わる寸前まで出なかったことからもそれがわかる。

f:id:pankoya:20150525204425p:plain

 当日投票数は100万票を超え、期日前と不在者投票を合わせた投票数も30万票を超えている。これらを考えれば、これは異常な数値である。普通に考えて、どちらかに近似した数字にならなければおかしい。(今回の住民投票の総投票数:1,406,084票)
仮に期日前投票の賛成票が当日投票と同じ投票傾向にあったと仮定した場合の、組織反対票数は以下になる。

f:id:pankoya:20150523230726p:plain

 期日投票時に56,437票の反対組織票があったと仮定できる。無論、この数字自体には意味がない。しかし、期日前投票に大規模に組織反対票を入れる勢力があった事実については間違いがない。この組織票が今回の僅差の住民投票の賛否を分ける分水嶺となった事実は明白である。
投票率が高いと組織票が意味がないというのは間違っている。僅差の場合は絶大な効果を発揮する。特に住人投票のように二択のような場合は。例えば有権者の2%の反対組織票があったとする。この時の残り98%が、51:49で賛成となっていっても、反対組織票が反対に入れれば、投票率100%でも反対派が勝つ。)

 

 また、反対組織の「どぶ板選挙」への対策も維新は甘かった。反対組織側は明確に勝つ区と放棄する区を選択し、その持てる人員と選挙の争点の方向性を絞って投入し、組織外の票を反対票へと取りこんでいった。対する維新は提案者ということもあり、大阪市全体、有権者全体と対話しようとした。これにより、只でさえ少ない組織力の分散、争点も都構想全体とする為にぼやけた印象になってしまった点は否めない。

f:id:pankoya:20150524094302j:plain


 そして、都構想波及を恐れた周辺自治体や府外の同様の団体及び外郭団体とその上部組織の都構想に対する恐怖を認識していなかった。これらの組織は都成立以降、周辺市が特別区に編入されるタイミングで順次解体されていくことになる。そういった組織防衛の観点から選挙期間中は大挙して、市外・府外から大阪市内に選挙応援に来ていた。これらも敗因の要因には、なるだろう。

 

 今回の特別区設置に関する住民投票が賛成多数で成立していれば、大阪市大阪府の解体再編成により、基礎機能の適正な分散と広域機能の集約が行われた。しかし、それらは表の看板であり、裏の看板を見れば、多くの市職員が大阪市から切り離されることがわかる。例えば、代表的なものでいえば、地下鉄職員やごみ清掃業を担う清掃局などがそうである。これらは民営化までの間、一部事務組合・大阪府等の管轄の下に入り、民営化などにより、いずれ市職員から切り離されていた。これらにより、大阪市の職員数は現行の3万5千人を超えている数から、2万5千以下の平均的な自治体規模の職員数に近づくことができた。また特別区議員の報酬三割カットや同規模地方都市の議員定数に比べ、半分の定数・特別区の基礎行政権限の強化など意欲的な改革が盛り込まれていた。橋下市長は、住民投票という「一石」で「20鳥」を狙ったともいえる。しかし、住民投票一つで、大阪のありとあらゆる問題を「一石20鳥」で解決しようとするあまり、最大限の効果を狙いすぎた。そのせいで維新が対応できる以上の敵を作りすぎてしまい、対処できなくなった。敵を明確に設定し、分断することができなかった維新の政治力の敗北と言える。

2.大阪全体の未来を府民の三割である大阪市民に判断を付託したこと

 まず、最初にはっきり言っておきたいのは今回の住民投票で、70歳以上の賛成投票率が低いと言われてる事についてである。確かに数字だけ見れば低い。が、シルバー層は保守的になるものである。これはイギリスのスコットランド独立における住民投票の結果を見ても明らかな傾向で顕れている。むしろ70代以上が40%に近い賛成を入れていること、また60代がほぼ50%の賛成ということは、ある意味、今回の都構想について十分な賛成票を入れたと言える。

 

閑話休題

 今回の住民投票投票率は、66.83%でした。平成21年8月の衆議院議員総選挙では、大阪市の平均投票率は65%です。(全国平均:69.28%)下の大阪市の選管のリンクで、男女の年齢別で投票率があります。ほぼ投票の傾向は変わらないでしょう。これの投票率と今回の有権者の各年代・男女別の人口に、今回話題になっている男女年齢別の賛成率をかけると53%位で勝つ結果になります。今回、マスコミが出してる数字で計算したら賛成多数以外の結果は出ません。(まあ投票率と反対票100%の一定層がいるため結果が反対になる訳ですが)唯一出たのが70・60・50代を投票率100%にして40代が88%、20.30代の投票率が0%のときだけです。(40代が88%になるのはここで、70-40代人口=今回の住民投票総数になるため)この時でも賛成率は49.99%でした。まあ意味はありませんが、負ける数字を出したくて最終的に24区の男女・年齢別まで作りました。が、負けが出ません。「70代ガー」っていう意見をよく見ますが、投票率自体は75歳までで、それ以降は落ちます。80才を超えると急落します。有権者数も激減していきます。死んでいきますからね。基本的に70代より上って投票率有権者数を考えても1.5世代ぐらいとみて構いません。

f:id:pankoya:20150524195932p:plain

 今回の結果なら 70歳代以上=<(40+50+60)歳代 で、どうやったって相殺できてるはずなんですよね。計算上もそうなってますし。残りの20・30代の賛成票で普通に勝ってます。選挙は60歳代の賛否でほぼ傾向は決まります。ここが一番、ホットスポットなんですよ。あまり70代をいじめないでねw わかりやすい数字には気を付けましょう。私も含めてだけど。

 今回の年代別・男女別の結果だけを見て判断するのなら、50-20代の女性票の賛成率が低かったから負けた、というのが正解です。性差別って言われるからメディアは言わんのかもしれんけど。大阪市の人口からしても女性の数は50代はやや男性が多いものの、40-20代は女性の方が数が多いんです。女性票は、男性票より有権者数・投票率ともに高いですからね。ここの賛成率が男性と同じなら20000%負けていません。あと若者が投票に行かないっていうのはここ最近の話じゃなくて、投票制度ができてからずっとそうです。今の60代70代も20代の時は投票に行ってません。それが事実です。よって、それを負けた理由に挙げるのは意味がありません。理由にするのなら今回の場合だと、なぜ女性票が賛成に向かわなかったのか?言い換えると、女性に限らず、保守層の賛成をなぜ得れなかったのか?ここになります。

f:id:pankoya:20150524094213p:plain

大阪市 大阪市選挙管理委員会 平成21年8月30日執行 衆議院議員選挙における年齢別投票行動調査の結果について

横道それ過ぎたので戻ります。

 

  ではなぜ否決になったかということだが、以下に説明していく。

 今回の住民投票ではあと5%の人間が、反対から賛成へ移っていれば55%の賛成多数で勝てた。これがなぜ、できなかったのかを考える。

 今回の特別区協定書では、大阪市が解体されると同時に、大阪府も解体され、再編されることになっていた。

 このことが、大阪都構想を正しく認識している層に、「府内において三割の人口しか持たない大阪市住民投票だけで、大阪府まで解体していいのか?」という総論では賛成だが、各論で反対というジレンマを生んだ。言い換えれば、残り七割の府民に対して、賛成へ決断することへのある種の申し訳なさ、後ろめたさと同時に、決断の重さから躊躇を生んだとも言える。

 こういった考えを生んだ背景、空気と言ってもいいが、都移行後のビジョンが不明瞭のままだったことが言える。都移行後、どこまでの範囲で周辺市が特別区として編入されるのか?また編入されたときの財政の格差はどう是正されるのか?(大阪市以外の市は編入時に旧大阪市5区の財政調整の中に入れるのか?etc)編入時の条件、都の運営など、朧げな明示はされてるものの(大都市法に編入の条件などの記載はあるが)情報不足・明確な形で提示がなかった。結局、都移行時点でのメリット、ビジョンは理解するものの、それが描く都の最終形や効果などについての不安感や都移行による大阪府下の他の市や旧大阪市へ与える相互の影響の不透明さを払拭できなかった。これらのことが、府を解体することになる賛成への決断を留保させ、反対票を入れることになったと考える。人間は決断にストレスを感じるのである。維新はこれを軽減させねばならなかった。そしてそれは「説明と理解」では軽減せず、むしろ重くなるのである。

 

 維新の戦略で致命的な失敗だったのは、府民全体に対して「大阪において、政令市制度が必要か?」という共通認識を確認しなかったことだ。特別区協定書にある広域権限移行及び基礎行政の特別区での確立を一回の住民投票のみで決めてしまうという選挙戦略は評価できるものの、その戦略手順を間違えた。まず、選挙戦術として、大阪府下における政令市の意味及びその機能に対する大阪市民も含んだ大阪府民全体の共通認識・民意を確立することこそを最優先課題とするべきだった。
 

 維新としては、都構想を推進していく中で、二重行政を前面に出し、説明を繰り返した結果、二重・二元行政の不備や害悪に対する認識は大阪市民・府民に浸透した。しかし、その上で、大阪市及び大阪府を解体するという共通認識の獲得までには至らなかった。これは大阪府下に政令指定都市は要らないという共通認識を確認しなかったことが最大の原因である。もし確認をしていれば、今回の住民投票特別区移行の是非のみに争点も絞れたのである。

 

 橋下市長は、大阪府大阪市特別区設置協議会(以下法定協)の停滞による特別区設置協定書の取り纏めの遅れを打破しようと、大阪市長選の出直し選を敢行した。が、あれは不要であった。橋下市長は大阪都構想を掲げ、市長に当選をしているのである。再び出直し選をして改めて民意を問うということは、二重に都構想推進の賛否を問うことであり、市民からも出直し選の意義への理解は得られなかった。結果として出直し市長選の投票率は低調に終わることになる。私は、法定協のメンバーを入れ替えるためだけ、協定書の決議を強行するための内向きの説明の為だけに市長の出直し選をしたと考える。単純にそれだけのことであれば、出直し選などせず、大阪都構想推進の民意は下っているのだから、そのままやればよかったのである。

 

 本来、維新はここで改めて市民および府民に対して、大阪都構想の意味を問いかけるべきであり、市民に対してだけ、出直し選という形で問いかけても意味はなかった。橋下市長及び維新が判断を間違ったのは、大阪都構想を掲げて、知事・市長選挙に勝ったのが「大阪都構想賛成」ではなく、「大阪府大阪都にしてよい」と捉えたことである。あのW選挙の勝利と出直し選挙での民意は「大阪都構想維新は進めてよい」という大阪都構想の計画書を作る委任状へのサインであり、「都移行」という契約書へのサインではなかった。つまり、W選挙・市長出直し選において「都構想」のみの審判は下っていないのである。よって維新は、法定協の維新以外の会派が如何に議事進行を妨害しているかを市民および府民に訴え、次の問いを府民全体に対して住民投票という形で投げかけるべきだった。

 

大阪府下における政令指定都市存続の是非」

 

大阪府において政令指定都市を持つ必要性があるかどうか?

大阪市堺市が広域行政機能を持つ事が、大阪全体にとって正しいのかどうか?

 

 橋下市長及び維新は、今回の住民投票の前に、大阪府が全府民を対象にこれを問う住民投票を行うべきであった。これが賛成多数で可決されれば、大阪全体の民意としてはっきりと「大阪市解体と大阪府解体、そして都への移行」に対して、民意が下った、都移行仮契約書にサインしたと言える。そして、特別区住民投票の際に、「政令市は不要」という民意と同調意識から世論にも賛成の空気が生まれ、大阪市民の決断の重さが軽減されたであろう。もちろん、この政令指定都市の是非についての住民投票自体には何ら法的根拠はない。しかし、民意として重いのである。この「錦の御旗」を掲げ、法定協のメンバーの入れ替え、そして協定書の採決を行うべきであった。その上で、今回の住民投票を行っていれば、必ず可決していたであろうし、堺市特別区編入への障壁も低くなっただろう。この民意を確認する民主手続きを飛ばしたがために、(もしくは、得ているという錯覚のために)私は今回の住民投票維新は敗北したと考える。

 また、仮に今回の「特別区設置に伴う住民投票」が同じ結果を生んで否決されたとしよう。しかし、それは大阪市民のエゴになる。その時点で、大阪府下に政令指定都市は不要という住民合意ができている。ならば、残り七割の府民の意思を尊重するために大阪市政令指定都市停止という法律を、維新が制定すれば話は終わる。具体的には、大阪市から政令指定都市権限を奪い、中核市にしてしまう。これであれば、最低限、広域権限の一元化という一方の果実は手に入った。あとは時間をかけて、民意を再確認しつつ、再び中核市大阪市特別区分割の住民投票を行えばよい。維新は、都構想において、広域の集約と基礎の分散を両輪としたが、これは間違いであった。勿論、双方が重要な制度改革であり、維新が不可分の関係としたことは理解するし、私もそう理解している。だが、しかし、どちらか一方しか取れないとするならば、それは広域の集約、大阪市の政令市の廃止、府への広域行政一元化ではなかったか?広域と基礎を対等の獲得目標とせず、最悪の場合でも広域だけは獲得する選挙戦術がなかったことも敗北の要因の一つだろう。蛇足を覚悟して言えば、今回の住民投票も、広域権限を府に委譲、特別区設置による大阪市分割の二本立てで、住民投票をやればよかったのかもしれない。今回の協定書案だと、投票を分けることは不可能ではあったが。
 ただ、特別区設置に伴う住民投票という一手で、巨大な政令指定都市である大阪市大阪府を解体し、一気に再構築を果たそうとする手段は見事であったし、僅差の結果に終わったことも橋下市長の政治センスの冴えを見せた。しかし、特別区設置住民投票の仕掛けの華麗さに目がくらみ、民意を誤ったと私は考える。

 

 マスコミは今回の住民投票が「説明不足」「拙速であった」と言う。これらのことは見当ハズレの地点から投げかけたものであり、笑止である。しかし、偶然に的には当たっている。
 マスコミがいう「説明不足」は単に住民に対して説明が行われていない、情報の絶対量が不足しているという意味でしかない。「拙速」も同様の意味だ。しかし、大阪市民がいう「説明不足」は違う。市民の言う「説明不足」とは、都構想の50を知ったので、残りの50を教えてくれ、という意味の説明不足であった。結局、初歩的な特別区のパンフレットを理解したうえで、出てきた疑問に答える解答がどこにも用意されていなかったこと。これが、説明不足の本当の意味である。こういうと、賛成の方から維新は十分説明をしたといわれるかもしれない。確かに回数は多くした。しかしそれは「パンフレット」の説明を繰り返ししたに過ぎない。これは維新を非難しているわけではない。ただ、より詳しく知りたいという欲求を叶えるものではなかったし、維新は選挙期間を通して基礎的な説明に終始したという点を言いたいのだ。ではどうすればよかったのか?ということであるが、維新は説明の中で、基礎的な説明のほかに、10年後、20年後の大阪都の姿のビジョンを伝えるべきだったのだ。それは成長戦略といった政策の話ではなく、制度として数十年後の大阪都の姿を説明しなかったということである。単純にいえば、TMなどの説明会で、大阪都の最終形の姿(周辺市が特別区として編入された大阪「都」の未来の地図)のパネルがなかったということである。

 また、「拙速であった」というのはこれに通じており、回答が得れないことからの理解不足への不安、また市民および府民全体の政令指定都市の廃止という決断への共通認識の確認がないことからくる賛成への不安などがあったと考える。そういった段階を踏めていなかった「拙速」さが、否決という結果に行きついてしまった。

 

 以上のことから、投票期間中及びその前に都構想賛成の空気感、世論が作れなかった。住民投票というものは、投票前に既に決まっている、わざわざ投票をしなくてもいいのではないか?というぐらいの世論と空気を作らないと勝てないというのが、今後の課題だと思う。そういった世論と空気を作るためにも、そして争点を整理する上でも、住民投票は二つ必要であったということを結論としたい。

3.最後に

 今回の住民選挙で維新は敗北をした。仮に住民投票の結果が50.1%の賛成で可決をしたとしても、それもまた維新の敗北である。今回の住民投票は、賛成を問う住民投票であった。であるならば、住民多数の賛成をもって、可決されていなければならなかった。これが達成されなかった以上、今回の住民投票維新の敗北である。
 

 今回の結果は僅差であった。普通であれば、票の数え直しが請求される局面である。しかしそれを橋下市長は求めなかった。仮にそれで一票が上回って、可決されたとしても住民多数の賛成が得られたとは、とても言えないからだ。逆に否決は反対票が一票でも上回れば、反対の正当性を持つ。制度上、一票でも上回れば、可決ではある。しかし、住民多数の賛成という観点から見れば、あくまで主観でしかないが、最低でも55%以上、できれば65%以上の賛成票で勝つことが住民投票の正当性を訴える上でも必要だったと考える。なんとなれば制度の改革であるのだから。

 

最後に維新が負けた理由を一言でまとめる。

 

維新は、維新であるが為に負けた」

 

意味は各自で考えて貰いたい。それぞれに違う答えになるだろう。

 

蛇足であるが、 

 維新は、「大阪府における政令市の是非」について、全大阪府民を対象とした住民投票を実施してもらいたい。今やれば必ず勝てる。超えないといけないハードルはいくつかあるが今回に比べれば低いものだろう。”政令指定都市が大阪に不要”という民意は「置き土産」としてこれ以上の物はない。

 蛇足の蛇足で、、

この住民投票を実施する際に、もう一つ以下のも加えて二つを住民投票に掛けたい。

「在住市における特別区導入の是非」

現在の大阪府下の市町村において、住民が特別区を求めているかどうかの意識調査みたいなものです。なに、意識調査だから問題ない。ついでです、ついで。

・・・もしこれで大阪市において、賛成が50%を超えたら?

今回の住民投票がちょっと早めの「大阪夏の陣」としたら、これは「大阪冬の陣」ができます。橋下市長は民意を受けて引退した。であるならば、民意を受けて復活、引退撤回もできるということです。まあ上の政令市の是非で大阪市が50%以上で賛成なら同じ意味になりますが。

 

大阪の戦(いくさ)は、二度起きる。

 

橋下徹を政治家として復活させるのは此れしかないと思います。

 とはいえ、自分たちの足でどう立つか、行動するかも併せて考えてください。

 

トリプル蛇足で、、、

 女性票のことを書いたので一言。私は性差はあると思ってます。女性票は選挙で男性票よりも投票率が高い。つまり政治に対して積極的だし、より考えていると思ってます。政治については考えるほど、男女の別なく保守化するとも思ってます。その意味で「保守層の賛成が得られなかったのか?」と閑話休題のところで書きました。意味合いとしては女性の方が多いだろうけど、男性も、といったところです。

 あと、維新ですが、私はこのまま橋下市長が引退したのなら解党するべきだと考えています。私はそもそも維新大阪都構想を実現するための時限政党だと捉えてます。それをしないのであれば解党するべきです。橋下市長が引退するまでに都構想に変わる魅力ある理念が出てきた場合や、引き続き、都構想を実現するために動くというのであれば、応援をします。しかし出ないように思うんですよね。私が橋下市長を評価するのは、負けた直後に、総合区推進に協力すると言ったことです。負けた後の対案も考えていたということです。この時点で、橋下市長はかなり総合区に対して研究をしていたのだと思います。都構想を設計した大阪市の大都市局を総合区案を練るのにつかわないか?という提案も大阪自民にしてましたし。おそらく大都市局で、総合区の研究もさせていたのでしょう。翻って、維新の議員に思うことは、なぜ、「都構想は俺が引き継ぐ!」と宣言する議員が出ないのかということです。それで、維新の執行部になんやかんや言われたら、「50%の賛成を入れてくれた市民のためにやる」と言って、維新から抜けたらいいんですよ。私は単純にそう思います。今回の都構想では私は何もできませんでした。次はもっとできるようになります。

 

あと、これは完全に妄想なんだけど、橋下さんって、例えば10年なら10年だけ、政治家やると決めてたんじゃないかなぁ。

 

というわけで、長々書きましたが以上で終わりです。